惜別の時

先日卒業要件を満たして卒業が決定したのですが、今般ついに卒業式の日を迎えることになりました。
もっともオランダに行く余裕はなかったので式に参加はできませんでしたが。

卒業式はロッテルダムのWorld Trade Centerで行われました(卒業式の様子はこちら)。
式にはロッテルダム市長のほか、日本人同級生の尽力でデン・ハーグの国際司法裁判所で裁判所長をされていた小和田恒氏も講演をされたそうです。
その行動力にはいつも驚かされ、刺激を受けてきました。
他の日本人同期にも言えますが、本当にたくさん学ばせてもらいました。

その後、ガウン姿のクラスメイト一人一人卒業証書を受け取り、最後は定番ですが角帽を投げていました。

卒業式

こういうの一度やってみたかったのですが、大学卒業の時も卒業式に出ていないのでどうも縁がないようです。次は博士課程の時にでも…?

ともあれ、これで名ばかりながら正式にMBAとなりました。
学生の身分を失ったので無職ということでもありますが…(汗)

親戚や世間様に対しては少々肩身の狭い立場ではありますが、電力王・松永安左衛門翁曰く「大病・投獄・浪人こそが成功の条件」ということですので、ゆっくり考えを巡らせるいい機会と考えることにしています。

他の日本人同期はそれぞれ自分の道を歩き出していますが、自分は就職活動で一進一退しているだけで何事もなしていないことに忸怩たる思いを抱いていましたので、卒業にあたり自分で小さなプロジェクトを立ち上げて動き始めることにしました。

これから自分がどのような方向に行くのかわかりませんが、自分なりに納得のいくように時間を過ごしたいものです。

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アンテナ on ソーシャルファイナンス(2)

2つめのイベントはG4マルチステイクホルダー委員会の発足委員会
昨今サステナビリティ・CSRへの関心の高まりを受け、多くの企業がサステナビリティ報告書ないしCSR報告書を作成していますが、そのような情報開示についてGlobal Reporting Initiative (GRI)という団体がガイドラインを作成しています。
このガイドラインは何度か更新され、2013年には第4版が発表される予定でこの第4版はG4と呼ばれています。

GRIは1997年にボストンで設立されましたが、現在はオランダのアムステルダムに事務局を置いて活動しています。そのため、私もオランダでお話を伺おうと思っていましたがその機会を得ることはできませんでしたので、今回説明を受ける機会があったのは幸いでした。

多くの企業がGRIのガイドラインに沿って報告書を作成していることもあり、この説明会も会場いっぱいに人が入っていました。
定員は100名だったので参加者もほぼ100名、年齢層としてはシニアと若い人がくっきり分かれている感じでした。なお、女性は3割程度だったと思います。この分野では女性の存在感が大きいように思うのは私だけでしょうか。

説明会は、GRI・G4に関するものと、投資家が非財務情報をどのように認識しているのかという説明の二部構成でした。


説明会資料。

GRI-G4の最新状況については、GRIの説明やG4開発の背景・現在の状況について触れられました。
G4という呼称が示す通り、最新版で4度目のガイドライン策定になるのですが、本格的にガイドラインが普及したのはG2からだったそうです。
そしてG2は全世界で57か国・864社が利用し、中でも日本企業が最多ということでした。日本企業・日本社会のサステナビリティに対する関心の高さが垣間見られます。

一方、各社のCSR報告書を見ていますと、GRIのガイドラインに沿っているという事情もあるのですが、どうしても総花的・羅列的になってしまい、大事な情報が埋もれてしまいがちです。
そのため、G4では何でもデータを示すのではなく、企業にとって重要であることを明確にしたうえで情報を開示することを促す方針ということです。

他には世界中でサステナビリティ報告書が進化していること(特に中国や韓国、その他発展途上国でも質の高いサステナビリティ報告書が増えているとか)、初心者・経験者双方にとってユーザーフレンドリーなガイドラインが求められていることなどがG4開発の背景にあります。

そのG4開発は現在最終段階にあり、2013年5月に公表される予定です。
そしてG4発表に合わせてアムステルダムで国際会議が参加されるそうで、日本からも代表団が派遣されるとのことでした。
派遣団には自分で手を挙げて参加することもできるらしく、もしオランダにいたら参加したのに…と少々残念な思いです(笑)

