Advanced Strategy

プロジェクトやブリュッセル研修、そしてしばしの休みが終わり、ついに初めての選択科目に入りました。

3学期は個々人の関心に合わせて、Advanced Strategy, Advanced Finance, Advanced Marketingから一つの科目を選び集中的に受講します。

自分の場合、これまでFinanceの職務経験があり、また金融・投資理論そのものにはあまり関心がなかったこと、将来の夢であるソーシャルファイナンスの立ち上げのため、個々の戦術(Finance, Marketing)を学ぶより、ビジネス環境を包含した大きな絵を描く能力を身につけたかったことなどがあり、Strategyを選択しました。

この選択科目は毎日1コマ(3時間)が2週間、ということで、これまで1日2コマだった生活に比べてかなり余裕ができそうです。

授業の内容はユニークで、Strategyのクラスや本で見かけるようなfive forcesやSWOT分析などの分析ツールを解説するのではなく、ケーススタディを使いながら、そもそも戦略とは何か、どのようなものが戦略に影響するのか、などを、企業だけではなく、国・歴史レベルで考えていきます。
ケーススタディの対象も企業だけでなく、国であったり、国と企業が一つになったものであったり多様です。

例えば、シンガポールはなぜ成功したのか、ということを単に政策そのものを分析するのではなく、その歴史的背景や組織・リーダーシップ、立地、外交環境など様々な観点から分析します。

私はもともと歴史が好きだったということと、ビジネスをビジネス的な視点だけで見るのではなく、社会や歴史の中で位置付けながら考える傾向があった(だからCSRや経済・経営史に関心を持っています)ため、非常に楽しんでいます。

また、非常にラッキーなことに、この科目の教授は日本の大学でも教鞭をとっていらっしゃるということで非常に日本について詳しく、日本に言及されることがよくあります。

話題が好きで、日本について触れられる機会が多いなら、これほどの発言のチャンスはありません。

ということで、この授業についてはほぼ毎日発言していますし、クラスメイトからもこの授業に入ってから話すようになった、と言われることが多いです。

ちなみに今回から選択科目であるため、チームも自分で組むことになりました。
まあ、そのうちでいいかー、と思ってのんびりしていたらほとんどの人がチーム組を終えていて、初日に急いで空いているチームにお願いして入れてもらいました。

そんな今回のチームは、日本人2人、台湾人1人、メキシコ人1人、ナイジェリア/英国人1人の5名。
相変わらずチームの中でガンガン話す、ということはないのですが、それでもこれまでのチームに比べ話すことはできている気がします。
授業でもチームでも話しやすい環境になっているため、今学期こそできるだけ話せるようになりたいと思います。

・・・と、頑張っているといいことがあるもので、今学期積極的に発言しているのを見て、普段あまり話したことのないクラスメイトから、「今学期は1学期に比べてすごく進歩があるみたい。英語ではこういう勉強をすればいいよー」というアドバイスをもらいました。
涙が出そうなくらい感謝しつつ、みんな見ていないようで、結構見ているものだなー、と痛感しました。

「天は自ら助くる者を助く」と言いますが、頑張っていればこれからもいいことがあるのだと信じて、卒業までの数ヶ月を悔いのないように過ごしたいと思います。

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Berlin Trip

ブリュッセルの研修(TRIP)が終わり、ようやく1週間の休みができました。

久々にゆっくりした時間ということで、クラスメイトも欧州各地に旅行に行っていた模様です。
そして我々は、ドイツ人クラスメートの引率のもと、ドイツの首都・ベルリンに4泊5日の旅行に行ってきました。

在来線にて7時間、ホステル宿泊の格安旅行です。
Rotterdam Centraal駅からAmersfoort駅で乗り換え、一路ベルリンへ。
オランダ国内2時間、ドイツ国内5時間といったところでしょうか。

オランダからドイツに出るところで電車のオペレーションの関係で10分ほど停車していましたので、その間に駅の売店へ。

さすがソーセージの国、駅にはソーセージもおいてありました。

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ドイツの最もオランダよりの駅にて。美味でした。

外の景色を見ていると、緑が豊かなのはオランダと同じですが、オランダと異なる点として、風力発電の機械が多く見られるところです。

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ドイツの風力発電。オランダの風車と同じくとけ込んでいますね。

脱原発宣言をしたことで知られるドイツですが、これほど身近に風力発電があるのであれば、その見通しもなるほど、と思わなくもありません。
もちろん、それほど単純な話ではないでしょうけど…

