出会いと別れ

もう9月、ということで1月から12月のプログラムを受講している我々RSMのMBA学生はもうすぐプログラムが終わる、という感慨を胸に授業を受けているのですが、欧米の学校は9月が学年度の区切りであることが多いようです。

そのため、8月下旬から9月にかけてオランダにも多くの日本人学生の方がいらっしゃいました。

かねてよりオランダにおける日本人のネットワークを充実させたいと考えていて、できるだけRSMのMBA以外の学生ともつながることができるように動いてきました。

すると、今年はRSM以外にもオランダのMBA(Nyenrode、TiasNimbas)に日本人学生が入学されるということで、是非ともお会いしたいと思い連絡を取りました。

また、RSMの母体であるエラスムス大学は社会科学及び医学の分野で有名な大学で、日本の大学からも例年交換留学生が入学しているようで、今年も9月に交換留学生が日本からやってきました。こちらも是非お会いしたいし、またオランダにおける日本人学生のネットワークは大きい方がいい、ということでみんなで集まろうという呼びかけました。

オランダに来たばかり、ということで全員が集まるのは難しかったのですが、「朋有り遠方より来る、また楽しからずや」ということで、楽しい時間になりました。
オランダで同じようにビジネスを学ぶ同志がいるのは嬉しいですし、若い時から海外で学ぶことを志している人のエネルギーやアカデミックな面での向上心に触れることは、知的好奇心を大いに刺激されます。

こういう点も、オランダにおける交通の要所・ロッテルダムに立地し、また大学を母体に持つRSMの魅力だと感じました。


Nyenrode新入生、エラスムス大学交換留学生と。

また、9月は卒業の時期ですので別れの季節でもあります。
MBA以外にもエラスムス大学の大学院で学んでいる日本人の方(ロースクール、ビジネススクールの修士課程)と交流する機会があったのですが、彼らは卒業を迎えてもうすぐロッテルダムを離れてしまいます。

そこで、地元の人に人気のトルコ料理のレストランで送別会を催しました。


Erasmus Masters’ Farewell Party

MBAのプログラムは当然ながらビジネスという文脈の中で色々学ぶのですが、MBA以外の方からはまた違った観点での学びが色々あって、大変勉強になりました。
特に今後グローバルにビジネスをして行く中で、ビジネスそのものだけでなく、政治や法規制、文化や歴史についても土地勘や理解が求められることは少なからずあるでしょうから、このような多様な関心を持った方々とのつながりは非常に貴重だと思います。

今回は見送る立場だった我々も、2か月後には見送られる側。
寂しくはありますが、この1年間で得たMBA内外でのつながりを永く保っていきたいものです。

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Social Finance Week

少し前まではオランダも結構暑いと思っていたのが最近急に肌寒くなってきました。
そしてカレンダーを見るともう9月下旬。オランダ生活も残り3か月を切っています。
5つある選択科目もすでに2科目は授業が終わり、授業の数もあとわずかです。

と、留学生活も終盤に入った今日この頃ですが、今週は留学の目的の一つであるソーシャルファイナンスのネットワークについて実りの大きい一週間でした。

木曜日は”Company and Ecology”の最後の授業だったのですが、その授業では、「授業のテーマに関連することについて自分の情熱や考えを具現化する」という課題が出されていて、その形にしたものを展示することになっていました。

自分の場合はやはりソーシャルファイナンスだなあと思いつつ、それをどう形にしたものかと思案していたところ、たまたま絵画用のキャンバスがあったので、絵にしてみることにしました。

ちなみに絵筆をとるのは高校の授業以来ということで、10年くらいは絵を描いていません。そして、そもそも絵を描くのは特段得意という訳でもないです。小学生の頃はよく漫画を描いていた記憶がありますが。

ともあれ、何かしら制作しないことには課題をクリアできないので、絵筆をとってみることに。
イメージとしては、利益に基づいた”greed”なファイナンスから、より良い未来を築くためのサステナビリティの観点に基づいたファイナンスへの転換ということを考えてみました。