続いて大手金融機関の方から、投資家の立場から見たG4の影響について説明がありました。
日本では金融危機を転機にSRI(社会的責任投資)市場が停滞している一方、欧州では逆に金融危機を弾みとしてSRI残高が拡大していることが示されました。

またSRI・ESG投資(環境・社会・ガバナンス)が拡大した背景として、短期主義に対する反省の他、投資家の責任ユニバーサルオーナーという概念を指摘されていました。

ユニバーサルオーナーというのは、「機関投資家はポートフォリオを通じて経済全体の一定の持ち分を所有している」という考え方で、言い換えればポートフォリオは経済全体の損益を反映しているということになろうかと思います。
つまり環境汚染などの外部性についても幅広い銘柄を保有している機関投資家は結局のところ負担せざるを得なくなるということです。

そのため、機関投資家は環境などサステナビリティに配慮した企業に投資することによって外部性を軽減しポートフォリオ全体(=社会全体)への悪影響を低下させるとともにリスクヘッジにもなると考えることができます。

機関投資家に勤務していたこともありましたが、こういう考え方をしたことはなかったので非常に印象に残りました。

また欧州を中心としてESG投資に関連する規制が強化されている点も挙げられていました。
特にルクセンブルグではクラスター爆弾、地雷製造に関わる企業に投資することは禁止されており、違反すると禁固・罰金という刑罰が科されます。
ルクセンブルグの場合欧州のみならず世界中の機関投資家がルクセンブルグ籍の投資信託を設定するなど影響が大きく、当然ルクセンブルグ籍投資信託を設定する日本の機関投資家もこの規制の対象となるため、否が応にも意識せざるを得ないということになります。

クラスター爆弾以外にもこのような事態になりうるテーマは他にもあるため、機関投資家は法令順守という点でもESGに意識を払う必要がありそうです。

そして、このような点を織り込んで投資判断を行うためにもG4の趣旨にもある通り、企業側がESG情報・リスク情報の開示を的確に絞り込んで発信するとともに、IR活動と一体化した情報発信が重要というご意見でした。

今回は情報開示ということで金融機関側だけでなく事業会社にとっても直結する内容で、非常に勉強になりました。
自分がこういう会社に入ったらこういうことをしたいということを具体的にイメージすることができて面白かったです。

事業会社がESGに積極的に取り組んでそれをIRと一体化させて投資家に発信し、投資家・金融機関がそれを適切に評価して資金を融通しさらなる成長の原動力となる…という好循環が強化され、持続可能な成長モデルにしていきたいものだと次世代の一員として強く思います。
自分がどの立場になるにせよ、この意識は忘れないようにしたいもので
す。

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アンテナ on ソーシャルファイナンス(1)

3月もはや中旬。今年度ももうすぐ終わりです。
そんな中就職活動は大幅な前進を見せてはいませんが、何とか匍匐前進を続けています。
RSMのクラスメイトや日本のMBA仲間も続々と次のステップを決めているので少々焦りが無いでもないですが、大事な節目ですので納得のいく進路を見つけたいものです。

先の見えない状況というのは結構厳しいもので、つい目先のことにばかり気が行ってしまいますが、自分の関心のある分野に対するアンテナは張り続けていなければいけないと思い、サステナビリティ・ソーシャルファイナンスに関連する2つのセミナーに行ってきました。

まず、21世紀金融行動原則シンポジウム
21世紀金融行動原則とは業態の異なる多くの金融機関が資金をより持続可能な事業に流すようにしようという理念を掲げたもので、2013年3月現在186の金融機関が署名をしています。
これまで貸出/リース・保険・証券/運用・不動産といったワーキンググループに分かれ議論を深めてきたようで、今後の動向が注目されます。

参加者も結構多く、金融機関や関連事業者が積極的にサステナビリティを本業と関連付けようと模索しているのかが伺えます。


21世紀金融行動原則総会・シンポジウム会場

会議の中では金融機関のCSR・環境関連の素晴らしい取り組みについてもいくつか紹介されていました。それぞれ自社のビジネスや資産を有効に活用したもので、大変参考になりました。

