歴史で世界をつなぐ

今週は試験週間、ということでクラスメイトのFacebookの投稿も少なくなるかな、と思いきや、案外そうでもなく、結構多くの投稿があり、交流は盛んです。

もちろん試験の話題が多いのですが、それにとどまらずいろんな話をしています。

そんなときに中国人のクラスメイトが、何か試験で有名な人にお祈りしよう!という投稿をしていたので、「じゃ、自分は文天祥にお祈りしておくね!」というコメントをしておきました。

文天祥とは、中国・南宋最後の宰相で、南宋を滅ぼした元のクビライからの降伏勧告を拒絶して、終に南宋に殉じて刑死した人物であり、歴史に残る名文である「正気の歌」「過零丁洋」と共に今でも中国で敬愛されている人物です。

すると中国人(および台湾人)のクラスメイトたちからは好意的な返信がありました。
やはり自国の歴史上の人物に触れられると嬉しいんでしょうね。

それならば、せっかくなので文天祥をクラスメイトたちに紹介しよう!ということで文天祥を紹介する投稿をしてみました。

やはり中国・台湾出身の人の反応はよかったのですが、それ以外の地域の人たちの反応はあまりなく、歴史、とりわけ世界が現在ほどつながっていない中世以前の話を共有するにはそれなりの手順が必要だと認識した次第です。

幸い中国人のクラスメイト(南宋の首都・臨安の近くの出身)が、試験が終わったらもっと話を聞かせてほしいと言ってくれたので、歴史でクラスメイトたちとつながることができるとわかって嬉しかったです。

時々ドイツ人のチームメイトと歴史の話をするのですが、今回の件もあって歴史がクラスメイトとつながる有用なツールだということがわかりましたので、これからは情報の出し方を工夫しつつ、より多くのクラスメイトとつながっていけたらと思います。

一方で、東アジアに限らず、歴史はセンシティブな問題を含むことが多いので、その辺りは十分留意することも必要ですね。そういう複雑に絡み合った事情を学ぶのも国際化の時代にはきっと必要なことなのだと思います。

歴史と言えば、少し前から時間を見つけて、ライフネット生命の出口社長に勧められた半藤一利氏の「昭和史」や、出口社長が敬愛すると仰っていたクビライの本を読んでいます。

その昭和史やクビライこそ、国際化の時代に我々が知っておくべき内容であり、また国際的な場で取り扱いに留意する必要があるテーマだと思います。
そして取り扱いに留意しつつも、そのエッセンスについてはいつかクラスメイトとも話して、お互いのより深い理解につなげていけたら素晴らしいと思います。

ちなみに3月15日にライフネット生命は東証マザーズに上場するとのことです。
おめでとうございます!

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Rotterdam Museum Night

さて、今週はいよいよ1学期の最終試験です。
ここで単位を落とすというのはあってはいけないことですので、授業についていけなかった分、週末に一気に取り戻す意気込みで勉強する予定でした。

・・・が、この土曜日の夜、ロッテルダムをあげた一大イベント”Rotterdam Museum Night“がありましたので、勉強そっちのけで行ってきました。
ここで勉強した内容はそのうち忘れるけど、イベントの経験は長く残るから、そちらに行った方がいい!という半ば現実逃避です。

Rotterdam Museum Nightとは、夜中遅くまでロッテルダム中の美術館を営業して、その間はチケットを買ってしまえば、自由に美術館を回ることができるイベントです。
チケットは20€弱でイベントの時間は午後8時から午前2時までです。

ちなみにオランダでは美術館のパスポートが販売されていて、それを持っていると1年間自由にオランダの美術館に入ることができ、自分もそれを買っていくつかの美術館を回ったのですが、残念ながらこのイベントでは適用対象外でした。

オランダは芸術の国としても知られており、このイベントも大変人気があるそうで、どれほどの人が集まるのかということにも関心があり、わくわくしながら出発!