そしてできた絵がこちら。

絵
ソーシャルファイナンスをイメージした絵。

下がウォールストリートのようなオフィス街で行われている、利益・儲けのための強欲な金融(greed finance)、上が環境や再生エネルギー、人的資本のような持続可能な将来のために必要なものを対象とした金融(social finance)のイメージです。

もちろんメインストリームであるgreed financeの意義を否定することはできませんし(そもそもgreedという表現が正しいか否かも難しいところです)、今後もこのようなアグレッシブさが金融業に求められるということは変わらないでしょうが、一方でそれだけだと本当の意味で人類・社会の発展に必要なところにお金が回らないケースもあるのではないかと感じています。
例えばNPOなどは政府・企業を補完して社会の改善に貢献していますが、一方で必ずしも資金は潤沢にあるわけではありません。そしてこれは既存の金融の枠組みでは対応できないでしょうし、また政府の財源も限りがありますので、組織の運営の観点と併せてあまり依存することもできません。
そこで、greed financeを全否定はせずとも、ある程度social financeの方に転換していく必要があるのではないかと感じてこのような絵を描きました。

画才があったからか(笑)、あるいはストーリーに共感してもらえたのか、結構クラスメイトの間でも評判がよかったようで一安心でした。

そして同じ木曜日の夕方には、クラスメイト(RSM Net Impact及びRSM finance club)がImpact Investmentのセミナーを企画して、オランダのソーシャルファイナンスに従事している方々をRSMに招いて話を聞く機会を作ってくれました。
そして幸運なことに、ずっと話を聞きたいと思っていた世界的に有名なオランダのSustainable BankであるTriodos Bankの方もいらっしゃってました。

セミナーはSRI(social responsible investment:社会的責任投資)の話がメインでしたが、セミナー後の懇親会では講演者に積極的に話しかけて、Triodosと融資先の関係や競争力の維持の仕方、CSRの評価の方法など具体的な話を聞くことができました。
その中で、ただ教えてもらうだけでなく今後につながるお話もいただいたりして、ネットワーキング、そして勇気を出して飛び込む力は大事だと改めて思いました。

そしてその翌日の金曜日には、日本人同級生の紹介でブリュッセルでSRI調査の業務に携わられている日本人の方を訪問しました。
大学生の時からSRIには強い関心を持っていて、これまでの仕事選びの基準もSRIに関与できるか、という視点だったので(結果として関与することはできませんでしたが)、SRIの実務の話を聞くことができたのは非常に貴重な経験になりました。

ESG(Environment, Social, Governance)の情報収集及び評価方法、クライアントとの関係というその会社のSRIビジネスの話に始まり、欧州のSRIを取り巻く環境、日本のSRIの課題など話題は多岐に亘り、気がついたら4時間ほど話していました。

面白いことにSRI業界はプレイヤーがあまり多くないためプレイヤー間の人間関係が似通っているため、共通する知り合いが多かったりします。話の中でもお互い知っている人の話が結構ありました。
もっとも、話が盛り上がるのはいいのですが、現時点では「SRI村」のような感じがしなくもないので、もっと多くのプレイヤーが金融のメインストリームを含む他分野からどんどん参入してSRI業界を活性化させていってもらいたいと思います。

eurosif
欧州のSRIネットワークであるEurosifの事務所(通りかかっただけですが)。

このような経験を通じて知識面でもネットワーク面でも大きく前進した一週間でした。
この一週間だけでも留学した甲斐があったと思います。

こうしてみると、ネットワーキングに必要なことは、
(1)アンテナを張っておく(勉強・情報収集)
(2)自分の関心事を常に発信しておく(チャンスを引きつけるため)
(3)チャンスがあれば迷わず飛び込む
ということに尽きるのではないかと思います。
あとは頑張ってネットワークを維持してそれを次のネットワーク拡大に繋げていく、ということでしょうか。

ということで、今回得られたネットワークや知識を大切にしながら、今後もオランダないし日本でネットワークの拡大、ソーシャルファイナンス関連の知識・キャリアの充実に努めていきたいと思います。