と、そんなことを考えながら電車に乗ること数時間、ついにベルリン中央駅に到着です。

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ベルリン中央駅。

ベルリン中央駅で乗り換え、隣の駅がホテルの最寄り駅。
駅から歩くこと数分、ホテルに到着です。

ホテルでは日本の人気アニメが放映されていました。

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日本でもおなじみのあの少年はベルリンでも人気です。

ホテルで少し休んでみんなで夕食。
たまたまあるクラスメイトの誕生日だったのでHappy Birthdayと声をかけました。

ドイツらしく肉料理とビールに舌鼓をうってその日は終了。

翌日の朝食はホテルにて。
チーズ、肉、野菜と充実していてありがたかったです。

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ハムの種類が豊富でありがたかったです。

朝食を食べたらベルリン観光。
引率のクラスメイトがよくプランを練ってくれていて、無料で楽しめるコースを考えてくれていました。

そして街中を歩いていると、バス停にこんな張り紙が。

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Never Forget… 悲しい歴史です。

ちなみに彼はホロコーストの責任者だそうで、こういうところにも歴史の傷跡が感じられます。
最初に見たのはカイザー・ヴィルヘルム記念教会
ヴィルヘルム皇帝を追悼するための教会です。
現在は修復中ですが、本来は戦争中に破壊された姿をとどめ、戦争の悲惨さを伝えているそうです。

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カイザー・ヴィルヘルム記念教会。
次にドイツの戦勝記念塔ジーゲスゾイレ
何度かの戦いにおける戦勝を記念して建てられたそうです。

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ベルリン中心の公園の真ん中で堂々と立っています。

この塔の中には3ユーロで入ることができ、内部にはドイツの歴史解説や欧州の主要観光名所のミニチュアがあります。
また約300段の階段を上ると一番上に立つことができます。
そこにはベルリンを一望できる素晴らしい景色が。

その公園の中を歩いていると、目を引くモニュメントが。
戦車のモニュメントと一緒にありました。

なんと旧ソ連の戦勝記念碑だそうです。
ベルリンの真ん中に敵国の戦勝記念碑があるというのは複雑な気分でしょうね。
日本でいえば、日比谷公園に米国戦勝記念碑があるようなものでしょうか。

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このモニュメント、どういう思いでドイツ人は眺めるのでしょうか。

もう少し公園の中を歩いたところで公園内のレストランで昼食。
ドイツらしくソーセージを食べました。

またレストラン内のお土産屋さんでベルリンの壁の欠片を発見。
定番ですが早速購入。

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ベルリンの壁。小さいものから大きいものまであります。

レストランのそばにはドイツの国会議事堂が。
非常に荘厳な建物で見る者を圧倒します。

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ドイツ連邦国会議事堂。大きいです。

正面上部には、”DEM DEUTSCHEN VOLKE(To The German People=ドイツ国民のために)”と記されています。
この部分はユダヤ人建築家によって取り付けられたのですが、その建築家はまさのそのドイツという国によって収容所に送られその命を奪われたそうです。

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同じく国会議事堂にあった上記の説明。
国会議事堂のそばには首相府(Chancellor’s Office)もあるのですが、これは国会議事堂よりも大きかった気がします。

国会議事堂から歩いてすぐのところに凱旋門(ブランデンブルグ門)があります。
パリ、ブリュッセルのほか、ベルリンにも凱旋門があることに驚きましたが、欧州各国は戦争を繰り返していた歴史があることを考えると、もしかすると欧州各地に凱旋門があるのかもしれません。

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ブランデンブルグ門。かつてはベルリンの壁の真ん前にありくぐれなかったとか。

凱旋門の前では観光客相手の商売が色々あり、そのうちの一つに、4カ国に占領されていた頃のベルリンを移動するために各国でもらうスタンプとドイツ当局にもらうスタンプを絵はがきに押す、というものがありました。
面白かったので2ユーロ払って押してもらいました。
こういう形でドイツでは歴史が受け継がれていくのかもしれません。

次いで防空壕の解説ツアー。
戦時中に使っていた防空壕を案内してくれます。
その防空壕・シェルターは地下鉄の駅とも連結しており、地下鉄の駅自体がシェルターとして機能します。

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防空壕・シェルターとして機能している地下鉄の駅。

シェルターの設備のほか、緊急時におけるプロセスや葛藤などについても説明されていました。

ちなみに、この一連の説明でドイツの緊急事態への備えを理解しましたが、それ以上に感じたのは、「ドイツ人は英語がうまい」ということ。
ろくに英語ができない自分がいうのも変ですが、そのガイドさんの英語はすごく流暢で、ついていくのが非常に大変でした。というか分からない部分がかなり多かったです。
その人に限らず、ベルリンでは接触したほぼ全ての人が非常に流暢に英語を使っていました。ドイツ人はオランダ人ほどには英語を使わない、と聞いていたにもかかわらず。

そんなことを感じながら、ほとんどの人が英語ができるというのは、観光客を呼び込むために非常に重要だと考えていました。
やはり英語が通じるというのは観光客として安心感につながります。

