放送大学修士全科生入試一次試験

放送大学修士全科生の入学試験

奈良大学通信教育部にて歴史学を学ぶこと1年半、卒業論文の草稿も完成し卒業も見えてきました。
となると考えるべきは今後の学習をどのように進めていくかということです。

歴史学はあくまで趣味の一環として学んでいるので一休みしても問題はありません。
しかし、将来的には自分なりに歴史学を深く学んでいきたいと思いますし、一度ブランクを挟むとせっかく学んだことを忘れてしまいそうな気もします。そうするともう一度勉強しよう、とはならなさそうで怖いです。

そのため、仕事をしながら続けられるのであれば次のステップ、すなわち大学院の修士課程で学びたいと考えています。
本業優先のため大学院も通信課程になりますが、通信課程で歴史学を学ぶことができるのは放送大学と佛教大学の2校のみ。そこで、入試の難易度や学習内容の広範さを勘案して放送大学の修士課程(修士全科生)を受験することにしました。

通信制の大学(学部)は実質的に入試がないことが多いようですが、大学院では通信課程でも入試があるようでそれは放送大学も同様です。
放送大学の場合は1次試験で希望するプログラムに関連する論述と英語の試験が、2次試験で面接が行われます。

そして10月1日は1次試験でしたので朝から気合いを入れていました。

 

1次試験の感触

放送大学は各都道府県に学習センターと呼ばれる拠点を解説しています。

在校生は一つの学習センターを選択して所属するようで、受験も希望する学習センターで行うことになります。
神奈川県では横浜の上大岡に学習センターがありますが、小田原から行くのは大変です。一方静岡県では静岡市ではなく三島市に学習センターがあり、しかも駅からすぐという好立地。小田原からだと新幹線ですぐですし、東海道線でも40分くらいでつくので横浜に行くよりかなり楽です。そのため、希望する学習センターを静岡として、試験も三島で受けました。

放送大学静岡学習センター。県立高校の中に入居。

放送大学の学習センターは大学など他の施設に入居していることが多く、静岡学習センターは県立高校の中に入っていました。
高校の中に入るのはいつ以来なのか思い出せませんが、少し懐かしい気がします。

今日は東海道線で行きましたが、東海道線は本数が多くないので定刻よりずいぶん前に到着。といって時間をつぶすほどでもないのでさっさと試験会場に入室することに。

入室すると座席表があるので受験番号を確認して着席。
修士と博士の試験が同じ部屋で行われたのですが、全員の受験カテゴリーが座席表に書いてあって、静岡学習センターではどのカテゴリーに何人受験するのかがわかります。
私が受験する人文学プログラムの修士の受験生も複数名いて、やっぱり受験者はそれなりにいるのだと感じました。ただ、合格者は絶対評価で決められているようなのであくまで自分との勝負だと自分に言い聞かせていました。

しばらく待って試験開始。論述と英語がまとめて2時間。時間配分は自由です。
英語を片付けてから論述に集中しようと思い、まずは英語の問題に取り掛かります。
英語の問題は英文の要約でした。過去問ではそれほどてこずらない程度の難易度でしたが、いざ試験会場で問題を読むと一読では完全に文意を把握できず、2、3回読むことになりました。それでも読めば内容は理解できたのでささっと要約。ただ30分ほどかかってしまったのは想定外でした。

そして論述。人文学プログラムにはいくつかの分野があり分野ごとに問題が設定されていますが、歴史学希望なので歴史学の問題を選択します。
問題の内容は奈良大学の履修科目で勉強したこと(レポートで書いたこと)と卒論の内容がそのまま活かせるものでしたので、書きたいことはすぐに決まりました。ただ字数制限があったのでその辺の調整は手間でした。
あと、奈良大学の単位習得試験と同様、やはり手が疲れます。特に今回は時間制限があるのでなおさら疲れますね。下書きしてから答案用紙に書いたので回答のほぼ2倍書いてますし。

試験時間内に終わったら一部の時間を除き退室することもできますが、少しでも回答の質を上げるためにぎりぎりまで時間を使いました。やり切った感があるので、どのような結果が出ても後悔はありません。

本日の結果は10月末に通知され、合格していると11月中旬にZOOMで面接試験になります。ここでは研究テーマと研究の方向性について話すのではないかと思いますが、すでに卒業論文の大枠ができているので、落ち着いて話せば好印象を与えられると期待しています。