美術館に近づくと人ごみに遭遇!前評判にたがわず大人気。
やはりオランダ人は芸術への関心が強いようです。

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美術館への道。歩道は美術館に向かい人で埋まっています。

さて、最初は川沿いにあるWorld Museumに。
その名の通り、世界中の芸術を紹介している博物館です。

Worldmuseum

WorldMuseum。川の向かいにはロッテルダム港があり、まさに世界の玄関にあります。

まずは受付にてチケットを購入。
チケットを購入すると、チケットを購入したという証にバッジをもらいます。

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イベントのマスコットをあしらったバッジ。緑色に光ります。

張り紙
街中にはポスター。

中にはまさに国際的な世界が!
世界中の地域を代表する芸術作品が展示されているほか、最近の日本のアニメっぽい絵画も展示されていました。

また、このイベントに合わせてなのか、日本の有名な漫画・アニメのコスプレをした人もたくさんいました。
あまりに感動したので、一緒に写真を撮ってもらいました(笑)

そういえば、今日家電量販店に行ったときにもアニメコーナーに日本のアニメがたくさん並んでいるのを見て、日本のアニメの強さを感じましたが、本当に日本の漫画・アニメは世界中に広がっています。

WorldMuseumを後にして、二つ目の目的地である建築協会へ。

その道中で、普段は外から見るだけの教会が開いていて、イベントのチケットで入ることができるようでしたので寄ってみました。

church
建築協会近くの教会。オランダにはこのような壮麗な教会がたくさんあります。

中では古いドレスが飾られていました。
このような教会の中に入るのは初めてでしたので新鮮な経験でした。

教会の後は、建築協会の横にある小さな美術館に。
小さいながらも人気のようで行列ができていました。

そしていよいよ建築協会。

Architecturemuseum
建築協会の入り口のあたり。外観にはいろんな趣向が凝らされています。

中にはロッテルダムにあるゴミ箱や街並みの写真、さらにオランダの有名な建物の模型がたくさん展示されていました。
オランダはデザインに凝った国なので、面白いデザインのゴミ箱がいろいろあって思わず引き込まれてしまいました。
また、模型好きでもあるので、建物の模型にも見入ってしまいました。

ちなみに館内の様子。

人ごみ
夜中にもかかわらず美術館に多くの人が。

この日は美術館の中でビールの売り子さんがビールを売っていたりして、半ばバーのような雰囲気でした。たまにはこういう雰囲気で芸術を楽しむのもいいかもしれませんね。

また、建築協会では、絵画教室も開かれていました。

絵画教室
絵画教室の様子。油絵の一日教室でしたが、みんなすごく上手に描いていました。

Bob
講師のBob Rush氏。かなり人気の方のようでした。

ちなみにオランダでは絵具もキャンバスも安価で売られていて、オランダ人は絵を描くのが好きなんだろうと思います。

建築協会の次は、オランダでも指折りの美術館であるMuseum Boijmans Van Beuningenに。
こちらは一度訪れたことがあったのですが、好きな作品がたくさんあったので再度行ってみることにしました。

数多くの絵画のほか、彫刻や陶器、現代アートなど多様な芸術作品が展示されていて、何度訪れても飽きることがありません。
ちなみに、この美術館には借入分含め140,000もの作品があるそうです。
これだけあると何度か来ないと全て見るのは難しそうですね。

最後に、「全てから解放される」という触れ込みの映像を見ました。
行列に並ぶこと約30分、どんな映像が見られるのかと楽しみにしていたのですが、いざ見てみると全てから解放されるどころか、結構ストレスフルな映像で、この辺りは自分たちと感覚が違うのだろうかと思わされました。

ということで、今回訪れたのは大小合わせて5つの美術館。
一晩中芸術鑑賞をするという機会はめったにない機会で、貴重な体験ができました。
20€弱で5つの美術館を楽しめるのですから大変お得です。

聞くところによると、オランダの美術館も人集めに苦心していて、こういうイベントを開いているとのこと。
ロッテルダムと日本では交通環境が異なるなどの違いはありますが、是非日本でもこのようなイベントを立ち上げて日本人の芸術に対する関心を高めてほしいと思った次第です。
(・・・と言っても、電車を何度も乗って美術館周りができるかと聞かれると自信はないですが)

あまり絵心がない自分でもつい行ってみようと思ったくらいですから、工夫次第できっと多くの人の絵心を目覚めさせることができるのではないか、ひいては精神的な豊かさにつなげられるのではないかと思う今日この頃です。

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1学期の授業終了!

