Berlin Trip

ブリュッセルの研修(TRIP)が終わり、ようやく1週間の休みができました。

久々にゆっくりした時間ということで、クラスメイトも欧州各地に旅行に行っていた模様です。
そして我々は、ドイツ人クラスメートの引率のもと、ドイツの首都・ベルリンに4泊5日の旅行に行ってきました。

在来線にて7時間、ホステル宿泊の格安旅行です。
Rotterdam Centraal駅からAmersfoort駅で乗り換え、一路ベルリンへ。
オランダ国内2時間、ドイツ国内5時間といったところでしょうか。

オランダからドイツに出るところで電車のオペレーションの関係で10分ほど停車していましたので、その間に駅の売店へ。

さすがソーセージの国、駅にはソーセージもおいてありました。

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ドイツの最もオランダよりの駅にて。美味でした。

外の景色を見ていると、緑が豊かなのはオランダと同じですが、オランダと異なる点として、風力発電の機械が多く見られるところです。

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ドイツの風力発電。オランダの風車と同じくとけ込んでいますね。

脱原発宣言をしたことで知られるドイツですが、これほど身近に風力発電があるのであれば、その見通しもなるほど、と思わなくもありません。
もちろん、それほど単純な話ではないでしょうけど…

と、そんなことを考えながら電車に乗ること数時間、ついにベルリン中央駅に到着です。

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ベルリン中央駅。

ベルリン中央駅で乗り換え、隣の駅がホテルの最寄り駅。
駅から歩くこと数分、ホテルに到着です。

ホテルでは日本の人気アニメが放映されていました。

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日本でもおなじみのあの少年はベルリンでも人気です。

ホテルで少し休んでみんなで夕食。
たまたまあるクラスメイトの誕生日だったのでHappy Birthdayと声をかけました。

ドイツらしく肉料理とビールに舌鼓をうってその日は終了。

翌日の朝食はホテルにて。
チーズ、肉、野菜と充実していてありがたかったです。

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ハムの種類が豊富でありがたかったです。

朝食を食べたらベルリン観光。
引率のクラスメイトがよくプランを練ってくれていて、無料で楽しめるコースを考えてくれていました。

そして街中を歩いていると、バス停にこんな張り紙が。

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Never Forget… 悲しい歴史です。

ちなみに彼はホロコーストの責任者だそうで、こういうところにも歴史の傷跡が感じられます。
最初に見たのはカイザー・ヴィルヘルム記念教会
ヴィルヘルム皇帝を追悼するための教会です。
現在は修復中ですが、本来は戦争中に破壊された姿をとどめ、戦争の悲惨さを伝えているそうです。

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カイザー・ヴィルヘルム記念教会。
次にドイツの戦勝記念塔ジーゲスゾイレ
何度かの戦いにおける戦勝を記念して建てられたそうです。

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ベルリン中心の公園の真ん中で堂々と立っています。

この塔の中には3ユーロで入ることができ、内部にはドイツの歴史解説や欧州の主要観光名所のミニチュアがあります。
また約300段の階段を上ると一番上に立つことができます。
そこにはベルリンを一望できる素晴らしい景色が。

その公園の中を歩いていると、目を引くモニュメントが。
戦車のモニュメントと一緒にありました。

なんと旧ソ連の戦勝記念碑だそうです。
ベルリンの真ん中に敵国の戦勝記念碑があるというのは複雑な気分でしょうね。
日本でいえば、日比谷公園に米国戦勝記念碑があるようなものでしょうか。

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このモニュメント、どういう思いでドイツ人は眺めるのでしょうか。

もう少し公園の中を歩いたところで公園内のレストランで昼食。
ドイツらしくソーセージを食べました。

またレストラン内のお土産屋さんでベルリンの壁の欠片を発見。
定番ですが早速購入。

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ベルリンの壁。小さいものから大きいものまであります。

レストランのそばにはドイツの国会議事堂が。
非常に荘厳な建物で見る者を圧倒します。

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ドイツ連邦国会議事堂。大きいです。

正面上部には、”DEM DEUTSCHEN VOLKE(To The German People=ドイツ国民のために)”と記されています。
この部分はユダヤ人建築家によって取り付けられたのですが、その建築家はまさのそのドイツという国によって収容所に送られその命を奪われたそうです。

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同じく国会議事堂にあった上記の説明。
国会議事堂のそばには首相府(Chancellor’s Office)もあるのですが、これは国会議事堂よりも大きかった気がします。