9月末から本日にかけて学会報告、卒業論文草稿の作成、放送大学入試とバタバタしていましたが、これでようやく少し休めます。
とはいえ来月頭には参加している研究会で投資信託制度関係の報告を行いますし、中旬には放送大学の面接、12月には専門誌に投稿する論文の原稿の提出、とまだまだ課題山積。
本当に休めるのは卒業論文の提出が終わる年明けになりそうです…

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初・学会活動

アカデミック活動・始動

この2年ほどは奈良大学での歴史学の勉強が学業の中心でしたが、自分の目指す姿は本業のアセットマネジメント業界での法令・コンプライアンス分野と趣味の歴史学の両方でアカデミックな活動をすることです。
そのため、歴史学の勉強ばかり行っていると本業での活動が進まなくなるという恐れがありました。

一方で、金融法にせよ歴史学にせよアカデミックな活動の舞台である学会に所属した上で報告や論文投稿などを行うことが必要になるのですが、まずその舞台に立つハードルが以外に高いです。
学会にもよりますが会員の推薦が必要なことも多く、その場合は会員を探してお願いしないといけないでしょう。そうでなくても会費もあるし安易に入会できるものではなさそうです。

さらに学会で報告したり論文を投稿したりするとなると緊張感もあれば批判をたくさん受けるかもしれないという怖さもあります。もちろんそういったものは質の高い成果物を生むために必要なものだと思いますが、やはり気が重いものではあります。

しかしそんなことを言っていてもはじまらないので、幸運にもご縁のあった学会に入会し、先日初めて学会で報告する機会をいただきました。

 

報告の内容

学会で報告するからには参加者の方に関心を持ってもらうことができ、かつ自分の強みを生かすことができるテーマを選ぶ必要があります。

私の強みはアセットマネジメント分野の法令・規制ですのでその分野で自分が掘り下げたいと考えていたテーマで報告させていただきました。

詳述は避けますが、最近始めた軌跡シリーズのソシャゲ『暁の軌跡』で自分の報告テーマと近い話が出ていてニヤニヤしていました(笑)

ゲームの世界でも投信の販売のイメージは…©Nihon Falcom Corporation.©USERJOY JAPAN CO.,LTD.©USERJOY Technology CO.,LTD.

ここで投資信託(投信)を死ぬ気で売ってこいといっているリーヴさんはベンチャー企業の社長でメインキャラクター(主人公側)の一人ですが、よくイメージされる証券マンにそっくりです。怖いです。
ゲームの世界でも投資信託はこんな扱いなの…(´・ω・`)

投資信託の勧誘にはリスクと費用の説明も必要です。©Nihon Falcom Corporation.©USERJOY JAPAN CO.,LTD.©USERJOY Technology CO.,LTD.

リーヴさんは自らも投資信託を売り込む商魂たくましいビジネスパーソンです。
本当にゲームの世界か?

金融商品の勧誘は相手の属性を考慮することが必要です。©Nihon Falcom Corporation.©USERJOY JAPAN CO.,LTD.©USERJOY Technology CO.,LTD.

日本では一般投資家に投資信託を勧誘する場合はリスクと費用の説明が必要ですし、また投資知識や財産、年齢など顧客の属性に合わせて商品を勧めなければなりません(適合性の原則)。

リーヴさんはリスクの大きい投資信託を金融知識のないノエルさんに勧誘したため、特務支援課のエリィさんに怒られてしまいます。
投資信託を販売する者は投資信託の説明責任を果たすのはもちろん、顧客にとって勧める金融商品が適切なものかを考慮する必要があります。これは日本でも軌跡シリーズの世界(クロスベル)でも同じようです。

ちなみに金融知識がないなんて言われてしまったノエルさんですが、警備隊(クロスベルの国防軍のようなもの)若手のホープで、碧の軌跡では特務支援課の準メンバー(エリィさんの同僚)として大活躍してくれます。

零の軌跡にて。最初から人当たりがいいのも魅力。©Nihon Falcom Corporation.

創の軌跡でも大活躍のノエルさん。バイクを使った大技も魅力。©Nihon Falcom Corporation.

