みんなの党、日銀法改正案提出

昨日、みんなの党が国会に日銀法改正案を提出したそうです。

その内容はおおむね、①日本銀行の理念・目的に「雇用の安定」を加える、②物価変動の目標を政府と共有し、それに対して説明義務を果たすこと、ということのようです。

これまで、個々の産業政策については比較的関心を持っていたものの、金融政策についてはかなり難しいうえ、(将来的にも)自分がなかなか関与もできないため、あまり強い関心はなかったのですが、たまたまこの内容を見かけて、少し疑問に思いました。

まず、①の点について。

確かにすべての経済政策について、最終的な目標の一つに雇用の安定があるのは確かだし、物価と雇用にはある程度の関係が見受けられるようです(フィリップス曲線など。歴史的なイベントとしては穀物法など)。

しかし、日銀の金融政策は一義的には雇用関連の指標と連動させているものではないでしょうし、雇用の安定には金融政策よりむしろ産業政策・企業努力による産業構造の最適化および労働関連法令による雇用の保護の方がかなり大きな地位をしめるのではないでしょうか。

そういう意味で、むしろ政府のほうが雇用関連の数値目標を達成し、合理的な説明がなされない場合は所管大臣の解任を含め責任をとる、というほうが妥当な気がします。

仮にそんなことになるとすれば、ほとんど無意味な数値目標ができるだけだと思いますが。

次に②について。

これはいわゆるインフレターゲットだと思いますが、この効果についてもよくわかりません。

確かに多くの国が導入しているとされているようです。しかし、現在行われている金融緩和策に比べてどのような効果があるのか。個人的にはアナウンスメント効果と首のかかった日銀役員が業務遂行に必死になる効果くらいしか思い浮かびません。

現実に日銀は様々な緩和策を打ち出していて、先日はETFやJ-REITの買入策まで発表されています。

しかしながらその効果は様々な要因で阻害されているようで、そのすべての責任を日銀に帰す、というのは日銀の権限を越えた責任論ではないでしょうか。

もちろん、この点は合理的な説明ができれば役員の解任はされないと規定されていますが(合理的かどうかというのはかなり裁量が入りそうですが)。

素人考えではありますが、資金需要を増加させるにはやはり実体経済の改善が不可欠であり、資金の流通量を増やしてもやはり限界があるのではないかと思います。

このような観点から、今般の日銀法改正案には疑問を感じざるを得ません。

なんとなく、経済が良くならないことを日銀に責任転嫁しているような気がします。

もちろん、経済政策における日本銀行の役割は非常に重要であり、大きな責務を負っていると思いますが、それはあくまで金融政策によるものであり、また直接国民の信任を得ていないこともあり、日銀の政策にはおのずと限界があることは広く認識されるべきではないかと思います。

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