アンテナ on ソーシャルファイナンス(1)

3月もはや中旬。今年度ももうすぐ終わりです。
そんな中就職活動は大幅な前進を見せてはいませんが、何とか匍匐前進を続けています。
RSMのクラスメイトや日本のMBA仲間も続々と次のステップを決めているので少々焦りが無いでもないですが、大事な節目ですので納得のいく進路を見つけたいものです。

先の見えない状況というのは結構厳しいもので、つい目先のことにばかり気が行ってしまいますが、自分の関心のある分野に対するアンテナは張り続けていなければいけないと思い、サステナビリティ・ソーシャルファイナンスに関連する2つのセミナーに行ってきました。

まず、21世紀金融行動原則シンポジウム
21世紀金融行動原則とは業態の異なる多くの金融機関が資金をより持続可能な事業に流すようにしようという理念を掲げたもので、2013年3月現在186の金融機関が署名をしています。
これまで貸出/リース・保険・証券/運用・不動産といったワーキンググループに分かれ議論を深めてきたようで、今後の動向が注目されます。

参加者も結構多く、金融機関や関連事業者が積極的にサステナビリティを本業と関連付けようと模索しているのかが伺えます。


21世紀金融行動原則総会・シンポジウム会場

会議の中では金融機関のCSR・環境関連の素晴らしい取り組みについてもいくつか紹介されていました。それぞれ自社のビジネスや資産を有効に活用したもので、大変参考になりました。

その中に第一生命の保育所事業についても紹介されていましたが、保育所の設置は当然のことながら一般のテナント誘致とは異なった規制・配慮が求められ、それらをクリアするために様々な工夫がなされたそうで、聞いていて感じるところ大でした。

またUNEP FI (Finance Initiative)の特別顧問、末吉竹二郎氏が講演されました。
氏の姿を生で見ることができたのはソーシャルファイナンスを志す人間として感動するものがありました。単なるミーハーですが(笑)
当シンポジウムの中では2012年6月にブラジルで開催された「国連持続可能な開発会議(通称リオ+20)」にスポットライトが当たったこともあり、この講演の中でも主に自然資本について触れられていました。

講演の中で特に印象に残ったのは「フカヒレスープを出さない」という話。
多い統計だと現在年間約7300万匹のフカが捕獲されていてフカの個体数減少が深刻化しているうえに、残酷なことにフカヒレのために捕獲されたフカはヒレだけ切り取られてあとは海に捨てられるそうです(講演では触れていませんでしたが、ヒレを切られたフカはその後溺れてしまうとか。なお日本ではサメのほぼすべてを利用するので事情が違うとも。)。
これらの背景からワシントン条約会議では3種類のフカの捕獲が規制されるとともに、シャングリラやペニンシュラといった一流ホテルがフカヒレスープを出さなくなるといった状況になっているそうです。
もちろんフカヒレだけではなく、漁業資源の73%は持続可能な線を超えているという指摘もあり、海産物好きの自分としては他人事ではありませんでした。

なお、リオ+20では世界の金融機関が自然資本宣言を発表しており、37の金融機関が署名しています(日本の金融機関では三井住友トラストホールディングスが署名)。
特にRobeco、ASN Bank、Rabobank、Unicredit、SNS Assetなどオランダの金融機関が目立ち、さすがソーシャルファイナンス大国だと感じました。

その後各業界の代表者と環境省担当者を交えたパネルディスカッションがありました。
その中で特に2つの意見が印象に残りました。
一つは今後金融業界が経済の持続可能性を高めていくためには業態を越えた連携が必要である、という意見。
もう一つは、地方の中小企業であっても、取引先が国際的な大企業である場合はその企業の調達が国際ルールに従うことになり、結果としてグローバルな動向が影響を及ぼすため、地域の金融機関もその取引先も注意をしなければいけない、という意見。

特に後者の意見は就職活動でいろんな業種を考えている身として参考になりました。
最近はグリーン調達や倫理調達ということを意識している企業も多いでしょうし、またグローバル化が進む中、輸出入の機会が増えたらその分国際ルールが絡んでくることも増えるでしょう。もしかしたらTPPなどもこの動向に影響してくるかもしれません。
そう考えると、環境問題や国際ルールは地方の小さい企業であっても必ずしも無縁であるとは言えないし、そこに金融機関のサービス提供の余地がありそうです。
そういう意味では、金融業界内の連携にとどまらず、事業会社をどのようにこの流れに取り込んでいくかということも議論の焦点になるかもしれません。

ともあれ、今後もこの金融原則を取り巻く動向について注目したいところです。

(2)に続く
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