ING銀行にて口座開設

海外で生活していると、心配になるのがお金の管理。
日本だと簡単に生活のためのお金を手にすることができますが、当然海外では円を持って行っても使えませんし、また多額の現金を直接持ってくるのも危険です。

海外で現地の通貨を確保する方法として、結構便利なのが海外のATMから直接円を現地通貨にして引き出す方法。
僕は新生銀行の「パワーフレックス口座」を使って円をユーロにして引き出していました。
「PLUS」のマークがあるATMで引き出すことが可能なのですが、対応するATMが非常に多く、大変便利です。

しかし、残高証明を提出しなくてはならない事情があり、それを日本でとっていなかったため、こちらに銀行口座を開いて、日本から送金して残高証明を作成する必要があること、為替リスクをなくしたいことなどから、こちらで銀行口座を開くことにしました。

オランダには「ING」、「ABN AMRO」、「Rabobank」という3つの大きな銀行があります。
INGは日本ではING生命で知られていると思いますが、オランダ本国では銀行も含めた巨大なコングロマリットです。
ABN AMROはオランダ東インド会社にルーツを持つ名門ですが、金融危機の関係で英国の大手銀行Royal Bank of Scotland (RBS)を中心とする銀行連合に買収されました(今は「NLFI」という政府管理下の財団が株式を保有しているみたいです)。
Rabobankはもともと農業組織向けの金融機関で、日本における農林中金に相当すると言えそうです。

このうち、留学生が口座を開くのはING銀行かABN AMRO銀行が多いようです。
INGはオランダ最大手ということで安心感がありますが、ウェブサイトや書類が基本オランダ語で、自分で手続きをしようと思うと厄介です。

その点、ABN AMROは英語で手続きができるので非常に便利です。
店舗も多くて便利さでINGに引けを取るものではありません。

と、一見ABN AMROに軍配が上がりそうですが、済んでいるところの近くにある店舗がINGであることもあり、あえてING銀行で口座開設をすることにしました。

ということで、いざINGへ。

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住宅地の中にあるING銀行の店舗。普通の建物なのですが、違和感がありません。

さて、いざ中に。

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非常に落ち着いた感じで、雰囲気・空間共に余裕を感じます。

訪れたのは夕方だったのですが、お客さんが少ないこともあってか空間的にも雰囲気にも非常に余裕を感じました。
静かで、落ち着いていて、自分が銀行員の立場なら、こういう職場で働きたいと思いました。

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店舗内にはINGのシンボルであるライオンが鎮座。オランダの形がライオンに似ていること、オランダ王家の紋章にライオンが使われていることに由来しているそうです(詳細はこちら)。

店内には男性スタッフ二人がいて、お客さんと会話を楽しそうにしながら作業を進めていました。

で、自分たちの番に。
英語が使えないスタッフもいるので気を付けるように言われていましたが、対応してくださったスタッフは英語ができたので問題なかったです。
オランダ人は基本的に英語ができますが、ネイティブではないため、ネイティブに比べると聴き取りやすい英語でありがたいです。

順調に口座開設の手続きが進んで30分ほどで手続き終了。
ちなみに口座開設料に20€、口座管理費が四半期に3.75€かかります。
この辺りは全て無料の日本の銀行はありがたいですね。

一方、INGはATMの使用料が常に無料、残高証明もオンラインで自分でプリントできます。
平日は夕方まで店舗が空いているし、土曜日も開業。
ビジネスの時間が短く、その点では日本より不便というイメージがあるオランダですが、こと銀行については日本よりも便利です。

ちなみに、他の国の銀行の営業時間について少しクラスメイトに聞いてみました。
インドネシア:平日8時~15時。休日もショッピングモールなどの店舗は営業。
モンゴル:閉店は夜遅くの店舗が多く、24時間営業の店舗も。都市部には休日も24時間している店舗がある。

インドネシアは日本と同じくお金の集計などの都合で15時に閉店する一方、モンゴルは仕事帰りのサラリーマンが銀行サービスを利用できるように遅くまで営業しているようです。
決して日本の営業スタイルが一般的ではないんですね。

身近なサービスひとつとっても国によって色々違いがあって大変勉強になりますね。
是非とも良いところはいつか日本に持ち帰りたいものです。

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初プレゼン終了!