国会議事堂から歩いてすぐのところに凱旋門(ブランデンブルグ門)があります。
パリ、ブリュッセルのほか、ベルリンにも凱旋門があることに驚きましたが、欧州各国は戦争を繰り返していた歴史があることを考えると、もしかすると欧州各地に凱旋門があるのかもしれません。

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ブランデンブルグ門。かつてはベルリンの壁の真ん前にありくぐれなかったとか。

凱旋門の前では観光客相手の商売が色々あり、そのうちの一つに、4カ国に占領されていた頃のベルリンを移動するために各国でもらうスタンプとドイツ当局にもらうスタンプを絵はがきに押す、というものがありました。
面白かったので2ユーロ払って押してもらいました。
こういう形でドイツでは歴史が受け継がれていくのかもしれません。

次いで防空壕の解説ツアー。
戦時中に使っていた防空壕を案内してくれます。
その防空壕・シェルターは地下鉄の駅とも連結しており、地下鉄の駅自体がシェルターとして機能します。

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防空壕・シェルターとして機能している地下鉄の駅。

シェルターの設備のほか、緊急時におけるプロセスや葛藤などについても説明されていました。

ちなみに、この一連の説明でドイツの緊急事態への備えを理解しましたが、それ以上に感じたのは、「ドイツ人は英語がうまい」ということ。
ろくに英語ができない自分がいうのも変ですが、そのガイドさんの英語はすごく流暢で、ついていくのが非常に大変でした。というか分からない部分がかなり多かったです。
その人に限らず、ベルリンでは接触したほぼ全ての人が非常に流暢に英語を使っていました。ドイツ人はオランダ人ほどには英語を使わない、と聞いていたにもかかわらず。

そんなことを感じながら、ほとんどの人が英語ができるというのは、観光客を呼び込むために非常に重要だと考えていました。
やはり英語が通じるというのは観光客として安心感につながります。

防空壕ツアーの後は夕食。
その日は日本食・ベトナム料理レストランに行きました。
みんな日本食が好きだなー、なんて思っていたら、自分以外みんなベトナム料理を注文していました…orz
食事中、中国人クラスメイトがギリシャ人クラスメイトに箸の使い方を教えていました。
ギリシャ人の彼はすぐに使い方を覚え、なんと日本人の自分よりきれいでした(汗)

食事の後はみんなで水タバコを吸いにいきました。
タバコを吸わないのでどんな感じなのか少々不安でしたが、フレーバーが効いていてあまり煙たくもなく、気持ちよかったです。
その時は結構眠かったのですが、吸った瞬間目が覚めて、これがタバコの効用かと納得しました。

3日目は前日訪れた国会議事堂ツアー。
担当のガイドさんが色んなところを案内してくれました。
中にはアンゲラ・メルケル首相の部屋(外側)やCDU(ドイツキリスト教民主同盟)の会議室なども含まれています。
ちなみにCDUはメルケル首相の所属政党(党首)です。

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メルケル首相の部屋。外側は普通でした。

国会議事堂の後は東西冷戦の象徴・ベルリンの壁へ。
ベルリンで一番見てみたかったものです。

 

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ベルリンの壁。

ベルリンの壁の近くには、ナチスドイツの恐怖をテーマにした写真館もありました。
非常に充実しているのですが、観覧は無料。ドイツの姿勢を感じます。

写真館では反ナチス・ユダヤ人、あるいは戦犯の処刑の様子やナチスに熱狂する当時のドイツ人の様子が展示されていて衝撃を受けました。

特に印象に残ったのが次の一枚。

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子どもたちも「ハイル・ヒトラー」

日本でも同じだったのでしょうが、国がほぼ一色に染まっていたんでしょうね。
ドイツでも日本でも同じ過ちを繰り返すまいと努力している一方、ナチスを支持する人が増えつつあるという話もあるようです。
国家間のもめ事というのは外交で簡単に解決できるものばかりではありませんが、国家が一つの色に染まったり、簡単に軍事に訴えるような事態には二度とならないようにしたいものです。

ちなみにクラスメイトがオランダ人にナチス式敬礼を冗談でしたら、そればかりは嫌悪感を示していました。
EUのもとに距離感が縮まりつつある欧州諸国ですが、こういうところでも歴史の存在を感じます。