防空壕ツアーの後は夕食。
その日は日本食・ベトナム料理レストランに行きました。
みんな日本食が好きだなー、なんて思っていたら、自分以外みんなベトナム料理を注文していました…orz
食事中、中国人クラスメイトがギリシャ人クラスメイトに箸の使い方を教えていました。
ギリシャ人の彼はすぐに使い方を覚え、なんと日本人の自分よりきれいでした(汗)

食事の後はみんなで水タバコを吸いにいきました。
タバコを吸わないのでどんな感じなのか少々不安でしたが、フレーバーが効いていてあまり煙たくもなく、気持ちよかったです。
その時は結構眠かったのですが、吸った瞬間目が覚めて、これがタバコの効用かと納得しました。

3日目は前日訪れた国会議事堂ツアー。
担当のガイドさんが色んなところを案内してくれました。
中にはアンゲラ・メルケル首相の部屋(外側)やCDU(ドイツキリスト教民主同盟)の会議室なども含まれています。
ちなみにCDUはメルケル首相の所属政党(党首)です。

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メルケル首相の部屋。外側は普通でした。

国会議事堂の後は東西冷戦の象徴・ベルリンの壁へ。
ベルリンで一番見てみたかったものです。

 

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ベルリンの壁。

ベルリンの壁の近くには、ナチスドイツの恐怖をテーマにした写真館もありました。
非常に充実しているのですが、観覧は無料。ドイツの姿勢を感じます。

写真館では反ナチス・ユダヤ人、あるいは戦犯の処刑の様子やナチスに熱狂する当時のドイツ人の様子が展示されていて衝撃を受けました。

特に印象に残ったのが次の一枚。

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子どもたちも「ハイル・ヒトラー」

日本でも同じだったのでしょうが、国がほぼ一色に染まっていたんでしょうね。
ドイツでも日本でも同じ過ちを繰り返すまいと努力している一方、ナチスを支持する人が増えつつあるという話もあるようです。
国家間のもめ事というのは外交で簡単に解決できるものばかりではありませんが、国家が一つの色に染まったり、簡単に軍事に訴えるような事態には二度とならないようにしたいものです。

ちなみにクラスメイトがオランダ人にナチス式敬礼を冗談でしたら、そればかりは嫌悪感を示していました。
EUのもとに距離感が縮まりつつある欧州諸国ですが、こういうところでも歴史の存在を感じます。

その後はみんなで喫茶店で休憩。
スペイン出身の人とスペインの歴史について話していました。
現在のスペインが内戦でできたこと、対戦中のスペインのポジションなど。

特に興味深かったのは、米軍機が水素爆弾を運ぶ途中、スペイン上空で別の飛行機と衝突して水素爆弾をスペイン付近に落としてしまったというパロマレス米軍機墜落事故の話。
半世紀前の事故ですが、未だに現地にも大量のプルトニウムが残っていたり風評被害が合ったりと大きな影響を残しているようです。
これは原子力発電所の稼働に揺れる日本にとっても人ごとではないなと感じました。

その後、ベルリンの銀座っぽい通りを歩いてホテルに帰りました。
その日は疲れてみんなとの夕食は合流できず、23時頃の閉店間際にゆっくりイタリアンを食べにいきました。
料理も対応も非常に良く、初めて心からチップを払いたいと思って払いました。
ドイツの料理は予想に反して美味しいです!

4日目は自由行動。
ベルリンといえばシロクマのクヌートで知られたベルリン動物園を見逃すわけにはいきません。
クヌートに会うぞ!と思っていたら、クヌートは去年亡くなっていたんですね。

それでも動物園は楽しいものです。
ついた頃にちょうど大雨で時間をロスしてしまいましたが、それでも色んな動物に会えました。

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ライオン。かなり近くで見ることができました。

パンダもいるらしいのですが、その日はお目にかかることはできず。
ちなみにベルリン動物園ではパンダより霊長類の方が人気だそうです。
確かに霊長類コーナーは充実していて、特にオラウータンの前には人が絶えませんでした。

あと、オランダに帰った後に知ったのですが、この次の日にクロヒョウの赤ちゃんが公開されたそうで、非常に悔しい思いをしました。

クヌートに会えないのも残念ですが、ちゃんとお土産屋さんで会ってきました。

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クヌートの絵はがき。今でもシンボル的存在です。

動物園の後は、ベルリンを代表する博物館であるペルガモン博物館へ。
ベルリンには博物館島という博物館が集まっている中洲があり、ペルガモン博物館もその博物館島にあります。

ペルガモン博物館はその名の通り、ペルシャのペルガモンを発掘した成果を展示するために建てられたものです。

 

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ペルガモン博物館外観。

ペルガモン博物館では、ペルシャで発掘された当時の品々のほか、ゼウスの大祭壇やバビロニアのイシュタール門などが展示されています。

今回は初めて博物館を回るのにオーディオガイドを使ったのですが、大変勉強になりました。やはり展示品の背景が分かるとより楽しいものです。
これからは可能であればできるだけオーディオガイドを使って見学しようと思います。