早いもので、去る木曜日に1学期の授業が全て終了しました。
ロッテルダムに来てちょうど2ヶ月、時が経つのは早いものです。

その間に授業を受けたり、友達を作ったり、バルセロナに行ったり、写真展を開いたり、色々ありました。
まだ2ヶ月、それなりに自分も変わったかなと感じることもあり、まずは充実した時間になっているように思えます。

試験直前ではありますが、せっかくですので1学期の授業を振り返ってみたいと思います。

Human Resource Management (HRM)

教授はCambridge大学のビジネススクールから招聘。まさに英国紳士という感じです。
人的管理ということで、人の能力をどのようにすればうまく活用できるか、という内容です。
どのように組織のメンバー同士コミュニケーションをとるか、どのタイプは社内でどのような位置づけになるのか、組織の発展フェーズと人的管理、などのテーマを扱いました。

この授業で印象に残っているのが、クラスメイトととのロールプレイング。自分は経験豊かな部下、相手は自分を追い越して出世した上司(元同僚)です。
部下役、上司役にそれぞれ自分の考え方や状況を説明した資料が配られ、それに基づき上司と部下の関係の改善策を探ります。

部下は上司を「仕事は自分よりできないけれど、上司にうまく取り入って出世し、しかも自分を潜在的なライバルと見なしてメンバーの教育などつまらない仕事しかよこさず、業績を上げることもままならない状態に追い込んでいる」と見ています。
自分もその資料しか読んでいませんから、その立場に基づいて、上司とのミーティングで上司を責め立てます。

上司は、「よくわかっているけど、君には将来のリーダーとしてメンバー教育の経験も積んでほしいんだ」と言います。
しかしこちらは、それこそが出世の阻害要因だと思っていますし、上司のことも信用していませんので、「こっちだって時間がないんです。あなたはリーダーだからメンバー教育のこともわかっているでしょうから手伝ってくださいよ。そもそもメンバー教育ってちゃんと評価されてるんですか?されてなかったら骨折り損です」などと、欧米人気分で言いたいことをとことん言います。

結局、お互い折り合っていこうという話で落ち着いたのですが、後で上司側の見方を見せてもらうと、「あの部下は仕事はできるが気難しくて扱いにくい。一方自分(上司)は広く信頼され、将来の幹部として期待されている。将来の幹部候補として、件の部下をどのようにコントロールして業績を上げていくかが期待されている」ということで、メンバー教育についても、その部下がうまくチームになじむように配慮されていたそうです。

資料に基づいてのロールプレイングだったとはいえ、ずいぶん一方的な見方で上司を責め立ててしまったものだと思い、立場変われば見方が変わり、また思い込みを乗り越えるのは難しいということを学びました。

キーワード:
Performance=Ability×Motivation×Opportunity

Business Society Management (BSM)

教授はコスタリカの名門・INCAEビジネススクールから招聘。
ビジネスと社会の関係、サステナビリティなどについて学びました。
この授業で初めてプレゼンを行いました。テーマは某農産業企業のサステナビリティ戦略について。
サステナビリティのほか、BOP、CSR、FairTradeなどについて学びました。
授業全体としてのメッセージは下記の通り、「ビジネスは様々なステイクホルダーに与える影響について考慮する必要がある」という内容でした。

ちなみに他の科目が10コマだったのに対し、HRMとBSMは6コマだけでした。
外部から招聘しているという事情があったのかもしれませんが、もっと話を聞きたかったという思いはあります。
この教授については4学期に選択科目で受講可能とのことですので、今はそれを楽しみにしています。

キーワード:
Relationship with stakeholders (特にNGO)

Managerial Accounting (MA)

RSMの教授2人による分業。
タイトルのごとく、会計の基礎について学びます。
会計の概念とケースを併用した授業でした。

キーワード:
Accounting is a language to understand performance and improve decision making.