ノエルさんの最高の見せ場は碧の軌跡の終盤だと思いますが(軌跡ファンなら賛同してくれるはず)、その後も活躍を続けるエース的存在。性格はまっすぐながら、決して脳筋キャラではありません。

・・・と、ノエルさんはともかく軌跡シリーズで投資信託がこのような扱いをされているということはプレイヤーの中でもこれが一般的な感覚と考えられているということだと思います。

資産運用・自助努力の必要性が叫ばれている中、投資信託は重要な役割を果たす金融商品だと信じていますが、販売する側の姿勢と投資家の認識の間で齟齬が生じることも少なからずあり、それが投資信託に対する不信感の原因であると感じています。

ただし証券会社等の販売会社や投信会社もお客様にわかりやすい説明をするように取り組む流れになっていますし、また金融教育についても普及が進むなど両者の乖離は徐々に改善されていくものと信じています。
その中で所属する投信会社のコンプライアンスとして会社の公正な活動を促すことに加え、アカデミックな観点からも考察・情報発信を行うことで投資信託業界の発展に貢献できたらいいと考えています。

 

いつかはノエルさんに安心して投資信託を購入してもらえますように。

※なお、今回の報告には軌跡シリーズの話は一切登場していません(笑)

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卒業論文草稿(3)_とりあえず草稿完成?

とりあえず草稿を仕上げる

9月も早いものでもう半分を過ぎようとしています。
10月には行ったら早々に卒業論文草稿を大学に送付しなければいけないので、9月中にはほぼ完成させている必要があります。

そんなことは4月からわかっていたのですが、時間は十分ある、なんて思っていたらもう半月くらいしかないという状況です。
人間締切がないと動かない、という話を聞いたことがありますが、締め切りがわかっていてもおしりに火が付かないと動かない人間もいるようです(汗)

さすがに何もしていないと土壇場で手を付けても論文を書くのは難しいので資料収集は少しずつ行っていましたが、それに満足して論文を書き始めるのは後回しにしていました。
計画的に物事を進めたいとはいつも思うのですが、いくつになっても難しいです…
(夏休みの宿題は最後の方に泣きながら終わらせるタイプ)

私の場合、卒業論文は本文だけで400字詰め用紙で30枚~50枚という制限があり、少なくとも本文だけで30枚、12,000字程度は書く必要があります。
30枚なら1日1枚書いていけば30日で終わる、という皮算用をしていたりもしましたが、書いてみると意外に筆が進まなくて焦ります。
法学系の論文だと判例や立法担当者による解説などの引用も多いので字数が簡単に増えるのですが、歴史学の場合引用がそれほど多くないので字数が増えにくいです。文献史料を多用する場合は引用で字数が増えるかもしれませんが、自分は文献史料をあまり使いこなせないので引用はほぼゼロでした。
どちらにせよ、歴史学で引用が論文の大きな割合を占めるというのは見たことがないですが。

想定していたペースで書き進められないことがわかると、当然ペースを上げなければいけません。早め早めに書き進めようと構成を考えながら書けるところをどんどん書いていきますが、思ったほど字数が増えない、枚数も増えない。とりあえず書きたいことをざっと書いてみましたが、規定の最低枚数の半分にしかなりませんでした。
自分の論考はそれほどまでにスカスカなのかと悲しくなります。

枚数を増やすための方向性としては、資料をさらに集めて論述の厚みを増す、論点を増やすといったことが考えられます。無駄な言い回しを増やして字数を稼ぐのはなしです(笑)
そのため、考察の深みを増すために使えそうな資料を探したり、新しい論点を考えたりしました。この二つは全く別というわけでもなく、既述の論点の資料を読んでいくと新しい論点を思いつきますし、新しい論点を論ずると当然そのための資料が必要になります。この二つがかみ合うと論文作成もはかどる気がします。

今回も新しい論点を考えていると既述の論点の穴が見えてその部分の考察を強化することも多々あり、それはそれで字数が増えて一石二鳥でした。
字数・枚数を気にしているうちはまだ不十分だと思いますが、そこは目をつむっておきましょう。

・・・そして、ついに最低枚数の30枚に。
かなり長かった。最低枚数なのにすでに書きたいこと、書けることを書きつくしたような気分です。あとから見返すと全然薄いと感じるでしょうが。
とにかく草稿を提出できる状態になったので一安心です(提出までは見直しますが)。提出できないと土俵にも立てませんので。

草稿を提出してもまだ作成すべき資料・論文は別にあるのでしばらく走り続ける日々が続きそうですが、今は羽を伸ばしたい。。。

関係ないですが、ヤクルトの村神様がシーズン55本に到達しましたね。
途中まで試合を見ていたのですが、観戦をやめた後に55本のニュースが。
見ておけばよかったと後悔しましたが、これも巡り合わせでしょうか。

人生全て巡り合わせ、論文のテーマも昨年には全然考えていなかったものですが、自分にとって時間をかけて取り組む甲斐のあるテーマですし、良い巡り合わせになりました。
巡り合わせとは本当にわからないものですが、ちゃんとやってくるものなんですね。

ロト7のいい巡り合わせはいつくるの?

