How to bridge between Profit and Non-Profit

11月に入って、急にロッテルダムも寒くなってきました。
服装も秋物では寒く、冬物をしっかり着込んで外出しています。
そして11月ということはオランダにいるのもあと1か月ということになります。
この10か月色んなことがありましたしすでに日本が恋しく感じていますが、残りわずかとなるとやはり感慨深いものがあります。

そして残り時間が少ないということはそれだけこれからできることも限られてきますので、自分の留学の目標に忠実に、またやり残しができるだけないように時間を過ごす必要があります。

私の留学の、そしてこれからのキャリアのテーマは「いかにしてビジネスを通じて社会を良くするか」ということでした。
具体的にはCSRやソーシャルファイナンスといったビジネスのベクトルに沿った形で多くの人を社会を改善させる流れに巻き込むか、ということを考えてきました。

そして先日、RSMで行われたイベントで、またそのことについて考える機会がありましたのでご紹介したいと思います。

ちなみにこのイベントはRSM Charity Clubの主催だったのですが、私はメンバーにも関わらずちょっとした告知や当日のお手伝い程度しかしていなかったので、その罪滅ぼしも兼ねてます(汗)。

今回お招きしたのはUNICEFINGWavinのゲスト。
この二社はUNICEFとパートナーシップを結んでいて、UNICEFとの連携によってどのように社会に貢献しながら企業価値を高めていくか、というテーマでした。

まず最初に、UNICEFの方がパートナーシップの活動やその位置づけについて説明。
彼らの究極的なゴールとしては国連ミレニアム目標(MDGs)があるようで、MDGsにどのようにリンクするのかということを強く意識されているようでした。

ターゲットを適切に設定することで、UNICEFとのパートナーシップを通じてUNICEFが扱う諸問題に対する認知度を高めながら、それを企業のCSRなどと絡めていくことが成功の鍵のようです。

unicef
UNICEFのプレゼン

続いてUNICEFのパートナー企業である、オランダを代表する金融機関・ING。
INGのパートナーシップのほか、INGがUNICEFとのパートナーシップによって得るものなどについてお話しされました。

INGがパートナーシップによるものとしては、従業員のコミットメントや企業としてのブランド価値が大きいようです。特に銀行というのはある程度の収入がある層にとっては重要なインフラになるため、そのような層を増やして将来的な顧客として考えられるという観点からもメリットがあるようです。

せっかく金融機関の人がそのCSR活動について説明してくれているので質問してみることにしました。

「金融機関の人は忙しい上、結構ドライな人が多いのではないかと思うのですが、そのような人たちにどのように募金をしたり活動に参加したりするモチベーションを与えているのでしょうか?」

回答としては、
「ポスターとかUNICEFの名前を使ったり、色んな広報をしてますので結構参加してくれる人はいますよ」とのこと。

誤解がなければ、その点は結構普通なんですね。欧州の人は日本人とはボランティアやCSRに対する距離感が違うでしょうから、同じようにしても欧州の人は共感の度合いが違うのかもしれません。
もちろん、日本の金融機関の人がドライな人ばかりな訳ではないし、金融機関の人がチャリティイベントに出ている姿はよく目にします。

ing
INGのプレゼン

INGの次はWavin。欧州の会社でプラスチックのパイプ製造大手です。
知名度はないけど、B to Bなだけで結構大手なんだからね!と話していました(笑)
以前に参加した同様のイベントでも、有名企業の中で一社だけ知名度のない会社の人が「うちは知名度がなくて…」「うちは小さい企業なんですが…」という言葉を連呼していて、会社を代表するというのは大変なんだと思いました。
もちろんその方の話は非常に面白くて、質問もたくさん出ていましたので、企業の知名度や大小とその話に対する関心の度合いは比例しないようです。

Wavinはパイプ製造の会社ということで、募金のほか、きれいな水の供給を通して貢献することを目指しているとのことでした。

wavin
Wavinのプレゼン

それぞれのプレゼンを聞きながら感じたのは、やはり企業の社会貢献、CSRは本業を通じてなされるべきものだということ。
本業を通じてこそその企業の強みや創造性が活かされて効果が出るし、また企業側も貢献しやすいし、モチベーションも上がるように思えます。

同時に、社内の人たちをどのように巻き込むのかというのも重要なポイント。この点はUNICEFも指摘していましたが、会社がどのように促そうとも社員の方が共感してくれなければ長続きはしないでしょうから、この点もCSR・サステナビリティ担当者の腕の見せ所と言えそうです。

イベントの後にINGの方とお話しして、金融機関のサステナビリティやリスク管理について伺うことができました。
INGのCSRの考え方やサステナビリティリスクの考え方などについて教えていただくことができました。サステナビリティのような定性的な要素についても評価の手順がしっかり決まっているようでした。

今後どのような会社もビジネスを展開する上でサステナビリティとそれに関連するリスク管理については避けられないテーマとなるように思いますので、そのような分野(CSR、サステナビリティリスクなど)で自分のキャリアを築いていけたら自分も社会に結構貢献できるのかもしれない、と考えています。

また今回学んだ企業と非営利組織の協働については、日
本でもNPOなどが活躍しつつある中で大きな可能性があると思いますので、復習しながら色んなアイデアを考えるきっかけにしたいと思います。こちらも今後何らかの方法で関わっていきたいです。

このように考えるヒントをもらったという点でも、今回のイベントは非常に有意義な時間になりました。

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