Quantitative Platform of Business (QPB)

RSMの教授による統計学の授業。
偏差、正規分布などの基礎的な概念から、分散検定(t検定、F検定など)まで。
こちらも理論とケースを併用した授業です。
統計学は概念が難しいだけに退屈でわかりにくい授業になるかと思っていましたが、教授のプレゼン(話し方、説明の内容、雰囲気作り)がうまく、また復習にも十分な時間をとるため、クラスメイトの評判はすごく高いです。

キーワード:
Normal distribution, Regression analysis, ANOVA

Organizational Behavior (OB)

RSMの看板教授による組織行動論の授業。
組織行動論とは、組織の中で人がどのように考えるか、どのような要素がどのように働くか、という内容で、Human Resource Managementと似ていますが、より人間の性格・考え方など内面に焦点を当てた内容になっています。

さすが人気教授、授業中にはユーモアを交えた説明で常に授業を明るい雰囲気に包みながら学生をうまく巻き込んでいきます。
自分は残念ながら話についていくことはできませんでしたが、常に笑い声が絶えないので、座っているだけで楽しかったです。

キーワード:
Motivation theories, Management/Leadership, Cultural Barrier,
Commitment/Engagement  

Management Science (MS)

RSM助教授による数学・統計学などのビジネスへの適用に関する授業。
数学・統計学に関する理論を学びながら、統計ソフトを使いながら実際のビジネスケースに置ける経営判断の練習をしました。
若干QPBと重なる内容もありますが、こちらはソフトを使ったより実践的な内容で、実際にチームでビジネスケースを与えられ、ソフトを使って経営判断を行うワークショップが3回ありました(一定の確率内で起こる事象への対応、Decision Tree、資源配分の最適化)。

こちらの先生も授業のコントロール、とりわけ授業の演出がうまく、すごく人気でした。
また、任意参加の補習、試験対策講座についても数度開いてくれていて理解できていない部分(=自分の場合はほとんど)を補うのに非常に助かりました。
1学期に担当された教員のうち、もっとも学生に愛されているのは彼だと思います。

ちなみに、彼はLondon Business SchoolでPh.Dを取得した優秀な方なのですが、CVを見ると、趣味の欄にテニスと書いてあり、しかもかなりの上級者であるとのことです。
クラスメイトの間では「彼にテニスのコーチをしてもらおう!」という話まで出ています。
どういう内容がどこで役に立つかわからないものですね。
そういう意味で、CVは細部まで作り込んでおいた方がいいと思いました。

キーワード:
Various companies have benefited with Management Science.

以上、1学期の授業について簡単な振り返りでした。
1学期はビジネス知識の基礎作りということで、ビジネスの現場で活用するというより、ビジネスリーダーとして必要な内容でしたが、それぞれ新鮮な内容でした。
2学期はMarketingやStrategy、Financeなどよりビジネスの現場に近い内容を学ぶことになりますので、非常に楽しみです。

ということで、まずは1学期の試験を無事に乗り切って、充実した春休み、そして2学期を迎えたいと思います。

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話題があれば話すことができる

気がつけばもう3月。
留学前より企画が進んでいた写真展も無事にスタートし、すごく気が楽になっています。

・・・が、1学期の期末試験が翌週に迫っています。
今まで勉強をあまりしていなかったので、この1週間は必死に勉強して、なんとか試験をクリアし、楽しい春休みを迎えたいところです。

幸い、ほとんどの科目は期末試験だけではなく、チームの課題なども評価対象になっていて、チームメイトの頑張りのおかげである程度点数が確保できているので、しっかり勉強すれば何とかなると信じています。
ただ、Management Accounting(会計)だけはほとんど試験による評価で、しかも昔から会計学は苦手なので少々不安です。
幸いチームに会計のプロがいますので、助けを借りつつ頑張ります。

さて、試験直前ということでチームでも勉強会を開いて、協力して試験をクリアしようとしています。
最近フリーライダー気味だったので、何とかチームに貢献したいと思っていたところ、Organizational Behaviorの科目で、試験に出るケースが公表されました。
そして、それがなんと日本の会社がテーマで、しかも日本の文化・国民性に直結する内容
これはチームに貢献する絶好のチャンス!