先日、統計学の中間試験、チームプレゼンテーションの前に教会に行ったという話を載せましたが、おかげさまでそれぞれ無事に終わりました。

神に、そして協力してくれたチームメイトに感謝です。

中間試験の結果はクラスの平均程度。
統計学は比較的英語に依存しない教科なので、日本で勉強していたこともあってもう少し点数が出るかと思っていましたが、意外に問題文を読むのに時間がかかって苦戦してしまいました。
まあ、理解が不十分だった点も否めませんが。
このあたりは反省して最終試験に臨もうと思います。

チームのプレゼンテーションは「Business Society Management」の課題でした。
ケースを読んで、自分たちのアイデアを考えて「チーム全員で」プレゼンをします。
ご丁寧に、シャイな人もしっかりプレゼンしてねー、とのことでしたので逃げられません(笑)

ケースとは、あるビジネスのシーンについて登場人物(経営者)が目指すゴール、その状況、関係者の考え、ゴールまでの課題などが物語調で書かれた資料で、それを読んで、自分がその立場だったらどのような回答を出すのか、ということを考えます。

今回の課題は、某農産業企業がカーボン・ニュートラルを達成するためにどのようにすればよいか、ということで、その企業・経営者が置かれた立場や関連する状況について資料を読んで、情報をまとめた上で、こうすればいい、という回答を出しました。

プレゼンについては、各自にパートを割り当てて、一人一人各パートを説明しました。
で、僕のパートは「Background」。
ケースの前提について説明するパートです。
箇条書きスタイルの説明ができ、またプレゼンの後に質問が飛びにくく、やりやすいパートです。

さて、プレゼン本番。
Backgroundの前にプレゼンの目的などを別の人が説明した後のプレゼンです。
人前で話をするのが苦手なので、心臓がバクバクいっていました。

・・・が、ここは覚悟を決めなくては。
そして、今までクラスメイトと話ができなかったのを取り返すチャンスだ!

ということでプレゼンに。
どうせ緊張しているので、落ち着くために深呼吸。
でも、せっかくならユーモアを効かせたい。

「ふぅーーー。(深呼吸) ←ここで一同笑い(これは期待していませんでしたが)」
・・・深呼吸はカーボン・ニュートラルではないですよね?でもこの会社はカーボン・ニュートラルを目指しています。

一同シーン・・・。
まさかここでユーモアがくると思っていなかったのか、また普段あまり話さない自分がユーモアを言うと思わなかったのか、はたまた単にスベっただけなのか。

このままでは悔しいので、「あれ、笑わない?面白くない?」と投げかけ、その問いが面白かったのか一同大笑いで拍手。
つかみは上々です。

その後は淡々と説明を続けて・・・、

「気候変動は多くの人の関心を集めており、いろんなレベルでの規制があります。国際社会、国、地方自治体、業界、企業単位、・・・そして我々自身、私はそう信じています。あなたは?

もちろん、最後の部分は不要なのですが、私たちも気をつけてるよねー、というちょっとしたユーモアのつもりです。
クラスメイトの顔を見るとみんなうなづいていてくれました。

あとは淡々と説明を続け、次のパートに引き継ぎできました。

緊張しましたが、英語もあまり言いよどむことなく、また聴衆の方を見てしっかり話せて、本当にいいプレゼンができたと思います。

クラスの後、クラスメイトが声をかけてくれて「interactiveでテンポも聞きやすくてよかった」と褒めてくれました。
また、それなりに好評だったようで、他の人にも良かったんだってねー、と言われたり。

現時点では英語の議論はほとんどできないし、またクラスメートにも無口で話しにくい人間だと思われている可能性もあるので、こういうところでチームに貢献しつつ、本当はもっとオープンな人間なんだよー、とアピールしたかったのでよかったです。