そして、博物館の目玉である祭壇。

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ゼウスの大祭壇。その規模に圧倒されます。

ゼウスの大祭壇もイシュタール門も非常に大きく豪壮で、見ていると飲み込まれそうです。昔の人はどうやってこのような建物を造ったのだろうと思わずにはいられません。

ちなみに建物外部にはペルガモン博物館の看板が。
スポンサーのところには有名金融機関の名前などが出ています。
恐らくスポンサーなのでしょう。
金融危機で決して楽な状況でもないでしょうが(それともこれらの会社はこの状況下でも左うちわなのでしょうか)、こういうところにちゃんとお金を使うことができるのは素晴らしいことだと思います。

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ペルガモン博物館の看板。JP MorganやKPMGの名前が。
動物園と博物館に満足してホテルに帰還。
またドイツ料理を食べてそのまま就寝。

そして最後の日は早朝に出立。
帰りも電車の長旅です。

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ドイツ鉄道。DBはDeutsche Bahnの略です。

電車に乗っているとPostbankのオフィスが。
日本の郵政民営化の時に、ドイツの郵政民営化の本を読んだことを思い出しました(ドイツのPostbankも郵政民営化に伴い民営化)。

 

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Postbank。学生時代の思い出が懐かしいです。

そして長い電車の旅を終えて無事に帰宅。

ベルリンはドイツの近現代史の象徴ともいえる都市で、ずっと行ってみたかった都市なので、この機会に行くことができて非常に満足です。
しかも歴史の街ということで、自然と歴史について話し合うこともでき、楽しい時間を過ごすことができました。

これからも欧州の歴史や社会について理解を深め、欧州に留学した甲斐があった、と後々いえるようにしておきたいと思います。

ちなみにTRIPのグループ課題は「EUの今後についての予想」ということで、非常に興味深いです。
これが2学期のチーム最後の課題なので何とか少しは貢献して終わりたいところです。

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Themed Research International Project (TRIP)

先日無事にLiving Management Consultancy Projectを終え、その直後にはベルギー・ブリュッセルのEU本部や企業訪問を行うThemed Research International Project (TRIP)がありました。

TRIPは3日間の行程で、初日は学校でEUにおけるビジネスに関するゲストの講演を聴き、翌日から1泊2日でブリュッセルにてEU本部および企業訪問を行い欧州の政治事情や欧州に置けるビジネスのあり方について学びます。

初日は3人のゲストがRSMにて講演されました。

そのうちの一人は、オランダ前首相のヤン・ペーター・バルケネンデJan Peter Balkenende)氏でした。

彼は話の中でR&D(研究開発)への投資の重要性に触れ、事例として日本企業がR&Dへの投資を重視していたからこそノーベル賞受賞者(島津製作所の田中耕一氏)を輩出できた、ということを挙げられており、世界における日本の存在感はまだまだ大きいと感じました。

オランダ前首相
オランダ前首相、ヤン・ペーター・バルケネンデ氏 @RSM

翌日は総長に学校に集まり、バスにてブリュッセルへ。
ブリュッセルまでは約2時間の旅です。
本を読んだり雑談しているとあっという間に到着。

ホテルに到着後、まずはホテルにてコンサルタント会社のゲストのスピーチ。
お題はなんと「EUにおけるロビー活動」。
ロビー活動というと、ビジネスにおける正攻法ではない、少々後ろめたい感じが個人的にはあるのですが(もちろん、いかに大義を打ち出すかにもよるでしょうが)、こちらではロビー活動が重要な地位を占めるようです。
日本ではロビー活動から縁遠い生活を送っていたので、そもそもそれをテーマにスピーチをすることも含めて非常に印象的でした。

ちなみにロビー活動で重要なことは、「いかに強く、効率的・効果的にアピールするか」ということで、これは何事にも言えることですね.

昼食後、次はEU本部にてEU機構に関する講演。
バスで20分ほどと非常に近いです。

EU本部
EU本部ビル

EU本部のビルに入るには、空港のような厳重なセキュリティチェックがあり、その後身分証明書を確認されます。

講演はEU機構の成り立ちについてとEUの雇用政策についてでした。
それぞれ興味深いものでしたが、特に前者について関心のあるポイントがいくつかありました。
そのうちの一つは、EU機構はその内部にオンブズマンを抱えているということ。
もちろん企業内に監査部門を抱えているのは一般的であり、EUにも監査部門がありますが、監査という枠を越えて行政をチェックするような機関を包摂するというところにEUの意気込みを感じると共に、中立性はどのように担保するのか少々疑問に感じました。

ちなみにその点をスピーカーに聞いて見ると、ウェブサイトに事例を紹介しているので是非見てください、とのこと。
そのうちチェックしてみようと思います。

その次は欧州投資銀行(European Investment Bank)への企業訪問。
企業訪問は選択制で、EIBCocaColaMcKinseyInBevGEL’Orealの中から選ぶことになっています。