ということで、今日の読み合わせに備えてじっくりケースを読んで、参考となる情報も仕入れていよいよミーティング。
やるぞーー!と思ったら、「今日はまず会計ね!」

若干拍子抜けでしたが、会計は一番勉強しなければならない教科で、他のメンバーも不安があるようで、当然異存なくまずは会計。

今日は基本的なことだから、なんて思っていたら、基本的なところについても理解できてない部分があり、しっかり叩き込まれました。
大学で勉強し、証券アナリスト試験で、さらにはMBA直前にも勉強し、それでも会計がほとんど身に付いていないということは、本当に会計とは相性が悪いのかもしれません。
幸いMBA受験などを通じて会計士の知人が多くいますので、将来は何かあれば彼らに頼ろうと思っています(笑)
ちなみにクラスメイトにも会計バックグラウンドの人が多いです。

で、会計の勉強が終わっていよいよOB。出番です。
事前に「今回のケースはまさに自分のことだし、大いに貢献するから」とアピールしていたこともあって、チームメイトも積極的にこちらの話を聞いてくれますし、こちらもとことん話します。
最近チームミーティングで貝になったように何も話さず、自分の存在価値に疑問を感じていたのが嘘のように話します。
ケースのことだけではなく、関連する面白そうな情報はとにかく話して、日本のことやその会社のことをたくさん知ってもらうように努めました。

幸いチームメイトも日本社会・文化などについて関心を持ってくれて、楽しくディスカッションをすることができました。
そして不思議なことに、こういうときは言葉も結構スラスラ出ますし、人の話すことも普段より理解できたりします。

結局のところ、英会話やディスカッションは気の持ちようや準備の度合、あるいはその内容によって出来不出来が変わってくるのだから、出来ないときにあまり落胆するのではなく、できるだけ自分がうまく話せるシチュエーションにして話せばいい、また話せないときもあるけど、そういうときばかりじゃないと考えればいいのだと思うようになりました(もちろん改善の努力は必要ですが)。

また、ディスカッションはその場で終了するものばかりでもありませんから、Facebookなどで追加の情報提供や提案などをすることも立派なコミットメントだと思います。

授業ではリスニングがまだまだですし、統計など複雑な内容ではチームのミーティングにも全くついていけず若干の絶望感を感じていましたが、まだまだ自分も捨てたものではないし、やりようによっては自分なりの価値を出すことができるということを知ることができて本当によかったです。
同時に、日頃から話すことが出来る話題作りに努めることが大事、ということを改めて知る機会になりました。

最後のケースに日本のテーマを選んでいただいたOBの教授に感謝!
ちなみにこの教授はRSMの名物教授でもあり、授業はいつも明るい雰囲気に包まれています。

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Photo Exhibition -The Will for Tomorrow-

2011年3月11日の大震災からもうすぐ1年。
多くの方のご尽力、ご支援により徐々に復興が進みつつあるという話が聞こえてきます。
ことご支援については、日本国内だけでなく、海外からも多くのご支援をいただきました。

外務省によると、これまでに163か国・地域及び43国際機関から支援の申し出があったとのことです(2011年9月15日現在)。

我々は今オランダにいるわけですが、この機会に是非海外の方々に感謝の気持ちとともに被災地の状況をお伝えしたい、と考え、3月5日から23日の間、RSMの校舎にて写真展を開催します。

写真展パンフ

写真展の開催にあたっては、日本人在校生Aさんの友人のフォトジャーナリスト・佐藤慧氏より写真の提供をいただき、また、Nikon Europe B.V.様より後援をいただいております。
また、PRについて、RSMのアドミッションの方々をはじめ多くの方のご協力をいただきました(RSMのNewsletterでも紹介されました)。

この場をお借りして皆さまに御礼申し上げたいと思います。
一方、被災地ではまだ多くの人が支援を必要としています。
特に被災地の次世代を担う子どもたちを育てる親御さんの支援は、長い期間を考えると非常に重要だと思われます。
そこで、写真展期間中には、被災地の大船渡市及び陸前高田市にて子育て支援に取り組んでいる「子そだてシップ」という団体への募金を募ります。
この募金が少しでも被災地の将来を担う子どもたちのサポートになればと思っています。
皆さまもオランダにお立ち寄りの際は、是非写真展にお越しいただき、またオランダにお住いのご家族やご友人にこの写真展のことをお知らせいただければ幸いです。
「明日への意思」が少しでも多くの人に伝わりますように!