・・・がその後別のプレゼンをする機会があって、それは散々。
まだまだダメだなあー、と痛感。
でも、ちゃんと準備すれば何とかなるはずなので、今度は念入りに準備しようと思います。

また、プレゼンの後はやはりいつもの内気な人間に戻りがちですが、機会を見つけて話したことがなかった人にも話しかけたりして、顔とどんなことを考えているのか、ということを認識してもらおうと奮闘中です。

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メトロに乗って

2月になってロッテルダムにも雪の季節がやってきました。
気温も氷点下になることが多く、かなり寒いです。手袋・耳あては必需品です。
せっかく買った自転車も使えないな・・・と思いきや、結構自転車に乗っている人を見かけます。
さすが自転車の国、みんなたくましいです。


初雪を自室から撮影。ほとんどのクラスメイトがFacebookに初雪を投稿していました。

授業も順調に進み、ついにQuantitative Platform of Business (QPB:統計学) で中間試験を迎えることになりました。
そしてほぼ同時にBusiness Society Management (BSM) の授業で初めてのプレゼンテーションをチームで行うことになりました。

週明けが中間試験、ということで日曜日は試験勉強に充てよう・・・と思っていたのですが、クラスメイトから教会に一緒に行こうと誘われて二つ返事で受けてしましました。
小さい頃に実家の近くの日曜教会に行っていたり、ときどきキリスト教関係の話を読んだりしていてキリスト教に関心があり、またせっかくならいろんなものに触れてみたいと思い、勉強は後回しにすることに(後で苦労するとも知らずに・・・)。

正午前にクラスメイトと待ち合わせて、街中までトラムに乗り、そこから地下鉄に乗り換えです。
東京では地下鉄通勤でしたが、ロッテルダムに来て初めて地下鉄に乗ります。

metro
ロッテルダムの地下鉄。

メトロとは言いながら、丸ノ内線のごとく、途中からは地上を走ります。
外を眺めていると、ロッテルダム港の壮大な光景が目に入ってきます。


ロッテルダム港。「ユーロポート」とも称される欧州随一の港。

ロッテルダム港は欧州最大の港湾であり、貨物取扱量は上海・シンガポールに次ぐ世界第3位となっています。
特に原油の取扱量が大きく、欧州の化学産業の拠点でもあります。

石油メジャーの一角であるロイヤル・ダッチ・シェルがロッテルダムの近くでオランダの政治の中心であるデン・ハーグにあるのもうなずけます。

しばらくメトロに乗って、教会付近の駅で下車。
隣接するショッピングモールで軽く昼食。
食べている間に、プロテスタントカトリックの違いについて教えてもらいました。
基本的に同じなのですが、違うのは祈り方と多様性。
カトリックは基本的に形式に沿った祈り方で、教会の様相も世界中どこでも基本的に同じ。
一方、プロテスタントは教会の形状、内装、儀式とすべてがオープンで多様とのことでした。
あとは、カトリックは聖母マリアを特別な存在として扱うけれど、プロテスタントはそのような扱いはしないそうです。

そんな話を聞いて教会に着いてみると、なるほどと思いました。

church
本日の教会。

一見すると幼稚園のような雰囲気の建物でした。
落ち着いて、またくつろげる雰囲気なのですが、想像していた教会とは違ってました。
個人的なイメージとしては下のような感じです。

ちなみに、この写真はロッテルダム市庁舎とその内部です。
この建物は戦災を逃れたそうですが、それにしても壮麗ですね。

そして、中に入ってみると、これまた教会のイメージとは違いました。

教会では讃美歌が演奏され、みんなで歌うのですが、結婚式などで使われるパイプオルガンはなく、代わりにドラムやギターが参加していました。
音楽の雰囲気も壮麗でしっとりした感じではなく、ポップ調でした。
建物も雰囲気も本当に多様なんだと実感しました。

音楽の他、神父さんのお話や、セネガルでボランティアをしてきた方の報告などがありました。
英語でのお話(オランダ語への通訳あり)で、またパワーポイントの資料が
あったので、話している内容は何となくわかりました。非常に面白い内容でした。