その中に第一生命の保育所事業についても紹介されていましたが、保育所の設置は当然のことながら一般のテナント誘致とは異なった規制・配慮が求められ、それらをクリアするために様々な工夫がなされたそうで、聞いていて感じるところ大でした。

またUNEP FI (Finance Initiative)の特別顧問、末吉竹二郎氏が講演されました。
氏の姿を生で見ることができたのはソーシャルファイナンスを志す人間として感動するものがありました。単なるミーハーですが(笑)
当シンポジウムの中では2012年6月にブラジルで開催された「国連持続可能な開発会議(通称リオ+20)」にスポットライトが当たったこともあり、この講演の中でも主に自然資本について触れられていました。

講演の中で特に印象に残ったのは「フカヒレスープを出さない」という話。
多い統計だと現在年間約7300万匹のフカが捕獲されていてフカの個体数減少が深刻化しているうえに、残酷なことにフカヒレのために捕獲されたフカはヒレだけ切り取られてあとは海に捨てられるそうです(講演では触れていませんでしたが、ヒレを切られたフカはその後溺れてしまうとか。なお日本ではサメのほぼすべてを利用するので事情が違うとも。)。
これらの背景からワシントン条約会議では3種類のフカの捕獲が規制されるとともに、シャングリラやペニンシュラといった一流ホテルがフカヒレスープを出さなくなるといった状況になっているそうです。
もちろんフカヒレだけではなく、漁業資源の73%は持続可能な線を超えているという指摘もあり、海産物好きの自分としては他人事ではありませんでした。

なお、リオ+20では世界の金融機関が自然資本宣言を発表しており、37の金融機関が署名しています(日本の金融機関では三井住友トラストホールディングスが署名)。
特にRobeco、ASN Bank、Rabobank、Unicredit、SNS Assetなどオランダの金融機関が目立ち、さすがソーシャルファイナンス大国だと感じました。

その後各業界の代表者と環境省担当者を交えたパネルディスカッションがありました。
その中で特に2つの意見が印象に残りました。
一つは今後金融業界が経済の持続可能性を高めていくためには業態を越えた連携が必要である、という意見。
もう一つは、地方の中小企業であっても、取引先が国際的な大企業である場合はその企業の調達が国際ルールに従うことになり、結果としてグローバルな動向が影響を及ぼすため、地域の金融機関もその取引先も注意をしなければいけない、という意見。

特に後者の意見は就職活動でいろんな業種を考えている身として参考になりました。
最近はグリーン調達や倫理調達ということを意識している企業も多いでしょうし、またグローバル化が進む中、輸出入の機会が増えたらその分国際ルールが絡んでくることも増えるでしょう。もしかしたらTPPなどもこの動向に影響してくるかもしれません。
そう考えると、環境問題や国際ルールは地方の小さい企業であっても必ずしも無縁であるとは言えないし、そこに金融機関のサービス提供の余地がありそうです。
そういう意味では、金融業界内の連携にとどまらず、事業会社をどのようにこの流れに取り込んでいくかということも議論の焦点になるかもしれません。

ともあれ、今後もこの金融原則を取り巻く動向について注目したいところです。

(2)に続く
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How to cook Zunda

先日無事に卒業も決まり、あとは3月下旬の卒業式を待つだけになりました。
もっとも私は参加できないので、自宅でガウンを着るだけですが(泣)

そして、その卒業式に先立ち、各国の料理のレシピを持ち寄ってRSMだけのレシピ集を作ろうという企画が進行しています。
企画しているのが仲のよかったクラスメイトということもありますが、これが最後のMBA課程のプロジェクトだろうということもあり、レシピを寄せることにしました。

レシピを提供するにあたってはいろんな料理が考えられましたが、なかなか食べる機会がない特徴的なものがいいと思い、第二の故郷である仙台の名物・ずんだ餅のレシピを作ることにしました。
そしてレシピを作るなら実際に自分でも作ってみなくてはならないと思い、作ってみました。

