文化財学演習Ⅰ(スクーリング講義)

奈良大学通信課程とスクーリング

奈良大学の通信課程で歴史に関する学びを始めて早5か月。
いくつかの科目のレポートを書いたり単位認定試験を受けたりと、今まで触れてこなかった分野にも触れることができ、大変有意義でした。
こちらについては記事が書けていないのでそのうち投稿したいと思っています(汗)

しかし、大学生の醍醐味(?)といえばやはり対面での授業と学友との交流ではないかと思います。この点では通信課程はどうしても限界があるのですが、コロナ禍では一般の大学生も学友との交流は制限されているようですので大変だと思います。

それはさておき、奈良大学通信教育部ではテキストでの学習に偏重しないよう、また学友との交流の機会を設けるためにスクーリングの講義を設けています。
スクーリングとは実際に大学のキャンパスを訪れて、一般の大学生と同様に授業を受ける講義で、科目によってはキャンパスの外の史跡や神社仏閣を訪れたり、実際に文化財を手に取ってその扱いを学んだりすることもあります。
もちろん実際に奈良に行って宿泊もするわけですから交通費や宿泊費は必要ですし、またスクーリング講義用の追加費用(学費)もかかるので経済的な負担はそれなりに大きいのですが、現地に行って歴史遺産に直に触れ、学友と一緒に学ぶことは負担を上回る収穫があると思います(あまりに回数が多いと辛いですが)。

しかし、コロナ禍の状況では実際にキャンパスに集まって授業を行うのが難しく、現在はスクーリング科目についても一般の科目と同様に与えられた課題を提出する形態、あるいはオンラインで授業を受けるという形態になっています。
通信課程の学生の多くがスクーリングを楽しみにしているようで、経験者の方も有意義だったとおっしゃっていることもあり、実際にキャンパスに行くことができないのを残念がる声が多く、自分も同感です。
できれば卒業するまでに一度はキャンパスで授業を受けたり学友と直に話してみたいものです。

ただ、ポジティブに考えれば交通費と宿泊費の節約になっているわけでもあり、プラスの面がないわけでもありません。とりあえず一度か二度ほどキャンパスで授業を受けることができればかなり満足できると思いますので、一つ二つスクーリング科目を残して在宅で単位を取ってしまうのも悪くないかもしれません。

ともあれ、8月20日(金)から3日間、スクーリング科目「文化財学演習Ⅰ」を受講しましたのでその内容をご紹介しようと思います。

 

文化財学演習Ⅰ

文化財学演習Ⅰの内容

文化財学演習という講義はⅠとⅡがあるのですが(Ⅲもありますが卒業論文指導っぽいです)、両方とも複数の教員が担当する講義で(合同ではなく、教員を選択する)、学生はシラバスを見て希望する教員のクラスで受講します。
文化財学演習Ⅱではお城の研究で有名な千田嘉博先生が担当されるので千田先生のクラスを受講しようと思っていますが、Ⅰの方は千田先生のご担当ではないので歴史地理学の先生が開講されているクラスを選択しました。
他には考古学や美術工芸品に関する内容のクラスがあり、これも奈良大学らしい授業ですのでこちらを選んだ方も多いかもしれません。

私のクラスでは歴史地理学を中心とした内容で、歴史と地理学の掛け合わせということで歴史的景観の保全について、具体的には重要伝統的建造物群保存地区や重要文化的景観制度や登録の意義などについて学ぶとともに、地理院地図の使い方や卒業論文作成を見据えた論文作成の作法などについても説明を聞きました。
論文作成自体はそれなりに経験がありますが、自分の学位論文と学術論文では構成の違いがあったり、分野によって参考文献の書き方の違いがあるなど、結構勉強になりました。

3日間という短い期間でしたが学ぶことは多く楽しかったです。以下では簡単に授業の内容をご紹介したいと思います。

授業の前に(1日目)

初日はまず自己紹介から入ります。受講している方は10名で居住地も性別も極端な偏りはありませんでした。年齢としてはシニアな方が多く、退職後に学びなおしをされている方もいらっしゃいました。歴史学という分野の性格でしょうか。
自己紹介の中で検討中の卒業論文のテーマについても触れられていましたが、現段階では検討度合いも人それぞれで、あまり考えられていないという方もいらっしゃいました。
今年度入学ならまだ5か月でレポートや試験に追われていて卒業論文のことまで考えるのは結構大変な気がします。

自分自身具体的にこれ!というものは決まっていないのですが、その時点では「文化財から見た小田原北条氏の民政」といったテーマで何かできないかと考えていました。
北条氏は民政が優れていたことに加え記録の保存状態が良好なため研究が非常に進んでいますが(特に黒田基樹先生がたくさん書籍を出されていてとても勉強になります)、その研究は比較的文献史学からのものが多く、民政についてあまり文化財的な観点からの研究は見かけません(築城術については非常に多いです)。もちろん私が知らないだけで豊富に研究実績はあるのかもしれませんが、その可能性は今は見てみないふりをします(笑)