元々EIBを希望していたのですが、枠の関係からCocaColaに行く予定でした。
しかし、急遽先方の予定が変更になり、2日目に予定されていたEIB訪問が初日に繰り上げになったため、参加できることになりました。

ということで、EU本部から歩いてEIB事務所に向かいます。

EIB
EIB事務所。BEIはフランス語、EIBは英語表記

EIBではEIBの提供する金融サービスについて伺いました。
EIBは公的な金融機関でありながらベンチャーキャピタル業務を行っていて、またそれが結構うまく回っているということで二度驚きました。

公的金融機関ということもあり、貸し出しに当たっては収益性やリスクのみならず環境等にも配慮されているということでした。
そこで、社会性については環境以外の要素についても考慮しているのか、またそれらを数値化して評価しているのかについては両方ともその通りということでした。
こちらもウェブサイトに載っているそうですので、確認してみたいと思います。

EIB訪問を終え、次はディナー。
何人かの卒業生なども参加してのネットワーキングの場となりました。

みんなででぃなー
クラスメイトと。

お酒が入ったこともあり、普段話さないクラスメイトとも談笑したり、起業した卒業生と話すことができ、非常に有意義な時間になりました。

ディナーが上品だっただけに、量的に物足りないと感じた人が多かったようで、ディナーが終わった後に多くのクラスメイトが夜の街に繰り出したようです。
自分は残念ながら集合時間に少し遅れたため、一人でメールの対応や就職活動の準備などをしていました(涙)

翌朝は朝食を食べて、ホテルで講演。
朝食はさすがブリュッセルの高級ホテルということで豪華です。
チーズもハムも充実しています。

朝食
ホテルの朝食。ソーセージやピラフも美味。

朝食を食べたら講演。
2日目の講演は英国石油メジャーのBPと自動車大手のDimler
BPはエネルギーを取り巻くビジネス環境について、DimlerはEUにおけるビジネスとEU機構・欧州法体系との関係をメインに話されていました。

BPの講演では、近年の社会情勢(金融危機や中東動乱)のファイナンスへの影響について質問してみました。
回答によると、メキシコ湾沖での事故の時は借り入れが非常に難しかったようですが、それを除けばBPのビジネスは非常に強く、また低金利ということもあり、ファイナンスに特段の影響はなかったようです。

講演が終わると次は企業訪問。
この日は本来の予定であったCocaColaに向かいます。

コカコーラ訪問
CocaCola@ブリュッセル

CocaColaのオフィスでは、これまで作られた商品やボトル、ペットボトルを再生した作られたグッズ、冷蔵庫などを見せてもらいました。
それぞれ趣向が凝らされていて、非常に面白かったです。

なお、オフィス内は撮影厳禁ということで、ほとんど写真を撮ることはできませんでした。この辺りの情報管理もすごいですね。

ちなみにこのオフィスにはCocaCola社の自販機があったのですが、価格は全て€0.00
コーラ好きにはたまりませんね。

企業訪問からホテルに帰ってくると、急いでお土産のベルギーチョコレートを買い求め、その足でバスに乗車・・・したのですが、出発直前にホテルにチョコレートを置いてきてしまったのを思い出し、再び走ってホテルに帰り、戻ってきました。
短距離走でならした昔を彷彿とさせる走りでした(笑)

帰りの道中も、これまで話したことのなかったクラスメイトに話しかけ、盛り上がっていました。
その中で、卒業後どこで働くのかを聞かれ、「欧州で働きたいけど、現実的には日本企業の現地採用しかないけれどそれでは本社採用と待遇の差があるため迷っている」と話しました。
それに対し、「日本企業はなぜ現地ビジネスで現地の人を幹部登用しないのか」ということを聞かれ、「幹部の登用は社内政治マターだから」みたいな回答をしました。

もちろん本社との連携が重要なのは当然ですが、それは各地のビジネスにおける最重要事項ではないでしょうから、それは理由にならないと思います。
これは今後日本企業が海外展開を強化する上での課題になるのだと思います。

そんな風に今回のブリュッセル研修を締めくくるのにふさわしいことを話しながら、無事にロッテルダムに到着。寄り道せずに帰宅し、これにてTRIP終了!