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Doing Good and Doing Well Conference @Barcelona

MBA生活での目標「Rotterdam Oath」にも挙げた通り、留学中には英語力を身に付けることはもちろん、幅広い人間関係を作り、できるだけアンテナを高く、広く、また感度を高くしておきたいと考えています。
特に関心が強いソーシャルファイナンス、ソーシャルビジネス関係については積極的にそのように動きたいと考えています。

そんな自分にとって、何より楽しみにしていたイベントに行ってきました。
スペイン・バルセロナの名門ビジネススクール・IESEで開催された”Doing Good and Doing Well Conference“という、世界中のソーシャルビジネスに関心のある人が集まるネットワークイベントです。

2月24日(金)・25日(土)という日程だったのですが、朝から始まるため、木曜日の夕方にアムステルダムを発ち、夜にバルセロナに着きました。

そして、翌日は朝から颯爽とイベントに参加・・・するはずだったのですが、道に迷ってしまい、しかもIESEは山の方にあるため坂を行ったり来たりで大汗をかいてしまいました。

そんな風に走り回っていると、いかにもビジネススクールという感じの建物があったので、ホッとしていたら・・・

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荘厳な造りの建物。ここかー、と思ったら・・・

よーく見てみると、「ESADE」の文字が。同じくスペインの名門MBA、ESADEでした。
IESEと近いんですね。でもESADEはもうすぐ移転という話を聞きますが。

その近くで親切にも道を教えてくれる人を見つけて、ひたすら山を登るとIESEが見えてきました。閑静な高級住宅街の中にありました。

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道端でねこがのんびり。いい雰囲気です。ここから少し坂を上るとIESE北キャンパス。

で、やっと会場に到着。

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IESE外観。現代的ですが緑がたくさんあって、いかにもバルセロナという感じでした。

で、建物の中に入ると受付が。

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IESE受付。大企業のビルのような感じです。

受付を終えると、ちょうど朝食が出ていたので、RSM同級生と合流し、コーヒーを軽く摂って講演会場へ。
ちなみにRSMからは20名くらいは参加していたようです。クラスの約5分の1。
さすがにサステナビリティに強いRSMというだけあって、クラスメイトの関心も強いようで、こういうところもRSMの魅力だと思います。

さて、最初のスピーカーは、オランダを代表する企業・ユニリーバのサステナビリティ担当副社長。
ユニリーバはロッテルダムに本社があり、特に親近感があったので興味深く話を聞きました。

話の内容としては、ユニリーバのバリューチェーンの中で環境について多々配慮しているということでした。
面白い内容だったのですが、CSRという観点から環境問題以外にどのようなことについて配慮しているのかを聞いてみたいと思い、講演後に副社長に突撃!

日本だとそんな偉い人に話しかけるなどなかなかできませんが、今は学生だし、失うものは何もない、と下手な英語で話しかけました。

いろんな人がそれまでに話しかけていたため、時間がなさそうでしたが、下手な英語の留学生に対しても丁寧にユニリーバの取り組みについて教えてくださいました。
勇気を出して話しかけた甲斐がありました。

その次はパネルディカッション。
一つの時間帯に4つのテーマのパネルディスカッションがあり、二日間の間に教育へのアクセスやマイクロファイナンス、開発銀行の役割などについてのパネルディスカッションに参加しました。

ちなみにマイクロファイナンスのパネルディスカッションでは、RSMに進学する目的でもあったトリオドス銀行のマイクロファイナンス投資担当者がスピーカーとして参加されていました。
これはなんとしてもお話ししたいと思って、パネルディスカッションが終わった後に早速ご挨拶に。
ただ、あまりうまく話せず、全然アピールできていなかったと反省・・・。
一応、自分の思いだけは伝えましたが、一方通行の感がありました。