ずんだの緑のペースト部分は枝豆からできています。

そして、その枝豆をさやから取り出し、さらに一粒ずつ薄皮をはがします。
これが結構大変です。

薄皮をはがした豆を加熱した後にすりつぶします。
すりつぶしたら鍋に移して水・砂糖を加えて煮込みます。

煮込んだら冷まして完成です。
あとは団子と一緒にお皿に盛っておいしくいただきます。


冷まして食べるといっそう美味です。

日頃気軽に食べているずんだですが、実際に作ってみると結構手間がかかりました。
特に薄皮を取るのは気力が必要です。

ちなみに後日スーパーマーケットを歩いているとずんだペーストが売っていました。
これがあればいつでも簡単にずんだ餅を食べることができて重宝しそうです。

ちなみに調理の過程を英語で表現するのは初めてだったので料理関係の多くの英単語を学ぶことができ、大変勉強になりました。
例えば大さじはtbsp(=tablespoon)、小さじはtsp(=teaspoon)というそうです。

このレシピがきっかけになって、愛するずんだ餅が是非世界中で食されるようになってくれればと思います(笑)

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卒業決定!

昨年1月に留学して1年強。

色んな苦労をしながらもクラスメイトや留学仲間の助力もあって一つ一つ乗り越えていくことができました。
授業についてもすべて単位認定を受けることができました(実は追試とかあったけど…)。

そして、先日ついに学校から卒業決定の連絡がありました!

当校の場合、12月に授業がすべて終わりますが、それ以降に課程の一環として任意でインターンシップをすることが可能で、その場合はレポートの提出が卒業要件になるため、単位をすべて取得した後に2月頃の学校から正式の卒業決定通知があって卒業決定となります。

自分の場合はインターンシップをせず単位認定は全て終わっていたので卒業はほぼ決定していたのですが、正式に決定の連絡を受け一安心です。

こうして正式に決まってみると、留学中の出来事がいろいろ思い出されます。

ともあれ、これまでご声援・ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

なお、私にとっては次のキャリアが始まるまでがMBA留学ですので、次のキャリアを始めるまでの様子を引き続き留学記としてつづっていきたいと思います。

また、卒業を記念してちょっとしたプロジェクト(?)も検討していますので、もし実現したらお知らせしたいと思います。

読者の皆さまにも引き続きお付き合いいただければ幸いです。

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「世界青年の船」ローカルユースに参加

帰国後東京に拠点がないので仙台で就職活動にいそしんでいるところですが、無職の身ですのでそれほどすることもなく、時間と体力を持て余していたりします。

そんな折、たまたま「世界青年の船」が東日本大震災の被災地である大船渡市に寄港し、それに合わせてローカルユースとして東北地方の青年を寄港地に招いて世界中から集まった青年と交流する機会があるということで参加することにしました。

世界青年の船」とは日本人青年の国際感覚を養うため日本を含む世界10か国(ニュージーランド、コスタリカ、メキシコ、フィジー、スリランカ、トルコ、アラブ首長国連邦、バーレーン、ケニア、日本)から集まった青年達が一つの船に乗り合わせ、日本の各地を訪れるという事業で、今年は沖縄・神戸・大船渡の三か所に寄港しています。

今回参加するローカルユースは約40名。仙台と盛岡に集合し、バスで大船渡まで向かいます。私は仙台組で大船渡まで約4時間の旅でした。

道中は本を読んだりしていたのですが、たまたま事前に連絡を取り合っていた方がいて道中話し込んでいました。
その中で歴史が好きだという話をすると、なんと東北地方出身の某著名歴史人物と深いご縁があるということで感激しました。世界は狭いです。

高速道路を外れて一般道を長い間走っていたのですが、震災の傷跡が未だにそのまま残っているところも多く、改めてこの度の震災の深刻さを感じました。
震災から間もなく2年になりますが、復興の下準備を進めるのもなかなか進まないのが現実のようです。

またリアス式海岸という地形の故に山間部まで津波の傷跡が残っていて、確かにこのような山の中では津波というのは想像しにくいかもしれないという印象を受けました。

そうこうしているうちに、目的地の大船渡市に到着。
今回の舞台は港に停泊している客船「ふじ丸」。

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客船に乗るのは初めてなのでわくわく。

船内に入ると早速オリエンテーション。
基本的な事項について一通り確認したあと自分の部屋にチェックイン。
部屋は3人用で、同室の人がもう一人。

しばらく部屋で休んだあと、元々船内に乗っていた同じグループの人たちと顔合わせ(参加者はグループ分けされています)。

そして自己紹介をしたあと、彼らのその日の活動についてディスカッション。
我々がバスに乗っている間、彼らは地元の小学校を訪問し、子どもと遊んだり先生にお話を聞いたりしていたそうです。
学校は今どういうところで苦労しているのかを聞いたところ、体育館が小さいので、寒い中屋外で運動させざるを得ないことや児童のメンタルケアが大変ということでした。
児童の半数がカウンセラーのカウンセリングを受けているそうです。