欧州のビジネスについて色々考えることができたのはもちろん、人前で質問したり、普段話さないクラスメイトと話したり、と実りの大きい3日間でした。

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Living Management Consultancy Project

時間が経つのは早いもので、もう留学してから半年が経とうとしています。

ビジネスの基本的な科目が集中した2学期の試験も何とか終わり、息をつく暇もなくMBAプログラムのヤマ場を迎えます。

Living Management Consultancy Project (LMCP)。
文字通り、これまで学んだ内容を使って実際の企業の課題の解決策を提案する、というプロジェクトで、2学期のチームで行います。
実際のビジネスとの接触ということで非常に重要なパートです。

どの会社のプロジェクトを担当するかは抽選で決まります。
今年の企業は、Philips LightingPhilips Healthcare Education 、Philips Healthcare Business EnvironmentEnecoPhotanolでした。

そして抽選の結果、我々のチームはPhilips Lightingを担当。
担当企業が決まると、まずは課題と資料を与えられて読み込みます。
担当企業によって資料の量や内容が異なるようですが、我々は比較的多い資料を与えられていたようです(企業によってはほとんど資料がなかったというケースも)。

資料を読み込んで数日後、次に企業のプレゼンと質疑応答があります。
ここでクライアント側が自分たちの立ち位置と求める課題・解決策を示します(我々のケースでは最初にプレゼンの資料をもらっていました)。
そしてプレゼンの後に質疑応答。
基本的にこの機会しか企業側に質問することができないので(一応メールでのコンタクトはできるようでしたが)、事前にチームで質問すべき事項を考え、確認すべき点などをぶつけました。
事前に用意した質問が終わっても時間が残ったので、他にいくつか質問をし、自分も一つ質問をしてみました(企業内のリソースを使った解決策が可能か否か)。

クリアにすべき点を確認すると、そこから提案の作成とストーリー作りに入ります。
基本的なストーリーとしては、「マーケットが変容しているので、新たなセグメントに参入してビジネスチャンスを確保する必要があるため、新たなマーケットに参入するために業務提携あるいは買収によってノウハウを獲得すべき」という内容です。

そしてその展開でざっくりプレゼン資料を作ると、次にコンサルタントにチェックしてもらう機会が与えられます。
コンサルタントにストーリー展開を説明したところ、概ねOKで若干説得力を増すために改善すべき点を指摘されましたので、その点を踏まえて提案及びプレゼン資料をブラッシュアップしていくことになりました。

そして、ストーリーの細部について隙をなくしたり、リサーチをしたり、また見せ方に工夫をしたり、と準備を進めていきました。

そしていよいよプレゼンの日。
クライアント及びRSMの教授等にプレゼンをした後、それをもとにQ&Aが行われます。
プレゼンは3人で行いますが、質問は全員に当てられますので、リスニング・スピーキングが苦手でも避けることはできません。従って僕も回答する義務があります。
リスニングもスピーキングも得意ではないので戦々恐々としていましたが、チームメイトから「質問が分からなかったら聞き返したりゆっくり話してもらうようにお願いしても大丈夫」というアドバイスを受けていたので、何とかなるだろうと腹をくくることにしました。

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プレゼン・質疑応答が行われた部屋

そして見事にプレゼンが終わり、いよいよ質疑応答に。
まずはプレゼンに対する基本的な確認。チームメイトがうまく回答していきます。
そして次第に突っ込んだ内容に。聞きながらこれは回答するのが難しいな、と思っていましたが、やはりチームメイトがよく捌きます。
このまま当たらずに終わってくれないかな、なんて思ったりもしていましたが、当然そんな訳にもいかず、ついに指名されてしまいました。

当初、質問された意味が不明確で、聴き取りが悪いのかと思って繰り返してもらいましたが、やはり不明確で、さらにゆっくり話してもらいましたが、当然質問内容が変わる訳もなく、自分なりに解釈した内容で回答せざるをえませんでした。
若干苦し紛れ感がある回答ですが、なんとか絞り出して終了。あとはチームメイトがフォローしてくれました。あまりのグダグダ感に自己嫌悪感だけが残りました。

一度目の質疑応答が終了して、一旦退室。
あまりの情けなさにがっくりオーラが出ていたのでしょう、チームメイトたちがあれは難しい質問だったし、よく回答したよ、と励ましてくれました。
と同時にあれはこう回答すべきだったということがその時になって頭に浮かんできて、緊張していたとはいえ悔しい思いばかりが募りました。

そして二度目の質疑応答。
こちらは指名されることもなく聞いているだけで終わりました。
結局質問は1問だけで、その内容もグダグダという悔しい結果で幕を閉じました。

それでも最低限の自分の仕事は果たしたということでホッとしました。

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最後は仲良く記念写真

実のところ、このプロジェクトについては全くと言っていいほどチームに貢献できていませんでした。
1学期でもそうでしたが、時間に限りがあるような課題では議論がかなり早く進むため、どうしても議論の輪に入ることが難しかったです。
もちろん役割分担の分の仕事はするのですが、その仕事のスピードは遅いし、ミーティングでもなんとか二言三言話すのが精一杯。
もともと英語の壁と内気な性格ということが相まってチームメイトとの会話があまり多くはなかったのですが、そのツケが一気に来たという感じもします。