また、同じくマイクロファイナンスの部にはスペインの銀行大手・Caixa銀行の子会社でマイクロファイナンスに特化しているMicrobankの方が参加されていて、その方ともお話しさせていただきました。
Microbankはマイクロファイナンスという金融商品の開発に特化しているようで、実際のローンオフィサーなどは親会社の人が兼務している(親会社を通じて顧客に提供している)ということでした。
一方で、既存の銀行はマイクロファイナンスには関心を持たないという指摘もありました。

また、別のパネラーの方と話したときに、「先進国でもマイクロファイナンスは適用可能で、グローバルにマイクロファイナンスを推進する活動も動きつつある」という話を聞きました。
いつか日本でソーシャルファイナンスに取り組みたい自分としては大変励みになる言葉でした。

もっとも、日本も最近は貧困問題が喧しく唱えられていますし、「先進国」というカテゴリーを頭から信じ込んで途上国で通用したスキームを検討しない、というのはおかしい話かもしれませんが。

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パネルディスカッションが開かれた講堂。教室の雰囲気はRSMと似ていますね。

初日はパネルディスカッションの後にキャリアフォーラム、Sustainable Fairが開かれました。
キャリアフォーラムにはトリオドス銀行もブースを出していましたので、しっかりお話をしてきました。大したアピールにはなりませんでしたが、関心を持っていることは伝えられました。
ちなみに、トリオドス銀行はインターンを受け付けておらず、MBAのためのリクルートポリシーはないとのことでした。
これはMBAでキャリアチェンジを狙っている自分にとっては不利な情報ですが、是非ともソーシャルファイナンスの経験を積みたいので、なんとかトリオドス銀行に貢献できるようなスキルを身につけ、またアピールする機会を見つけたいと思います。

また、ベルギー・ブリュッセルに本拠を置く、サステナビリティに特化した”i-propeller“というコンサルティング会社の方にもお話を伺ったのですが、結構面白かったです。
コンサルだけでなくファンドも有しているようで、様々なアプローチができるとのことでした。
また、連携している組織も多様で、こういうところで働いてみるのも面白そうだと感じました。

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キャリアフォーラムのトリオドス銀行のブース。
初日のキャリアフォーラムの後は、総合酒類企業派遣の同級生のセッティングによる、スペインのワイン大手”Freixenet(フレシネ)”の方とのディナーに参加しました。

せっかくのご招待ということで、フレシネの売りであるCAVAというスパークリングワインを事前に飲んでみたのですが、ワインという感じがあまりせず、すごく飲みやすかったです。

ご招待いただいたのは海辺の海鮮レストランだったのですが、ワインだけでなく食事もおいしく、また話も弾んでとても楽しかったです。
ごちそうさまでした。

ちなみに、フレシネはスパークリングワインの世界最大手で、日本ではサントリーが卸しています。合い言葉は「楽しいことは、つくればいいよ」。まさに自分の留学生活の目標です。

2日目の夜は、IESEに通う、受験時からの友人と一緒に夕食。
バルセロナらしいところ、ということで有名なレストランに連れて行ってもらったのですが、生憎非常に混んでいて、近くの雰囲気のあるレストランに変更。

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生ハムをはじめ、ジャガイモ入り卵焼き、ししとう、いかの揚げ物など。美味。

おいしそうな料理が次々と運ばれてきたのですが、それに合わせるのは、当然(?)フレシネのスパークリングワイン。ボトルで注文したのですが、非常に安価で美味しく、すぐになくなってしまいました。

おいしい料理とお酒のおかげで友人との話も弾み、MBAでの生活のほか、バルセロナのことや就職の話などを話し込みました。
ちなみに彼はスペイン語も勉強していて、お店でもスマートにスペイン語を話していました。
そんな彼曰く、英語に加え欧州の言語を使えることが欧州での就職活動には重要、とのことでオランダ語どころか英語すら満足に使えない状況に焦ったりしました。

一方、先ほどのコンサルティング会社を含め、フランス語圏であるベルギーで働いている方にお話を聞くと、英語だけでも大丈夫、とのことでしたので、英語ができれば欧州でも職を見つけることができる可能性はあるかもしれません。英語だけでも大変ですが・・・。