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International Food Festival

海外旅行、海外生活といえばやはりその国の食べ物に関心を持たずにはいられません。
特に世界各国から人が集まるとなれば、その国々の食べ物を食べてみたいというのは世界共通の人情のようです。

ということで、クラスメイトがそれぞれの国の食べ物を持ち寄って食文化を楽しむInternational Food Festivalが学校の食堂で開催されました。

それぞれ自分の国を代表していますので、結構力が入るものです。
当然我々日本チームも気合いを入れて臨みました。

日本チームのメニューはちらし寿司日本のカレーあんこ春巻きでした。
私はカレー作りを担当。
ベジタリアンも結構いるため、チキンカレーとベジタリアン用の二種類作りました。
もっともチキンが入っているか否かだけの違いですが。

カレーを作ったら学校に持ってきて、いよいよお客さんをお出迎え。
せっかくなので祭りのはっぴと浴衣で日本の雰囲気をアピールしました。


はっぴ&浴衣。料理も衣装も好評でした。

ちなみに一番人気はあんこ春巻き。
あっというまになくなりました。

個人的には、日本をアピールするならキャラクターものは外せないだろう、ということで、滋賀県の某有名キャラクターをアピールしておきました(笑)


タイ人のクラスメイトと。彼もはっぴが似合いますねー。

もちろん、他の国の人たちも料理に衣装に気合いを入れていました。
おかげで、存分に舌鼓を打ち、見た目も楽しませてもらいました。


韓国チーム。キムチ、巻き寿司、焼き肉。食が進みます。


オランダチーム。やはりハーリング(にしん)ですね。


ケニアチーム。ケニアのドーナツがおいしかった!


イギリスチーム。ハムとチーズのキッシュが最高!


インドチームはダンスを披露してくれました。

留学するまであまり海外経験がなく、とりわけ発展途上国には訪れたことがなかったので、こういう機会に様々な国のものに直に触れるのは非常に貴重な経験でした。

次は是非彼らの国に行って深く彼らの文化に触れたり、またクラスメイトを日本に招いて日本のことをもっと知ってもらえたいと思います。

ちなみにこういう企画をしているのは、(主に)とあるパーティ好きのクラスメイトなのですが、毎回告知やロジスティクスなど地味で大変な作業も含めて色々やってくれていて、彼のリーダーシップとそういう作業も淡々とこなす姿には本当に頭が下がります。
人の見えるところでも見えないところでもしっかり動く、そういう姿は見習わなければといつも思います。

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Term4開始

早いものでもう9月。留学生活も残り3か月ほどになったところで、ついに最終学期に入りました。

最終学期は選択科目のみで、自分の関心に合わせて受講していくことになります。
必要な受講科目数は5つですが、空きがあればさらに受講することも可能です。

選択できる科目は下記の通り。
Strategy, Finance, MarketingおよびGeneralというカテゴリーに分けられて、スケジュールが重ならない限りどの科目を受講してもいいのですが、一つのカテゴリーで3つ以上の科目を受講すると、MBAの肩書きとしてStrategy/Finance/Marketing-concentrationと名乗ることが可能です。

選択科目については各科目で受け入れ人数の制限があり、希望者全員が受講できるとは限らないため、各学生にポイントを振り分け、それぞれがポイントを賭けて受講科目を決定します。

逆にあまり希望者がいないと、その科目自体が行われないということもあり、注意が必要です。下記科目の中にも実際には開講されていないものもあります。

また下記科目はFull-time MBAプログラムとしての開講科目ですが、その他にMaster of Financial ManagementやExecutive MBAの一部科目も受講することができます。 

Strategy

1 The Business of Family Business
2 Consulting Elective
3 Companies and Ecologies 
4 The Entrepreneurial Process 
5 Strategic Value Management
6 Global competition and economic development: Doing Business in China 
Finance
1 Strategic Finance and Value Creation 
2 Private Equity
3 Financial Risk Management 
4 Business Forecasting and Valuation 
5 Behavioural Corporate Finance  
Marketing
1 Brand Management 
2 E-Marketing
3 Customer Relationship Management
4 Enhancing Creativity 
5 Consumer Behaviour