しかし、今回は全員が情報・理解を共有しなくてはいけないので、チームメイトも積極的にサポートしてくれます。最後には丁寧にレクチャーまでしてくれました。
また、たまたまチーム全体が手持ち無沙汰だったときにあるチームメイトと話していて、「大変なのは分かるけれど、結局のところ自分がやるかどうかが大事で、他人のケアを待っていてはいけない」ということを言われました。
そういうことは何度も言われ、その都度もっと努力しないとと思って2歩進んでは1歩後退ということを繰り返していたのですが、またしても背中を押され2歩進むことになりました。
その後には少し積極的に意見を言ったり、積極的に仕事を作って引き受けたりすることができました。
遅ればせながら、少しはチームの役に立てたかと思います。

プロジェクトの進め方や議論の仕方、フレームワークの設定の仕方など学ぶところは色々ありましたが、一番勉強になったのは「その気になれば貢献できる」ということと貢献の仕方を改めて学んだことかもしれません。

ともあれ、何とかプロジェクトが終わったことでプログラムのヤマ場を終えて折り返し地点を越えることになりました。

3学期以降はかなり時間の余裕があるので、就職活動を含め、より自分のしたいことができることになります。
もちろんこれまでも得るものは多かったのですが、当初の目的であるソーシャルファイナンス関連の知識やネットワークの強化や次のキャリアへの動きというのはまさにこれからですので、この時間を有意義に使っていきたいと思います。

最後に、これまで付き合ってくれた2学期のチームメイトに感謝!

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オランダ式結婚式

人生最大の晴れ舞台とも言える結婚式。
言うまでもなく結婚式はその国・地域の宗教・文化等の影響を受け、それぞれ異なる特徴を持つものです。
そして、プロテスタントで、また質実剛健で知られるオランダにも特徴のある結婚式のスタイルがあります。

是非とも、その人生最大の晴れ舞台が日本とオランダでどう違うのかを知りたいと思っていましたが、当然そんなに都合よく結婚式を迎えるオランダ人に出会える訳がありません。

・・・が、幸運なことに、一度だけお会いした英語の先生が今般ご結婚されるということで、親切にも結婚式に招待してくださいました。
なんと言う幸運!もちろん二つ返事で出席しました。

オランダでは市役所で結婚式を行うことが一般的です。
市役所といっても、こちらの市役所は日本の市役所の様な近代的な建物ではなく、歴史的な雰囲気の建物があるものが多いため、結婚式をしても違和感がない気がします。

市役所での結婚式は簡単なもので、それとは別に行われる教会での結婚式が本格的なものになります。

ということで、まずは市役所へ。

市役所前
ロッテルダム市役所の前にて。お客さんたちが開場を待っています。

市役所の前で待っていると、普通に新郎新婦がお客さんに挨拶しています。
服装もウェディングドレスではなく普通のドレス。
我々も結婚式前に挨拶することができました。

そして結婚式。ちゃんと神父さんもいらっしゃいました。
市役所での結婚式ですので、神の名の下に、ではなく法の下に結婚を誓ったようです(聴き取りが正しければ)。
証人(家族)も結婚証明書にサインしていました。

という感じで式はおしまい。20分ほどでした。

その翌日はロッテルダム市内の教会で結婚式。
今度は日本の結婚式同様の本格的なものです。

教会
結婚式会場の教会。雰囲気があります。

当然この時点では新郎新婦には会えません。
顔見知りの人と少し歓談して教会の中へ。

そしてしばらく待つと、まずは新郎が中へ。
そして新婦を待ちます。

教会の中
教会の中。中も当然雰囲気があります。

そして、ついに新婦の登場。
きれいなウェディングドレスに身を包み、お父様に付き添われて入場です。

そして、新婦は新郎のもとへ。
その後は夫婦の誓いをするとともに、友人一同歌を歌って夫婦の明るい未来をお祝いしました。

また、新婦のお母様が、夫婦のためにオー・ヘンリーの「賢者の贈り物(The gift of the Magi)」のお話をされていました。
賢者の贈り物とは、貧しい夫婦がクリスマスにそれぞれ相手のほしがるものをあげようと、妻は自分の髪を切って懐中時計の鎖を買い、夫は妻に櫛を買うために懐中時計を売ってしまう、という一見残念な行き違いに見えて、結局はそれが最も賢明な行いだったのだ、というお話です。

話すお母様も涙、 聴く新婦も涙、見ている方もウルッとくる一幕でした。

そして結婚式が無事に終わり、その後はちょっとしたパーティです。
日本の様な豪華な披露宴ではなく歓談を楽しむのがメインで、軽食とワインなどが用意されていました。

結婚式パーティ
歓談を楽しむ参加者一同。

たまたま席が同じだった新婦の友人と話していると、どうやら新婦と一緒に日本語を学んでいたことがあったそうです。嬉しい限りですね。

お腹がすいていたので、食べ物もばっちり楽しみます。
ビスケットやケーキをぱくついていました。

結婚式のお菓子
用意されたケーキ。カラフルです。ワインも堪能しました。

会場には日本人の方も結構いらっしゃいました。
そのうち、某日本企業の駐在員の方とお話しすることができました。
言葉の壁はやはり大変そうですが、結構オランダ生活は楽しまれているようです。
残業も日本よりは少ないと仰っていました。
オランダは日本より日が長いので、残業の少なさと相まって充実したプライベート生活を楽しむことができそうです。
これは日本と比べてオランダの強いアドバンテージだと思います。