その後はみんなで喫茶店で休憩。
スペイン出身の人とスペインの歴史について話していました。
現在のスペインが内戦でできたこと、対戦中のスペインのポジションなど。

特に興味深かったのは、米軍機が水素爆弾を運ぶ途中、スペイン上空で別の飛行機と衝突して水素爆弾をスペイン付近に落としてしまったというパロマレス米軍機墜落事故の話。
半世紀前の事故ですが、未だに現地にも大量のプルトニウムが残っていたり風評被害が合ったりと大きな影響を残しているようです。
これは原子力発電所の稼働に揺れる日本にとっても人ごとではないなと感じました。

その後、ベルリンの銀座っぽい通りを歩いてホテルに帰りました。
その日は疲れてみんなとの夕食は合流できず、23時頃の閉店間際にゆっくりイタリアンを食べにいきました。
料理も対応も非常に良く、初めて心からチップを払いたいと思って払いました。
ドイツの料理は予想に反して美味しいです!

4日目は自由行動。
ベルリンといえばシロクマのクヌートで知られたベルリン動物園を見逃すわけにはいきません。
クヌートに会うぞ!と思っていたら、クヌートは去年亡くなっていたんですね。

それでも動物園は楽しいものです。
ついた頃にちょうど大雨で時間をロスしてしまいましたが、それでも色んな動物に会えました。

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ライオン。かなり近くで見ることができました。

パンダもいるらしいのですが、その日はお目にかかることはできず。
ちなみにベルリン動物園ではパンダより霊長類の方が人気だそうです。
確かに霊長類コーナーは充実していて、特にオラウータンの前には人が絶えませんでした。

あと、オランダに帰った後に知ったのですが、この次の日にクロヒョウの赤ちゃんが公開されたそうで、非常に悔しい思いをしました。

クヌートに会えないのも残念ですが、ちゃんとお土産屋さんで会ってきました。

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クヌートの絵はがき。今でもシンボル的存在です。

動物園の後は、ベルリンを代表する博物館であるペルガモン博物館へ。
ベルリンには博物館島という博物館が集まっている中洲があり、ペルガモン博物館もその博物館島にあります。

ペルガモン博物館はその名の通り、ペルシャのペルガモンを発掘した成果を展示するために建てられたものです。

 

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ペルガモン博物館外観。

ペルガモン博物館では、ペルシャで発掘された当時の品々のほか、ゼウスの大祭壇やバビロニアのイシュタール門などが展示されています。

今回は初めて博物館を回るのにオーディオガイドを使ったのですが、大変勉強になりました。やはり展示品の背景が分かるとより楽しいものです。
これからは可能であればできるだけオーディオガイドを使って見学しようと思います。

そして、博物館の目玉である祭壇。

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ゼウスの大祭壇。その規模に圧倒されます。

ゼウスの大祭壇もイシュタール門も非常に大きく豪壮で、見ていると飲み込まれそうです。昔の人はどうやってこのような建物を造ったのだろうと思わずにはいられません。

ちなみに建物外部にはペルガモン博物館の看板が。
スポンサーのところには有名金融機関の名前などが出ています。
恐らくスポンサーなのでしょう。
金融危機で決して楽な状況でもないでしょうが(それともこれらの会社はこの状況下でも左うちわなのでしょうか)、こういうところにちゃんとお金を使うことができるのは素晴らしいことだと思います。

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ペルガモン博物館の看板。JP MorganやKPMGの名前が。
動物園と博物館に満足してホテルに帰還。
またドイツ料理を食べてそのまま就寝。

そして最後の日は早朝に出立。
帰りも電車の長旅です。

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ドイツ鉄道。DBはDeutsche Bahnの略です。

電車に乗っているとPostbankのオフィスが。
日本の郵政民営化の時に、ドイツの郵政民営化の本を読んだことを思い出しました(ドイツのPostbankも郵政民営化に伴い民営化)。

 

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Postbank。学生時代の思い出が懐かしいです。

そして長い電車の旅を終えて無事に帰宅。

ベルリンはドイツの近現代史の象徴ともいえる都市で、ずっと行ってみたかった都市なので、この機会に行くことができて非常に満足です。
しかも歴史の街ということで、自然と歴史について話し合うこともでき、楽しい時間を過ごすことができました。

これからも欧州の歴史や社会について理解を深め、欧州に留学した甲斐があった、と後々いえるようにしておきたいと思います。

ちなみにTRIPのグループ課題は「EUの今後についての予想」ということで、非常に興味深いです。
これが2学期のチーム最後の課題なので何とか少しは貢献して終わりたいところです。

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