また、説話が終わった後、クラスメイトの友人と話すことができました。
その人はエクアドル出身で、現在はクルド人難民支援の一環として就労支援などを行っているということでした。
世の中にはいろんな形で社会に貢献しようとしている人がいるんだなあとしみじみ。
自分もそういう人たちを支援できるようなビジネスを目指したいものです。

教会を後にして、近くのショッピングモールを散策。
まずはちょっとお手洗いに・・・、と思ったら。

オランダでは公衆のトイレを使用する場合、使用料を取られることが多いです。
今まで見たケースでは大体20~50セントといったところです。
日本での無料のトイレの利用に慣れていると違和感があるのですが、多少の使用料を払ってきれいなトイレを使えるのなら納得です。トイレの管理にもコストがかかるわけですし。
ただ、お金を持っていないときにはトイレに入れないので、財布だけは忘れない、またスラれないように常に気を付けなければいけないですね。

と、勉強を後回しにしたおかげで、有意義な時間を過ごすことができました。
これから必死に先送りした試験勉強と授業の予習を行うことにします(汗)。

お祈りの時に試験の成功をお願いしたので、きっと神様が助けてくれるはずです(笑)

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企業の社会的責任について考える

ビジネス科目の授業も2週目に入って1学期の科目がすべて始まり、ビジネスについてたような視点から考える機会に触れています。
と同時に、どのビジネススクールでもあることですが、課題や事前の予習の量が結構多く、かなり忙しくなってきました。
特に課題については割り当てられたチームで行うものが多いので、チームのミーティングの準備も欠かせません。ちなみに現在のところ、チームのミーティングは授業終了後に週3回となっています。

1学期の科目は基礎的な内容ですが、これまでの社会人経験で触れたことがなかった内容も多く、大いに知的好奇心を刺激されています。

中でも特に刺激を受けているのが「Management Science」と「Business Society Management」です。

「Management Science」では、ケースメソッドをベースに、統計ソフトを使ってシミュレーションを行います。具体的には、いくつかの指標(KPI=Key Performance Indicator)を使って収益の方程式を作り、統計ソフトを使ってその方程式を解析し、どの指標がどの程度変動すると、どの程度の確率で収益がどの程度変動するかということを可視化します。
これまでコンピュータを使ってこのような分析をしたことがなく、また不確定な事象をモデル化するということに関心があったので、ついつい引き込まれていき、気がついたら補習にも出席していました。
内容が人気なのか、それとも難しかったのか、ほとんどの人が補習に出席していました。
この授業の内容はできるだけ習得して、将来的にも使っていきたいと考えています。

「Business Society Management」はその名の通り、ビジネスと社会のあり方についてかんがえるのですが、ただ「企業は社会的責任(CSR)を果たさなければいけない!サステナビリティについても考えることが必要!」というのではなく、そもそもCSRとは何か、あるいはステイクホルダーとは何かという根本的なところから議論を始めます。

CSRを考えるときによく議論されるのが、故ミルトン・フリードマン教授の論評です。授業の資料にも指定されていたこの論評、日本にいるときから読もうとは思っていたのですが、ついつい後回しにして読んでいなかったので、今回無事に読むことができ、またその鋭い指摘に考えさせられ、大変勉強になりました。

そのフリードマン教授の主張を簡潔にまとめると下記の通り(原文はこちら)。

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利益の最大化を求める株主から経営を任された経営者が、自分の価値観に基づいて社会的責任を果たそうとすることは、株主のお金を勝手に使っていることとなり、株主に対する背信行為である。また、そのための出費は従業員の報酬や製品・サービスの価格などにも影響し、彼らのお金を使っているともいえる。
いいことをするのは立派なことだが、それはあくまで自分のお金ですべきである。

また、企業が社会的責任を果たそうとして出費をするのは、間接的に国の課税権ならびに再分配機能を侵すことにもなる。民主的に選ばれているわけでもない一企業の経営者にその権限はない。