しばらく歓談して、会もお開きに。
ダラダラするのではなく、短い時間で濃密な時間を過ごして終わらせるのもオランダ流かもしれません。パーティの時間は1時間程度だったと思いますが、ちょうど良い感じだったと思います。
久々に会う友人の場合は名残惜しいかもしれませんが、そういう人はきっと二次会や別の機会があるのでしょう。

以上、あるオランダの結婚式の風景でした。
日本での結婚式の様子と似ているところもありますが、市役所での結婚式やお母様のお話、日本の披露宴と比べて簡素なパーティなど、日本の結婚式と違うところもたくさんあって新鮮でした。

新郎新婦ともにすごく素敵な方だったので、ずっと幸せでいてほしいと心から願います。

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カテゴリー: MBA・ソーシャルファイナンス留学記 | 2件のコメント

すごい人もいたものだ

昨日買い物に行って部屋に帰ってくると、MFM(Master of Financial Management)の友人とたまたま会って、そのまま話し込んでしまい、ついでに夕食も一緒にしようか、という話になり、それぞれ食事を持ち寄り食べることになりました。

で、どうせなら誰か呼ぼうということになり、彼が友人を連れてきてくれました。
その友人は同じビジネススクールの学部生(タイの大学からの交換留学)で、以前に少し立ち話をしたことがある人でした(その経緯は覚えていないのですが)。

彼はまだ学部生ながら欧米経験が豊富で、英語もノンネイティブとは思えない流暢さです。聞くと高校の時から交換留学でアメリカに行ったりしていたそうです。
またタイ(都市部)では結構しっかりした外国語教育がなされているそうで、高校の時点で第二外国語を学ぶそうです。

どうやって英語を身につけたのか聞いてみると、洋画で身につけたとのこと。
彼曰く、洋画は4回見る。
すなわち、
1.  最初は母国語で見る(ストーリーの把握)
2.  次に英語だけで見る
3.  英語で見て、英語の字幕をつける。
4.  英語だけで見る。

というように英語を身につけたそうです。

また、彼はリーダーシッププログラムにも関心があるそうで、昨年は大学生の国際的なリーダーシップ(政策/ビジネス)コンペにも出場して素晴らしい成績を収めたそうです。
ちょうど最近そのコンペのオランダ国内予選があってそれを見てきたそうなのですが、各チームの取り組みが素晴らしく、聞いていて非常に感心しました。
特にあるチームはホームレス対策を考えるにあたって、実際に自分たちのチームにホームレスの人に参加してもらって対策を考えたそうです。この話を聞いて、アクティブさと本気度に感動しました。

彼と同じ年齢の頃を思い出すと、自分は英語が話せた訳でも、国際経験も皆無で、社会を変えるような具体的なアクションを起こしたこともありませんでした。
一方で、世界にはこんな優秀な人がたくさんいるものなんだなあとしみじみ感じました(もちろん日本国内にも優秀な人はたくさんいますが)。

学部生にもこんな優秀な人間がいるのだから、せっかくなのでビジネススクールだけでなく他の大学の講義にも出席してみて色んな人と話してみたいと感じました。
せっかく大学が母体としてあるので、これを使わない手はない、と(エラスムス大学は社会科学に強みがあり、特にインフラストラクチャー関係の講義が面白いと聞いています)。

一方、最近日本のサブカル動画(ゲームソング×ボーカロイド など)をよく見ているのですが、本当によくできていると思います。プロとしての活動をされている訳ではない人たちの作品も心を動かすことが多いです。このような才能は日本の強みだと思います。
日本人にはクリエイティビティが欠けているなどというステレオタイプな見方がありますが、こういう作品を見ていると日本人は決してクリエイティビティに欠けているなどということはないと思います。
こういう才能や成果物は多方面に活用可能だと思いますので、例えばサステナビリティとサブカルを組み合わせて何かできないか、などと考えたりしています。

そして、将来的にはこのような優秀な人と日本・世界を結びつけるような活動にも取り組んで、日本と世界の国々とそのビジネスをより活気づけられるようにしていけたらと思っています。

それにしても、人の心を捉えて話さないような成果物を簡単に作れ、簡単に多くの人にアクセスし、我々も無料で見ることができる、というのは本当に素晴らしいことです。
今もサブカル動画を見ながら、日本に生まれてきて本当に良かったとしみじみ思っています。

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