しかし、文化財から研究をするためには文化財が遺っていることが前提であり、その観点から研究が少ないということは文化財自体が文献史料と比較して保全されていないことを意味しています。そのようなハードルを一学生が超えるのは非常に難しく、先生にもその点を指摘されました。
確かに改めて考えると文化財というモノがない以上研究できないし、自分で資料を発見することは難しいので、このテーマは厳しそうです。

となると改めてテーマを選ばなければいけませんが、小田原という点は死守したいので、他の小田原の史跡(研究成果が膨大にある小田原城は除く)か、小田原の誇る偉人である二宮尊徳の業績に絡んだテーマなどがいけるかと考えています。

1日目

授業はまず景観を維持する法的な枠組み、具体的には文化財保護法の中で景観の保存がどのように定められているかの説明を受けました。
文化財保護法では有形・無形の文化財について文化財保護の枠組みが定められていて、重要文化財や国宝の指定も文化財保護法に定められています。
景観については重要文化的景観重要伝統的建造物群保存地区について定めがあります。自分でもはっきりとその違いは分かっていませんが、前者は指定のテーマに沿った景観に重きが置かれ、後者は建造物という文化財に焦点があるように思います。実際、景観を対象とした重要文化的景観が広範囲に及ぶのに対し、重要伝統的建造物群保存地区はかなりピンポイントの指定になっています。
それぞれの概要や指定されているエリアの説明は文化庁のウェブサイトに詳しく載っています。

 

町並みが保全されている具体例として奈良県の某地域の町並みの変遷の調べ方や保存状況についてお話を聞きました。史料が残っていて読み込むことができれば江戸時代の地割(区画割り)や持ち主、土地利用の変遷までわかるのか、と大変興味深く聞きました。

また論文作成の基礎として論文の体裁と文献の集め方について説明を受けました。
やはり資料の収集方法としては大学・自治体の図書館のほか、国立国会図書館やCiNiiがメインのようです。コロナ禍で資料へのアクセスが難しいのは専門家の知恵・経験があっても変わらず、直に図書館に行く以外には複写郵送サービスに頼らざるを得ないようです。無念。

2日目

2日目は主に地理院地図の使い方を学びました。
地理院地図は国土地理院が管理している地図データですが、普通の地図だけでなく年代ごとの航空写真が取れたり、傾斜を示す陰影起伏図を作成できたりして大変便利なツールです。いじっているだけで時間が過ぎていきます(笑)
これは論文作成だけでなく、旅行の記録・記事などで使ってみたいですね。

 

 

1974~1978年の小田原城付近の航空写真(地理院地図より筆者作成)

小田原城付近の陰影起伏図(地理院地図より筆者作成)

 

この授業では3日目に各人が重要文化的景観または重要伝統的建造物群保存地区から一つ以上を取り上げて所定のフォーマットを用いて報告することになっていて、地理院地図の使い方の説明の後はフォーマットの説明を受けました。

そしてお昼休みを挟んで午後は各自報告書の作成です。
提出期限が15:50とお昼休みを入れても4時間しかなく、限られた時間で参考文献を確認し、地図の作成や地区・地域の概要、保全や観光上の取組みなどをまとめなければいけなかったのでかなりドタバタしてました。
実は時間がかなりタイトだと気付いたのは午後に作成を始めてからで、昼食をのんびり食べていたのを後悔しました(汗)

それでも質の低い報告書は作るまい、とできるだけ参考資料を読みつつ文化庁のウェブサイトなどにも目を通し、地域の特徴と課題をまとめていきました。
提出したのは提出期限ちょうどの15:50、ヒヤヒヤものでした。
限られた時間で情報を正確かつコンパクトにまとめることを求められる新聞記者のハードさとはこういうものかと、むしろ新聞記者の職場体験をしたような気がします。

3日目

3日目は各人が作成した報告書に基づき発表します。
時間は参加者の人数にもよりますが、今回は一人20分程度でした。

私が取り上げたのは福島県にある下郷町大内宿という宿場町(重要伝統的建造物群保存地区)でした。
小田原市を取り上げたかったところですが、残念ながら小田原市は重要文化的景観・重要伝統的建造物群保存地区としての登録がなされていないので、何となく大内宿を選びました。

筆者作成報告資料の一部

 

大内宿という場所については初めて知ったのですが、上記の資料にも書いている通り東日本大震災前には年間100万人以上の人が訪れる福島県有数の観光地です。近くに大内ダムがあるためセットで訪れる人が多いようです。