企業の社会的責任はただ一つ、決められたルールの中で収益を最大化することである。
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筋の通し方と視野の広さに、読んでいて思わずうなりました。
確かに、経営者は株主から利益の最大化のために経営権を委任されているはず。
また、いわゆる社会的責任のための出費は、結局は知らないうちに誰かの負担になっているという指摘も言われてみればその通りかもしれません。

政府との関係についても非常に興味深いです。
公共的なことは政府が、市場における資源の活用・競争は企業が行うという棲み分けが従来認識されてきています。ではなぜ政府が公共的なことを担当するのかというと、それは民主的な手続きでそのような信託を市民から受けているからであり、そのような信託を受けていない企業がよけいな出費をすることは課税額が少なくなるという点で課税権を侵しているし、また本来課税されるべきお金を社会的責任のために使うことは、市民からの信託もないのに政府の代わりに富の再分配を行っていることになります。

フリードマン教授と言えば新自由主義という思想で知られていますが、そのようなイデオロギー云々に関わらず正論だと感じました。

では、企業はただ収益の最大化だけを考えればよいのでしょうか?
これは古典的かつ難しい問題ですが、必ずしもそうとは言えないと思います。

フリードマン教授も指摘されているように、企業は「ルールの下」収益の最大化を図る装置です。
そして、そのルールは常に変化していると考えられます。
法律・各種規制といった明示的なルールだけでなく、倫理や文化というソフトで目に見えないものもその中に含まれると考えることができるでしょう。

すなわち、企業の社会的責任とは、企業が守るべきルールが何であるか、というテーマだと感じています。

まだ授業は始まったばかりで、多様な視点を持ったクラスメイトたちとこれからいろんな議論ができるのだと思うと楽しみです。
サステナビリティ、CSRこそ留学中に学び、考えたい一番のテーマですので、積極的に議論に参加していきたいと思います。

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日々成長

MBAのプログラムも本格的に始まり、勉強も大変になってきた今日この頃ですが、プログラムを通じて知識だけでなくソフトスキルや性格を向上させなければいけないと思っています。

勉強はその気になれば自分だけでもできるのでまだよいのですが、ソフトスキルや性格の改善というのは他人を巻き込む必要があることが多いので結構大変です。
しかし、そんなことを言って躊躇していては話にならないので、少しずつ前に進むよう心がけています。

そこで、今回は最近挑戦したことをご紹介したいと思います。

1.Charity ClubのPresidentに立候補

MBAのクラスでは、母体であるエラスムス大学とは別に様々なクラブ活動があります。
クラブ活動、とはいってもそこはMBA。基本的にはビジネスに関係するもので、例えばストラテジー・クラブ(経営戦略)やファイナンス・クラブ(金融)などがあります。
あと、大人の集まりなので、ワイン・クラブというものもあります(こちらは日本人の同級生が代表に就任予定です)。
また、RSMはサステナビリティに強いこともあり、世界規模のソーシャルビジネスのネットワークである「Net Impact」の支部(Chapter)があり、その運営に携わる人もいます(こちらも日本人同級生が代表に就任予定)。

自分もいろんなクラブ活動に関心があったので、クラブ活動に参加してみたいとは思っていたのですが、英語力の関係で、要職に就くと人に迷惑をかけるかもしれないと考えて立候補したりすることはしていませんでした。

しかし、事情があって、またサポートしてくれる人もいるので、せっかくのチャンスだということで、かねてより関心のあったCharity ClubおよびRSM Charity FoundationのPresidentに立候補することにしました。ちなみにCharity ClubはCharity Foundationのために寄付を集め、Charity Foundationはそのお金を慈善団体等に寄付するという仕組みです。

と、立候補したのはいいのですが、直後に他に関心のある人がいたことがわかり、ミーテイングを持ちました。
いろんなブレーンストーミングをすることができて楽しかったです。

話し合いの結果、(正式な決定ではありませんが)優秀な同級生にPresidentをお願いし、自分はVice-President(副代表)として参加することにしました。優秀な人たちや外部の人たちからどのような刺激を受けるのか、今から楽しみです。