ディスカッションは原則として全て英語なのですが、話についていけたことに我ながら感動しました。苦労しながら留学生活をこなした甲斐もあるというものです。

ディスカッションが終わると今度はレセプションパーティ。
ゲストも多くいらっしゃっていましたが、その中には大船渡市長や、久保田陸前高田市副市長も。
久保田副市長には留学前にもお世話になっていたので、簡単に留学生活のご報告をしたり、被災地の復興の進捗状況についてお話を伺ったりしました。

また、事前にアラブ首長国連邦の人たちがローカルユース全員にターバンなどをプレゼントしてくれたので、ノリノリでそれを頭に付けて参加。

しかし、巻き方がよくわからなかったので着けてもらいました。

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これでアラブの一員です。

ちなみにこの同室の方、話を聞いてみるとなんと同じ大学出身であっただけでなくサークルまで同じだったようで、共通の知人の話題も出てきました。世界は狭いものです。

パーティではできるだけ色んな外国人の方に話しかけてみました。
さすがに外国人と話すのも以前よりは気軽にできるようになりました。

そして1日目は終了。

2日目は朝食から。
朝食はホテルのような充実したバイキング。
せっかくなのでしっかり食べました。

2日目のメインは大船渡市の見学。
グループ毎に訪問地が分かれているのですが、我々のグループは大船渡市に本社を置くさいとう製菓の工場を見学しました。
さいとう製菓は「かもめの玉子」というお菓子で有名です。

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「かもめの玉子」をいただきました。美味。

工場では工場長の方に業務概要と被災時の状況についてお話を伺いました。
被災したとき、さいとう製菓の本社は海岸沿いにあり、本社は完全に津波に飲み込まれたそうで、また工場も津波の被害こそなかったものの、生産ラインの機械が破損したり動いてしまったりして稼働不可能になったそうです。
生産ラインは各工程が厳密に連携しているので、機械が動いてしまうと前後の工程とうまくつながらないため稼働できないということでした。

幸いにして従業員の犠牲はなかったものの、やはり家族の中には犠牲になった方もいらっしゃったそうです。
しかしながらそこから不屈の闘志で、わずか1か月後には再稼働を果たします
その時期の復旧は被災企業の中でもかなり早く、現地の人たちを勇気づけたと言います。
また大船渡・陸前高田両市110か所の避難所にかもめの玉子を提供したほか、商品を載せた車が立ち往生した釜石市でもその商品を全て被災者に提供したそうです。
実際これで命をつないだ人もいたそうで、大きな支えになったと思います。

また震災直後はガソリンや原材料が品薄で、また常時の仕入れルートが十分に機能せず、原材料の確保にも大きなエネルギーが必要だったそうです。特に卵は必死にかき集めたということでした。
不躾にも買い占めの批判はありませんでしたか、という質問をしてみましたが、一般消費者と法人では購入する枠が別なのでそういうことはなかったとの回答。

質疑応答では海外の青年達からも質問が。
かもめの玉子がみんなに好評だったので「輸出や海外展開はしないのか?」という質問がありました。消費期限などの理由で輸出は難しいという解答でしたが、中東の人からは「中東ではフランスからチョコレートを空輸して売っているので日本からでも大丈夫」という応答があり、相当熱が入っているようでした。今後の同社の展開に期待です。

お話を聞いたあとは工場見学。同社商品「ごまたまご」の生産ラインを拝見しました。
機械の動きと人の動き、それぞれがうまく連携していて製品がスムーズに流れていきました。従業員の方は集中力を切らすこともなく、率直にすごいと思いました。