大内宿は江戸時代初期に会津と日光・今市を結ぶ南山街道の宿場町として栄えたのですが、17世紀後半には南山街道が使われなくなっていき、その後はあまり発展がみられませんでした。しかし、昭和時代に相澤韶男氏(民俗学者)が保存活動を行っていたところ全国紙が紹介したことによって世間の注目を浴びます。

その後大内ダムの建設もあったため住民としてもすぐに重要伝統的建造物群保存地区に登録しようという機運にはならなかったようですが、関係者の粘り強い努力や観光業に力を入れる下郷町の方針もあって1986年に登録されることになりました。

大内宿の観光業への取組みや保全に対する住民の意識についても論文や資料がよくまとまっていて、報告書の作成に役立ちましたし、いい勉強になりました。
報告書のテーマに観光への取り組みが含まれていたこともありますが、景観の保全と観光業・住民意識は不可分であることが自らの報告書だけでなく他の方の発表からも窺えました。
一定の負担をして景観の保全をするのは観光業の発展という経済的利益も動機としてありますし、負担がある以上住民の協力は必要になります。うまく観光客が増えればいいのですが、そうでなければ負担だけが生じて景観の維持が難しくなる、という難しさに直面しているところもあるようです。

 

以上が文化財学演習Ⅰの3日間の講義の内容です。
短い期間ではありましたが、景観保全の枠組みや地理院地図の使い方、そして景観保全の取組みと観光業との関連、保全のための課題などに触れることができて面白かったです。
論文作成にも活かしたいですが、それ以上にプライベートでの旅行でチェックするポイントが増えそうで、今から旅行するのが楽しみです。特に今回取り上げた大内宿には是非行ってみたいですね。

この夏にはあと二つスクーリング科目があるのですが、他の二つは教材を読んでレポートを出すという形態のようですが、これらも含めこれからも学業に励んでいきたいと思います。あとブログ記事も…

 

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文化財学講読Ⅰ(1)

歴史を実感するにはまずモノから?

世の中には自分も含め歴史が好きなが人が多いですが、一言で「歴史が好き」といっても好きな対象は様々です。
好きな時代、地域はもちろん、人物が好き、文化が好き、遺物が好き、など様々です。

そして当然そのタイプによって歴史へのアプローチも異なってきます。
歴史上の人物が好きな人は歴史学者や作家が書いた書籍や文献資料などを積極的に読むでしょうし、文化が好きな人は美術館や博物館で遺物や芸術作品などを楽しむことが多いと思います。
自分自身歴史の好きなポイントを一つ挙げるとしたら歴史上の人物やその行動を知ることが好きなので、書籍で歴史に触れることがほとんどです。

しかし、歴史上の人物、あるいは過去に生きた人々の存在や事績を最もよく感じるのは、彼らが残したモノだと思います。
城郭や神社仏閣、遺跡などの建造物やもちろん、日用品、武具、農具、衣類など過去の人が実際に使っていたものを見ると、確かに過去に人がいて生きていたんだということを感じます。刀剣や甲冑などの武具を見るとこれで戦っていたんだと少々怖くもなります。歴史としての中世は好きですが、生々しい創造をすると複雑な気持ちですね。
中世どころか太平洋戦争などの爪痕を見ることも少なくありませんが、それくらい近い時代になるともはや完全に他人事として見ることはできなくなります。語り部の方と同様、モノで戦争の跡を残していくのはどのような立場であれ戦争を少しでも自分事として感じるために大事なことだと思います。

このように、考古学的観点ではもちろんですが、さらに歴史の専門家でもない私たち一般の人間が自分とつながった存在として歴史を感じるには遺構や遺物といった時間を経てきたモノが不可欠です。
そしてそのモノを私たちが目にするには、当然それを発見・発掘しなければなりませんし、その上で適切に状態を維持し、保管することが必要です。せっかく発掘できても適切に保管できなければすぐに状態が悪化して観察に耐えなくなるかもしれません。
その意味で、遺構や遺物、すなわち文化財を保護する学問(文化財学)は歴史学、そして私たちの歴史観を育むために大きな貢献をしていることは間違いないでしょう。

私も博物館などで遺物を見るのは好きですし、ちょっとした遺跡・史跡を歩くのも楽しいので、そのようなものをどのように保存するのか関心がありました。
そしてそのテーマを扱っている科目が「文化財学講読」です(最初に受講するのはⅠ)。
歴史学系の学部ならでは授業と言えそうです。

指定テキストは「文化財保存科学ノート」という書籍でした。
その名のとおり、文化財の保存科学がどのようなものかという概説から始まり、後半では文化財のカテゴリーごとに具体的な保存方法が解説されています。

独学で勉強すると概説を飛ばして具体論から入りがちですが、大学のカリキュラムだけあって基礎から学ぶようになっているのはよかったです。
やはり全体像をつかんでから各論に入る方が整理しやすいと思います。

 

 