2.授業中に発言
海外の大学と言えばよく見られるのが、授業中に積極的に挙手して発表する様子。
さながら日本の小学校のような感じです。
日本人は、そもそもそういう環境で育っていないうえ、英語力の関係もあってなかなか発言できないということをよく聞きます。
いうまでもなく、自分もそのような感じでした。
もちろん、せっかくこういう環境にいるのだから積極的にアピールしなくてはと思いながら、質問の意図を勘違いして的外れな回答をしてしまったらどうしよう、などという不安があり、なかなか踏ん切りがつかないでいました。

そんなことを考えていたときに、たまたま登校中に一緒になったスペイン人のクラスメイトと最近の課題や英語力について話していたところ、「自分も英語力には自信がないけれど、できるだけ人と話すようにしているし、またなんとか発言するようにしている」という話を聞きました。
彼は自分より英語ができるのですが、そんな彼でも自分と同じような悩みを持って、また挑戦しているんだと聞いて、みんな同じなんだと少し気が楽になると同時に、自分も挑戦しなくては行けないと改めて思いました。

そしてその日、今日こそは発言するぞ!と思って授業に出ていたら、ラッキーなことにとても答えやすい質問がきました。一通り発言が出た後、講師が「他には?」と聞いたところで、今だ!と挙手。無事に発言することができました。

小さい一歩ではありますが、性格の殻と英語の壁を乗り越えた、自分にとっては記念すべき瞬間でした。これからもこの調子で機会を見つけて発言できたらと思います。
そして、卒業する頃にはもっと自信を持って自分の意見を発信できるようになりたいです。

3.講師に質問
授業を聴いていると、自分の英語力ではわからないことがあったり、あるいは自分と異なる意見が出たりして疑問に思ったりすることがあります。

そういうとき、授業中に質問すればよいのですが、あまりにも自明なことであったり、なんでそんな簡単なことをいちいち確認するのか、と思われたりするのが不安で、どうしても躊躇してしまいます。

そのため、質問・確認するとすれば授業の合間、あるいは終了後になるのですが、講師に質問するにしても当然英語ですので、簡単ではありません。

しかし、やはりこれも躊躇していては学びの機会を逃すことになりますので、積極的に挑戦することにしました。講師なら英語が不得手な学生にも慣れているはずだ、と(笑)

質問したのは統計学と人的資源管理。お二人とも英語がわかりやすく、またこちらの英語も理解してくださって、無事に質問することができました。チャレンジはするものですね。

人的資源管理の講師とは話が盛り上がって、楽しく話すことができました。Oxfordのビジネススクールからいらっしゃっている方なのですが、非常に気さくで話しやすかったです。

せっかくお金も時間も投資しているのだから、積極的にお話を聞いて実りある時間にしたいものです。

4.とにかく人に話しかける
よく人に英語力の不安を漏らすのですが、そのときに必ず言われるのが「君の英語はそんなに悪くない」「とにかく話すことが大事」ということです。

聴くのも話すのも不得手なため、よく聞き返しますし(最悪の場合何度聴いてもわからない)、話す内容もどうしても限られてきます。難しい内容になると話すスピードが遅くなる上、文法もデタラメです。
これは自分でもわかっているので、「英語ができる人はもっとスムーズにコミュニケーションできる人と話したいだろうな」などと遠慮してしまい、つい欧米人に話しかけるのを躊躇してしまいます。

結果、比較的同じ悩みを抱えていそうなアジアの人たち(それでも自分よりうまいですが)と話しがちです。実際、話題や感覚は合いますし、同じような悩みを抱えていますので、一緒にいて楽しいです。

しかし、それではいつまでたっても自分の英語力は向上しないし、貴重なネットワーキングの機会を失うことにもなります。
自分がオランダに来た目的はソーシャルファイナンス関係のネットワークを広げること。
そのためには当然欧米人とも話せるだけの英語力と自信が必要です。