General

1 Sustainable High Impact Leadership
2 Negotiations 
3 Supply Chain Management 
4 Kilimanjaro Leadership elective – Women only –

このうち私が受講するのは、”Company and Ecology“、”Advanced Investment“、”The Entrepreneurial Process“、”Strategic Value Management“および”Private Equity“です。
3つがStrategy、1つがFinance、1つがMaster of Financial Managementの科目になります。

ちなみにStrategyのDoing Business in Chinaは実際に中国に行って企業訪問をする授業で、追加費用はかかりますが、中国の雰囲気やビジネスに触れることができ、非常に有意義だった模様です。
さらにモンゴル人のクラスメイトがこの科目に追加する形でモンゴルツアーをセットしてくれたため、参加者の多くがモンゴルでの時間も楽しんだようです。
この方法を使えば、香港、韓国、台湾あるいは日本ツアーを組むことができるでしょうから、来年以降の方にも是非受け継いでもらえたらと思ったりしました。

GeneralのKilimanjaro Leadership electiveはRSMの目玉の科目の一つで、文字通り女性だけでチームを組んでキリマンジャロに登るという科目です。
キリマンジャロに登るには相当な体力が必要で、よくトレーニングをしているようです。
去年も今年も日本人が参加するということで陰ながら応援しています。

RSMは例年多くの交換留学生を受け入れていますが、その交換留学生が参加するのもこの学期ですので、彼らとも積極的に交流していこうと思います。

泣いても笑ってもこの学期が最後、ということで笑って留学生活を終えられるように、そしてクラスメイトたちとの関係を長く続けられるように、授業も課外活動もしっかり楽しんでいきたいところです。

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Internship in Social Finance Institution

気がつけばもう8月も終わり、秋がやってきました。
もっともオランダはずっと涼しく、特に朝方は寒いと言っても過言ではないので、夏本番があったという感じはあまりありませんでしたが。

そして秋がくるということは留学生活も終盤に差し掛かっていることを意味します。
8月末からは最終学期の授業も始まっていて、少しずつプログラムが終わりに近づいていることを実感せずにはいられません。

そして考えるのは、これまでに自分の望むものを得られたかということ。
これまでに色んな友人ができたり、多少なりともクラスの中で積極的に動いたりと頑張ってきたことはありますし、ある程度は満足していますが、まだまだだなと思うことも多いです。

なにより気になっているのは、思ったよりソーシャルファイナンス関連の経験が積めていないこと。
あまりソーシャルファイナンス関係者とのネットワークを作ったわけでもなければ、そのような授業を受けたわけでもなく。
接触は試みたのですが、想像以上に切り込むのが難しいです。

特に最近Social Impact Bond (SIB)に関心を持ったこと、就職活動の時期が迫っていることがあり、何とかソーシャルファイナンス、とりわけSIBに関する経験を積めないかと考え調べていたところ、日本でもSIBに関連する事業を行っている企業があり、運良くインターンシップを募集しているとのことで、コンタクトをとってみることにしました。

ちなみに当校のプログラムは1年制プログラムのため、インターンシップをしないことを前提に設計されていて、夏休みも1か月とインターンシップはかなり難しいです。
実際、学校のキャリアセンターの方に相談した時も、「インターンは最低3か月はとらないと慣れてきたところで期間終了となり、企業も本人も得るところが少ないので、短い期間のインターンを探すのは難しい」ということでした。
一部の例外を除くと、インターンをするのは12月の授業終了後になります。
当校の卒業式は3月ですので、それまでは学生の身分でインターンシップに従事することができます。

このような事情のため、また授業もあるので、実際に日本に帰ってオフィスで決まった時間に作業をするのは難しいということもあり、オンラインで一定のタスクをこなす形にできないかと相談ベースでインターンの受け入れをお願いしてみたところ、あっさり了承していただきました。