なお、Caixa銀行などの方に話を聞くと、スペインで働くにはインターンも含めてスペイン語が必須とのことでしたので、スペインで働きたい方は是非スペイン語を勉強する必要がありそうです。
友人との夕食の後、イベントで友人になった英国で学んでいるカメルーン人と一緒にイベントのお開きパーティに参加。なんと23時開始です。スペインではこの時間帯のパーティも普通らしく、自分がスペインの学校に進学していたら耐えられなかっただろうと、胸を撫で下ろしました。

ちなみに彼の友人が2時頃到着するということでうとうとしながら待っていたのですが、結局会場には来なかったようで、彼と一緒にとぼとぼホテルに帰りました。

このイベントの目的の一つに、できるだけネットワークを広げることがあったので、会場では積極的に学外の人に話しかけました。
パネルディスカッションで面白い質問をしていた人や、同じパネルに何回か参加して関心が似ていると感じた人にはできるだけ話しかけるようにしました。

その中の一人が先ほどの友人で、彼は農業系の企業で働いていて、英国の大学で国際関係論を学んでいるということでした。
彼にカメルーンのことを聞くと、カメルーンは英語とフランス語が使われていて、農産業および天然資源に恵まれているということで、既に中国が積極的に進出しているそうです。

また彼に同じ大学の友人の女性2人を紹介してもらったのですが、彼女たちはアフリカのアンゴラ出身で、2人ともOil & Gasを専攻しているということでした。

語学の点でアドバンテージがあり、資源に恵まれていて、さらに彼らのように高等教育を受ける人材も増えてくるとなると、相当なポテンシャルがあると思います。
今はBRICs、さらにVISTAが注目されていますが、アフリカのポテンシャルにももっと目を向けて人材を含め投資をして行けば、大きなインパクトがあるのではと感じました。

彼が今度カメルーンに招待してくれるということですので、是非一度自分の目でアフリカを見てきたいと思います。

お開きパーティから帰宅した朝はチェックアウト。眠い目をこすりながら帰り支度。
帰りの便に乗る前にどこかに寄っていきたいと思い、そういえばスペインにはずっと見たかった「ブレダの開城」があったと思い、見に行こうと思ったのですが、調べてみるとどうやらマドリッドにあるらしく、残念ながらあきらめざるを得ませんでした。

結局、どこにも寄らず町中を歩きながら雰囲気を楽しむことにしました。

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町中にあるコカコーラ社の事務所?スペインの雰囲気に溢れています。

また、歩いていると車の駐車場を見かけました。
その看板にはよく見ると、車とコンセントを結んでいるマークがあります。
おそらく電気自動車の充電ができるということだと思います。

ちなみにスペインは太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーが非常に発達しています
現在スペイン経済は苦境に陥っていますが、再生可能エネルギーをバネに経済成長を取り戻してほしいと思います。

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バルセロナの駐車場の看板。真ん中の看板の一番右が充電可能のマーク。

そしてそのまま歩いていると、バルセロナのターミナル駅であるSants駅に到着。

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Sants駅。地下鉄のターミナル駅になっているほか、空港からの鉄道も通っています。

そのまま空港に行って一路オランダへ。
楽しい3泊4日のバルセロナ旅行が幕を閉じ、現実世界に戻されました。

短い時間ではありましたが、多くのことに触れられたほか、つたない英語ながら多くの人と話すことができ、大変有意義な時間になりました。

学ぶことも多かったですが、それ以上にこんな自分でも自分から望めばネットワークは築けるのだと自信にもなりました。
これからオランダ内外にてできるだけユニークなネットワークを築いていきたいと思っていますので、本当にいい経験になりました。

今回出会った方々と適宜連絡を取りながら、また学んだことを思い出しながら、自分の目指すゴールに少しでも近づけるように頑張っていきたいと思います。

ちなみに同じ日にロンドンではサステナビリティ関係のビジネスコンペがあったそうで、RSMからも日本人同級生を含む多くのクラスメイトが出席しました。

同じ日ということで、同じくサステナビリティに関心を持つ彼らがバルセロナに来れなかったのは残念ではありますが、彼らからもロンドンでの話を聞いて、色々学びたいと思います。

以上、初めてにしてもっとも関心のあるネットワーキングイベントでした。
多くの点で目標を達成できたので、これを励みにどんどん前に進んでいきたいです。

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