そのため、居心地の良い場所はしっかり確保しつつ、できるだけ多くの人と接しようと努めています。
ランチの時間には積極的に輪の中に入れてもらったり、あるいは声をかけて一緒にご飯を食べたり。とにかく一人になるのを避けています。多分、一度一人になったらもう孤独ライフです。

今後チャレンジすべきこと
このように、少しずつ前進しているのですが、まだまだ十分ではありません。もっと挑戦していかなければいけないことがあります。

休み時間にはチームメイトと話すことが多いのですが、できればこの時間にももう少しいろんな人と話したいと思います。相手が迷惑に思わない範囲で(笑)

また、クラスメイトとの飲み会やイベントにも今のところあまり顔を出していないのですが、できるだけ顔を出すようにしたいと思っています。

さらにチームのミーティング。議論が早すぎてついていくのが精一杯で、意見を求められなければなかなか発言できないのですが、なんとか食い込んでいけるようにしたいと思います。
チームメイトも自分が理解できているかどうか心配でしょうし。

チャレンジ精神を失わず、地道に前に進んでいきたいと思います。

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学校のミーティングルーム。いつも活発な議論が飛び交います。自分以外(汗)

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授業開始!

オリエンテーションも終わり、ついにプログラム本番。

PLD(Personal Leadership Development)という、リーダーシップやネットワークについて学ぶコースが1週間あり、その後本格的なビジネス関連の講義に入りました。

PLDで学んだのは、多様なコミュニケーションのコンセプト、ネットワークについての考え方、自己分析など。自己分析については、専門的なツールを使って、多くの質問の回答結果から自分の傾向について割り出してもらえます。

ちなみに自分の性格はこちら(回答者全体の中で、下からどの程度の位置かを示しています。数字が大きいほど、該当する特徴を持っていることになります)。
(1)考え方
・Analytical:37%
・Structual:29%
・Social:57%
・Cenceptual:65%

あまり頭は使わず、感性勝負という感じですね。
言われてみると結構当たっている気がします。

(2)行動
・Expressiveness:29%
・Assertiveness:10%
・Flexibility:16%

全体的に行動力に力強さ・しなやかさが見られません。大人しいタイプです。
これも当たっています。遠慮しがちで、自己主張を強い自信を持って行うことも少なく、柔軟に考えようと思っていても、つい思い込みにとらわれてしまう。
この数字が大きければ大きいほど良いか、というと必ずしもそうではないかもしれませんが、もう少しそれぞれ高い数値が出るような人間になった方がビジネスリーダーによりふさわしいような気がします。

(3)自分の中での傾向
Conceptual:35%
Social:30%

Structual:15%
Analytical:20%

上の二つが右脳、下の二つが左脳の働きということで、自分は右脳人間のようです。
自分では左脳人間だと思っていたのですが、意外な結果になりました。

また、PLDでは二つの課題がありました。
一つは自分の人生の中で、コミュニケーションに失敗してコンフリクトを生んだ事例をレポートとして提出し、チームでコミュニケーションのコンセプトに照らして分析するというもの。
あるチームメイトの事例を分析したのですが、一読するとよくあるケースだな、という印象だったのですが、詳細に分析してみると多様な要素が含まれていることがわかり、大変勉強になりました。

もう一つは、チームのルール(Team Charter)を作り上げるというもの。
チームの目的に始まり、チームメンバーの特徴、各人の役割、その他ルールについて詳細にまとめていきました。チームを作り上げるプロセスについて考えることができました。チームを立ち上げるという状況に関与したのは初めてでしたので非常に新鮮な経験です。

この二つはチームのミーティングを重ねて作り上げたのですが、6人のメンバーのうち、自分以外は英語ができますので結構速いスピードで議論していきます。
自分だけ英語ができないのでなかなか議論についていけないのですが、それを理解しているチームメイトたちはときどき「ちゃんと理解できている?」と声をかけてくれます。
これは気遣いであると同時に、きちんと議論に参加することを求めている証でもあり、なかなか気が抜けません。
また、わからないときは質問していいから、とも言われており、最近では分からないときは「この点についてはどういうことか」「この点についてはこういう理解でよいか」ということをできるだけ確認するようにしています
話の腰を折ってばかりで申し訳ないな、と思いつつも、自分だけ理解していないとその分足を引っ張りかねないし、チームに貢献できないことにもなるので、ここは厚意に甘えておこうと思います。