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考古学特殊講義

考古学特殊講義の内容

この夏の前半にスクーリング科目3科目を受け、先日最後のテキスト科目の西洋史特殊講義の単位取得が決まったので、スクーリング科目の単位取得を前提とすると残すはスクーリング科目1科目と卒業論文のみになりました。

最後のスクーリング科目は考古学特殊講義。
文化財修復学と並んでこういう機会でなければ学習することもないだろうということで履修しました。本当は実地で学びたかったので非常に残念ですが、これも巡り合わせというものでしょう。

考古学特殊講義では飛鳥時代、つまり推古天皇の時代から平城京に至るまでの宮殿・寺院・古墳の変遷について学びます。実は飛鳥時代に特段思い入れはなかったのですが、王宮の変遷は政治とも関係するので興味深く学びました。
課題も宮殿・寺院・古墳のどれか一つについて飛鳥時代における変遷について述べるものでしたが、迷わず宮殿を選びました。

 

課題の内容と学び

上記のとおり、課題では王宮・寺院・古墳のどれかの飛鳥時代の変遷の意義について説明するというもので、王宮の変遷について述べることにしました。

平安京や現代の東京、あるいは鎌倉・江戸といった幕府の拠点を知っている我々からするとイメージがしにくいですが、飛鳥時代には天皇が変わるごとに王宮が移る「歴代遷宮」が行われていました。そのため、飛鳥地方には王宮の後が多く存在します。
現代的な感覚では代替わりの度に王宮が移転していたら建造費の負担は大きいし、それについていく役人たちも大変だろうなという感じもしますが、それが可能なだけの権力が王権にあったということでしょう。

歴代遷宮が行われた背景には死の穢れを嫌ったとか建物の耐用年数の事情があったなどいくつかの説がありますが、どれも決め手に欠けて特定されていないようです。
さすがにこれだけの大事業を繰り返すのですから何かしら明確な理由はありそうなものですが、今後の研究に期待したいところです。

レポートの作成には下記の二つの書籍を参考にしました。
古代の都の移転は古代の重要なテーマであり、書籍も比較的多く図書館においてありました。これらの本は内容がわかりやすく整理されていたので読みやすかったです。

 

 

推古天皇時代以降平城京ができるまで、基本的には飛鳥地方で王宮が移動していましたが、いくつか例外があって難波宮や大津宮は飛鳥地方の外に設けられています。
これらの背景としては対中国・朝鮮半島の外交関係の変化があり、こういうところにも国際情勢が影響してくるのは興味深いです。

また東京や平安京に慣れていると王宮の移転が都市の移転を意味するように思いますが、王宮と都市(京域)はずっと一体だったわけでもなさそうで、王宮と京域が一体となった都市計画が作られたことは判明している最初の例は平城京の前の藤原京だったそうです。

また、推古天皇の即位は直前の崇峻天皇暗殺のわずか1か月後で、蘇我氏の邸宅を用いて豊浦宮として急ぎ形式を整えたようで、推古天皇と蘇我氏の協力関係が垣間見られるなど王宮の建設や移転から見えてくるものはたくさんありそうです。

個人的にはあまり古代、特に飛鳥時代には関心がなく知識もあやふやでしたが、このように情報を整理してアプトプットすることで最低限の知識は身についたような気がします。あくまで最低限ですが。

このレポートの提出をもって、すべての履修科目の単位修得が完了する予定です。
あとはひたすらに卒業論文を書くだけです。
時間があると思っていたらもう1か月しかない。
時の流れとは怖いものですね…

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西洋史特殊講義(3)_試験結果

西洋史特殊特殊講義の試験

今年度もいくつかテキスト科目の単位の取得を目指していましたが、7月末に西洋史特殊講義の単位習得試験を受験しました。
スクーリング科目及び卒業論文を除くと西洋史特殊講義の単位が取れたら卒業に必要な要件を満たすことができるため、とりあえず最後のテキスト科目の試験になります。

試験問題は英国国教会の成立過程についてでした。
宗教的な論点については深い関心がなくテキストを斜め読みしていたところが突かれました。正直一番出てほしくなかった問題です(笑)

まあそれはそれとしてテキストのどの部分に書いてあるかはわかっているので、改めてテキストを熟読しながら回答を考えます。回答を考えているうちに理解が深まっていったので結果オーライです。