ということで、めでたくインターンシップ決定!
当面授業や就職活動と平行しながら与えられた役割を担っていくことになります。

担当するお仕事は主に二つ。
(1)ソーシャルファイナンスに関する説明資料作成
(2)Social Impact Bondの設計

(1)についてはもともと書き物が好きだということ、ソーシャルファイナンスに関する情報の整理をしておきたかったということもあり、渡りに船の案件です。
ちなみに色んな人に話を聞いたり、ものを書いたりすることが好きということでずっと証券アナリストになりたいと思っていたりもします。なかなか狭き門なので現在のところ実現していませんが、次のキャリアで実現したら…なんて期待も。

(2)については、もともと投資信託の会社にいて金融商品の企画に関心があり、この分野での経験を積んでおきたかったこと、特にSIBについては日本ではまだ前例がなく非常にユニークな経験となりうることから、非常に楽しみな内容です。

留学終盤にかかりこのような機会を得られたことは非常に幸運でした。
この機会を活かしソーシャルファイナンスに関する理解をいっそう深めると共に、できればこの経験を活かして次のキャリアにつなげていきたいと思います。
そして、願わくば次のキャリアがソーシャルファイナンスに関連するものであれば、とも思います。

まずは期待に応えられるように、目の前の課題から一つずつ進めていきます!

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免税手続きで気づいたこと

学生の特権ということで、8月はほとんど夏休み期間(と言っても、すでに4学期の授業は始まっていますが)。

そこで、8月は日本から来る母などと欧州旅行を満喫していました。
まず母と一緒にアムステルダム、パリを観光し、パリからミラノに移って、さらにイタリア周遊、ナポリ、カプリ島へ。
3週間の非常に長い旅でした。

母は買い物好きなので、パリではアウトレットモールやルイ・ヴィトンの本店などでの買い物に付き合ったりしていました。

散々買い物をしたので、免税手続きをするとそれなりの額が戻ってきそうだということで、今回初めてシャルル・ド・ゴール空港にて免税手続きをしてみることにしました。

免税手続きは初めてだし時間もかかりそうということで余裕を持って早めに並んでいたのですが、周りの人を眺めていると色んなことに気づきました。

・並んでいる人の多くが中国人
今やどこでもそうだと思いますが、免税手続きで並んでいる人の多くが中国人(中国語話者なので台湾人もいると思います)でした。
しかも購入しているブランドものの量が非常に多い!
身につけているものもブランドものばかり。
改めて中国経済の勢いを感じさせられました。
同時にこれは中国国内の格差をも表しているのだと思いますが。

・話せない親世代、流暢な子世代
免税手続きの風景を見ていて目立つのが、親が英語やフランス語を話せないので子ども(青年ですが)を呼んで代わりに話してもらう様子。
親はチンプンカンプンな顔をしていますが、その子どもは非常に流暢に話します。英語だけでなく、フランス語まで駆使している人もいました。
その青年世代の人たちは外国人と話すのも慣れているようで、留学経験などもあるようでした。
恐らく、彼らの親たちが積極的に子どもに教育に関する投資をしたり、海外経験を与えていたのだと思います。
経済のグローバル化に注目が集まっていますが、彼ら(特に中国人)の考え方や能力、活躍の場もどんどんグローバル化していくのだと思います。

・某BRICSの人の払い戻し通貨
某BRICSの国の人が払い戻しを受けていたのですが、その人の受け取った通貨はその国の通貨ではなく米ドルでした。
もちろんこれから米国に旅行に行くのかもしれませんが、恐らくその国のインフレが激しいので、通貨価値が比較的安定していて、国際的に最も通用している米ドルを受け取ったのだと思います。
ブラジルでも給与を受け取ったらすぐに米ドルに換金すると聞いたことがあります。
こういうのを間近で見ると、ああなるほど、と感じます。

短い時間ではありましたが、色んなことに気づいた有意義な時間になりました。
免税手続きというのはその国の購買力をよく表していると思うので、世界経済の状況をリアルに認識しているのは、案外免税手続きを担当している方々だったりするのではないか、と思ったりもしました。

それにしても、アジア近隣諸国の次世代は本当に侮れません。
それだけによき競争者であると共に、よき協力者として付き合っていきたいと思いました。

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