チームにはまだあまり貢献できていませんが、チームメイトとは仲良くやっています。
先日、ミーティングの後にドイツ人・シンガポール人のチームメイトと近くのバーに行きました。
せっかくの機会ということで、各国の見どころや歴史観、社会保障の話についていろいろ話しました。

歴史観というとつい深刻な話になりがちですが、いつの時代になっても反省すべきは反省し、困難はあっても各国と良好な関係を築いていかなければいけない、という話になりました。
社会保障についてはドイツも日本と同じような懸念があるらしく、一部個人積立に移行しているという話でした。この点シンガポールは進んでおり、シンガポールからのチームメイトがいろいろ教えてくれました。
渡航前に恩師からシンガポールの社会保障制度について非常に参考になると聞いて関心を持っていたのですが、このように身近なところからそういう情報を聞くことができて非常にありがたいです。

beer
ORVAL(オルヴァル)」というベルギービール。麦の香りが香ばしいです。隣には珍客。

PLDが終わると、ついにビジネス関連の授業。

1学期の授業の項目は、次の通りです。
Quantitative Platform for Business
いわゆる統計です。統計は証券アナリスト資格の勉強などで触れたことがあるのですが、しばらく時間が経っていることや英語で学習することもあって結構苦戦しています。
ただ、これまでの統計の勉強は理論を学ぶことが中心だったのですが、この授業ではエクセルを使っていろんな分析をすることを求めており、より実践的で面白いです。

Human Resource Management 」
人の能力をどのように活かすか、といういわゆる人的資源の活用について。
ケーススタディを通じて、成功要因・失敗要因について考えます。
講師の英語がわかりやすくてありがたいです。
面白いので、授業が終わった後に質問にいったりしています。

Management Science
経営と科学。制度構築や意思決定にどのように科学的思考を取り込むか、という内容です。
面白いのですが、統計学の匂いがプンプン。油断できません。

授業中にあった興味深い出来事を一つ。
リスクについて考える場面で、発生確率とインパクトの二つの要素で分析していたのですが、先生が「発生確
率は低いが、インパクトは甚大である事象には何があるか
」という問いに対して、即座に多くのクラスメイト達が「Tsunami」と回答していました。
偶然なのかもしれませんが、クラスメイト達は東日本大震災に関心を持ってくれているのかな、と密かに感謝しました(もちろん東南アジアなどでも甚大な津波の被害に遭っているので、東日本大震災だけが念頭にあったとは思いませんが)。

Financial Statement Analysis
財務分析。バランスシートや損益計算書、キャッシュフローの各項目の意味などについての解説。残念ながら講師の話はあまり理解していませんが、クラスに笑い声が絶えず、良い雰囲気です。クラスメイトからの評判も上々。それだけに授業についていけていないのが悔しいです。

Organizational Behavior
組織行動論?ケースを読んで、その会社の特徴や行動について考えます。
大変勉強になるのですが、個人的には論点が広がりすぎて今一つポイントがつかめなかった感があります。
単に授業についていけていないだけかもしれません。
でも、評判の良い先生で、授業自体は面白く、これからの内容を楽しみにしています。

Managerial Accounting
管理会計。まだ授業が始まっていないので何とも言えませんが、会計は苦手なので、しっかりついていきたいと思います。

Business Society Management
ビジネスと社会の関係について。こちらも授業が始まっていないので何とも言えませんが、非常に関心のある内容で今から楽しみです。また、チームの中で自分がこの科目について中心にフォローすることになっていますので、しっかり学習して自分の成長につなげるだけでなく、チームにも貢献していきたいところです。

ビジネス科目について学び始め、ついにMBAらしい忙しさと学習を体験することになりましたが、まずはおいて行かれないように、クラスメイトの助力も得ながら必死に食らいついていこうと思います。

さあ、勉強しよう・・・

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