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商品の箱を作る機械と箱詰め工程。

昼食は従業員の方と一緒に。
幸運にも研究開発担当の方とご一緒することができ、色々聞いてみました。
仕事柄色んなお菓子を食べてこられたということで、どのお菓子が一番おいしいと思うか聞いてみると、「大手メーカーはもちろん、町の小さいお菓子の店でもこれは真似できないと感じさせるような商品がひとつはあり、どれが一番とは決められない」ということでした。

最近の商品開発の課題としては「若者をいかに取り込むか」ということがあり、ショコラ風かこめの玉子や季節毎にフレーバーを変えた商品を販売するなどのとりくみをしているとのことでした。

また商品開発で一番何が難しいかと聞くと、企画した商品を実際に生産ラインに乗せるのが難しいということでした。営業部門などとの意見交換で面白い企画ができても、生産するためにはそのための制限(固さ、賞味期限など)があり、それをクリアするのが大変だそうです。

最後に記念撮影。「世界青年の船」のために旗まで作っていただいたそうです。
ありがとうございます。

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ご多忙中ありがとうございました。

船内に戻る途中に「かもめの玉子」販売店舗と大船渡市の仮設商店街を訪れました。
津波で多くのものを失いながらも再起を期しての商店街設立ということで、その強さを改めて感じました。ちなみに商店街の中はFree-WiFiでした。

船内に戻ってグループでディスカッション。これまでのスケジュールが大変だったようで参加者はお疲れのようでしたが、議論に入ると盛り上がるものです。
せっかくなので自分の被災経験やローカルユースに参加した理由などを話しました。

ディスカッションのあとは、各国の青年達のパフォーマンス披露。
日本を含め、各国の伝統的な踊りなどを披露してくれました。
ちなみ日本の方の出し物は、岩手県の実行委員の方のさんさ踊りと日本人青年のソーラン節でした。

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コスタリカ伝統の踊り。

各国とも気合いが入っていて、非常に見応えがありました。

そしてその後は再度パーティ。
2日目は陸前高田市長がお越しでした。

2日目は日本人青年の方やローカルユース、グループのメキシコ出身の青年などとお話ししました。
メキシコの青年は非常に優秀で、現在某米国名門大学院を受験中とのことでした。
英語、スペイン語に加え日本語もある程度分かるようで、バスの中ではグループの日本人人が「鶴の恩返し」を日本語で語っていました(笑)

パーティが終わってもう休もうかと思っていたら、ローカルユースの人が被災経験についてプレゼンテーションを行うので集合ー、とのお話があったので行ってみました。

プレゼンを行ったのは宮城県の大学の2人の大学生。
2人ともその若さで人前でプレゼンをするだけですごいと思うのですが、特に一人は英語でプレゼンをしていて、自分が去年初めてしたことを学部生の時に既にできているのかと感嘆しました。

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ローカルユースによるプレゼンテーション。

プレゼンでは被災時の状況や復興に向けた学生の取り組みなどが紹介されました。

直前にこういうのしたいよねー、という話は聞いていたのですが、生憎オランダで行ったプレゼン資料が入ったパソコンを持参しておらず、今回は断念…

ともあれ、若い方の優秀さと情熱に触れて、こういう人たちに復興の原動力になってほしいと思いました。

3日目の朝は9時に出港することになっていますので、朝食を終えて、最後の挨拶。
短い間でしたけれど、色んな人と話すことができて大変有意義でした。
留学中にも感じていたことですが、世界には本当に優秀な人たちがいて、そういう人と触れ合うだけでも刺激を受けますね。

最後は船外から別れを惜しみながら紙テープの挨拶。
映画を見て憧れていたので、実際にできて楽しかったです(笑)

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船上から紙テープの嵐。

お別れに際して、各国の青年がお土産をくれました。
スリランカの人たちはポロシャツをプレゼントしてくれました。

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各国の青年からの贈り物。

2泊3日という短い期間でしたが、被災地の現状を見たり各国の人たちと触れ合うことができて非常に有意義な時間でした。
また、彼らと英語で話すこともできるし、外国人だからといってそれほど壁を作らないでいられるという留学の成果を確認する機会にもなりました。

今後も彼らや留学中の友人を含め世界中の方々とつながっていきたいですし、また彼らが日本に目を向けてくれるような情報発信にも微力ながら取り組んでいこうと思います。

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