ざっくりとした理解では英国のキリスト教はカトリック→プロテスタント(ヘンリー8世の離婚問題に端を発する英国国教会のローマ教会からの分離)→カトリック(メアリー1世の頃)→プロテスタント(エリザベス女王の頃)という感じだと思いますが、その流れも改めてテキストを読んでいて理解できました。
英国国教会自体は世界史、あるいは現代の英国人とのお付き合いの中でも知っておいた方がいいテーマだと思うので、ちょうどいい機会でした。

 

試験結果

苦手な論点でしたが、一応回答用紙にはびっしり回答を書きました。書き足りない論点もあるかもと思いつつ、きりがないのである程度のところで打ち止めです。
少々不安もありますが、苦手な分野の試験も乗り切ってきたのできっと大丈夫なはず。。。

そして結果が来ました。

84点!!上々の結果です。得意でない科目・論点でこの点数なら文句なしです。

これでテキスト科目の勉強はとりあえず終了。
あとは卒業論文草稿をあと1か月で書き上げることができれば卒業がグッと近づいてきます。油断せず体調管理にも気をつけてあと1月頑張っていきます。

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文化財学演習Ⅲ結果

文化財学演習Ⅲ結果到着

この夏はスクーリング科目を4つ入れていますが、一番重要なのが文化財学演習Ⅲでした。必須科目ですので合格しないと卒業できないということもありますが、卒業論文の方向性や考慮すべきポイントについてのフィードバックを得られるという点が大きいです。
卒業論文の計画についてはすでに卒業論文計画書に対してフィードバックを受けているので方向性について懸念はありませんでしたが、それからさらに構想を練ったものについてフィードバックを受けられるのは貴重な機会だと思います。

成績については80点で無事に単位をいただくことができました。卒業へ向けて大きな前進です。
あとはフィードバックですが、これは受講生だけが視聴できる動画で行われていました。
全ての受講生に対するフィードバックが行われていますが、各受講生の提出したレジュメも提供されているので、他の方のフィードバックも参考にすることができます。

 

フィードバック内容

研究内容へのフィードバック

今年度卒業予定の方の多くが今回履修していたと思われ、履修者はかなり多かったようです。そのため一人当たりの個別のフィードバックは多くはありませんでしたが、全体を通して聞いていると他の方への指摘も参考になりました。

私の注意点としては物的史料が少ないものに対する考察をどのようにまとめ上げるかについてよく考える必要があるということでした。
ご指摘のとおり小田原用水に関する物的史料は多くはなく、その中でも北条氏の時代に限定するとさらに少ないのが実情です。その点については昨年の夏のスクーリングの文化財学演習Ⅰでも指摘されており、これまでも強く意識していたポイントです。

物的史料としては小田原市の発掘調査に依存することになりますが、それ以外には文献史料や各種先行研究を用いて考察を進める方針です。
当初想定していたレベルでの研究になるかは不透明ですが、一定の形に仕上げて大学院での研究につないでいきたいと考えています。大学院に受かれば、ですが。

あと、文化財を用いた研究は文化財学科らしくてよいとのコメントも。やったぜ。

 

他の受講生へのコメントと研究内容

動画では他の受講生へのコメントもありましたが、そのコメントも参考になります。
自分に向けられていないとはいえ自分にも当てはまる点があったりしますし、良いところを取り入れたり、逆に避けるべき点を事前に知ることもできるので、他の方へのコメントも極力聞いておいた方がいいと思います。
他の方の研究内容が興味深かったので、コメントも含めて動画全体を楽しむことができました。

他の方の研究内容を紹介することはできませんが、研究の視点や関心が人それぞれで聞いているだけでワクワクしてきました(担当教員の先生も同じような感想をお持ちでした)。
仕事の経験をベースにしたユニークな研究内容であったり、ハードな実地調査を行っている研究内容があったりして、これこそ通信教育部の素晴らしい点ではないかと思います。
通学部生は恐らく職業経験はないでしょうし、個人の研究のための時間をかけた実地調査も難しいでしょう。
個人的にはそのような卒業論文が他の人に読まれずにいるのはもったいないと思いますので、卒業論文集みたいなものを企画してみたいと考えています。

他の通信教育部の方とお話していて感じていましたが、奈良大学通信教育部の方は古墳や仏像、神社仏閣に関心がある方が多いようで、中世以降のテーマより古代のテーマがかなり多かったです。
歴史の中でも特に古代が好きな方は同じような仲間がたくさんいますので、奈良大学(通信教育部)での学びを強くお勧めします。
本当に熱量がすごいですし、きっと良い刺激を受けると思います。

私もその熱量に乗って卒業論文を進めていきたいところです。筆は進んでいませんが…

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