今般の景気の低迷で、企業の労働力超過感は相当なものであると思いますが、特に正社員の雇用は法律で保護されていますので、解雇に至ることは必ずしも多くはないようです。
しかしながら、仕事の量に対して頭数が多いうえ、事業や企画が突然白紙になることもあり、やるべき仕事がなくなってしまうことがよくあります。
その結果、社員に仕事を与えられず、定年間際の社員のみならず、これから経験を積んで更なる活躍の基盤とすべき若手も社内で暇を持て余す事態が発生します。いわゆる社内失業です。
自分自身、常にというわけではないですが、社内失業気味に感じることも多いので他人ごととは思えず、書店で社内失業の本が置いてあるのを見て思わず買いました。
まわりが忙しい一方で、自分はどれだけ仕事を望んでも仕事がなく、かろうじてわずかな単純作業で時間をつぶす。これは周りが考えるよりひどい環境です。
社内における疎外感、自分の将来に対する絶望、転職する可能性の縮小。
しかも、社内失業している社員がやる気がないのか、といえばそうではなく、むしろ仕事を望んでいて、それゆえいろいろもがくのですが、結局それが実らないというケースも多いようです。
やる気のある人間で、忙しい部署もあるのだから、そちらに配属すればいいのに、と思うのですが、人員削減策も絡んでいるのでことはそう簡単でもありません。
転職できればお互いに利益があるのでしょうが、現時点で業務がないのだから面接のネタにも困ります。
そして転職活動がうまくいかない中時間だけが無情に過ぎていく・・・
もう一つ、社内失業の要因として挙げられるのが、新人・若手教育のノウハウの欠如。
バブル崩壊後に新卒社員の採用を休止・削減した場合、今までの間に新人・若手教育のノウハウがなくなってしまい、いざ新人を迎えた時にうまく教育できないために放置され、仕事ができないまま社内失業状態になってしまうこともあるようです。
自分自身が時折社内失業状態であることを感じるし、社内失業というものが会社や社会にとって大きな損失であると思うので、この問題は本当に考えさせられます。
僕自身は多少の仕事はあるし、まあ上司に見捨てられているわけではないのでまだマシですが、周囲が忙しい中毎日定時に帰るのは心苦しくありますし、成長の機会が少ないのではないかと思います。
しかし、それでも自分のことは自分で考えるしかないので、前向きに生きるしかありません。
自分のやりたいことを実現するためMBA受験の準備を進める。
毎日英会話のレッスンをして英語力を高め、自分の市場価値を高める。
法令等の深い考察や証券アナリスト等の資格によって業界人としての価値を高める。
などなど。
正直、他のMBA受験生の方々はみなさん忙しそうで、お話を伺っていてまぶしく感じることがあります。
しかし、他人の芝は青いもの。
少なくとも若いうちは様々な選択肢を考え、前向きに生きるとともに、「詰み」になる前に早めの行動を心掛けなければならないと強く感じました。
ちなみに自分自身は、会社で暇なときは、業界関係の法令等の勉強や社内資料の読み込み、外国当局の英文サイトの読み込みなどをして、少しでも自分の能力を高めるようにしています。
いつか自分の底力になることを信じて。
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