モノを扱うには人文科学だけでは足りない

文化財学は歴史学だけど「文系」ではない

私は今まで学生として経済学・経営学・法学という社会科学畑で、今回初めて人文科学を学ぶことになりましたが、先に勉強した民俗学も含め今まではいわゆる文系分野でしたので自然科学について学ぶことはほとんどありませんでした(経済学部では数学・統計学を学びましたが)。

しかし、歴史学の一分野とはいえ文化財学は実際にモノを扱う分野であり、そこではいろいろな科学技術や化学物質が使用されます。
そのため、文化財学を学ぶ上で自然科学分野の学習は避けて通ることはできません。

では、具体的にどのような内容の学習が必要なのでしょうか。

 

文化財学はどのように自然科学と関わるのか

遺物が発掘されたときにその材質を確認することになりますが、発掘された状態では脆いですし環境の変化の影響も受けやすいのでまず保全を図ります。
材質によって行う処置は異なりますが、木材の場合は水分を含んでいるのでその水分を取り除く必要があります。
しかし、木材遺物はその水分によって形質を保持しているので、ただ乾燥させて水分を除くだけだとひび割れたり収縮して変形してしまいます。そうなると遺物としての役割を果たすことができません。
そのため、発掘現場では散水するなど乾燥を防ぐ一方で保全処理としてはポリエチレングリコール等を使用して水分を置換するなどの対応が行われます。
その置換も遺物の状態によって最適なポリエチレングリコールの濃度が変わったり使用する薬剤が異なることもあるので、木材・薬剤両方の知識が必要になります。

また、保全の過程で材質の確認を行いますが、脆い遺物を分析するにはあまり触れたり破壊したりすることは望ましくなく、非破壊検査が重要になります。
非破壊検査の手法としてX線(放射線)や赤外線・紫外線が用いられますが、これらは遺物の状態や分析の内容に応じて使い分けられるため、このような物理・光学の分野からも目を背けることはできません。

文化財保存は動産である遺物だけでなく住宅等の不動産である遺構も対象となります。
遺構は主に土と石で構成されるという点では同じ材質の遺物と同様の処置がとられるべきですが、遺物と比べサイズが格段に大きいですし動かすこともできないので、遺物とは異なる対応が必要になることもあります。
例えば土でできている遺構は水に弱いですが近くに地下水が流れていることもあるのでその場合は地下水と遮断する処置がとられることがあります。
また移動させて展示をすることができる遺物と異なり遺構は基本的には動かすことができずその場での展示になりますので、自然環境と展示を両立させる工夫が求められます。
また古墳も遺構・遺跡に含まれますが、その石室を調査する際には外気に極力触れさせないなどの配慮も必要です。
この他にも遺物と同様に薬剤や樹脂を使用して遺構を補強するといった対応が行われ、やはり自然科学の知見が必要になります。

このように、材質の分析においては光学的・物理的な内容が、遺物・遺構の保全については化学的な内容が知識として求められるというように感じました。
この科目では基礎的な内容がメインでしたので、個々の薬剤や処理方法の名前を覚えることまでは必要ではなく、材質の分析・遺物の保護のために行う作業やその目的を概括的に把握できれば学習の目標に到達したと考えていいのかなと思っています。
ただ、実際に文化財保護に携わる際には薬剤についてより深く正確な知識を身に着ける必要がありますし、材質分析などに使う機械の使用方法や文化財の扱い方も学ぶことになりそうです。

ちなみに奈良大学には実際に学校に行って学ぶスクーリング科目として「文化財修復学」があり、その中で実際の文化財保護の作業を経験することができるようです。
もっとも今年は新型コロナ感染防止のためスクーリングも在宅になってしまったのですが、来年も受講できるのでその頃にはスクーリングが再開されているよう祈っています。

 

小田原市郷土文化館(と五代ちゃんTシャツ)

文化財学講読Ⅰもテキストを読んでレポートを書き、合格の場合は単位認定試験を受けて単位取得という流れです。
レポートの内容は文化財学の概要と任意のカテゴリーの文化財の保護方法について論ずるというものでしたが、文化財の保護については概ね上記のような内容を記載したところ、無事に合格していました。

レポートにも記載しましたが、文化財学は人文科学である歴史学と自然科学の融合であり、また決して自然科学頼りというわけではなく歴史学や考古学、美術史学など多様な分野の知見が求められるユニークな学問だと思います。
それ故に敷居は高く感じますが、学ぶ分には気づきも多く文化財保護のイメージもわいて面白かったです。

ついでに、文化財学を学んだあとに感じたことを書いてみたいと思います。

知識が増えると興味が広がり、アンテナの感度が増す

どのような分野でもそうですが、新しいことを知ると今まで意識しなかったものに気づいたり、自分のアンテナの感度が増す感覚が生じます。

奈良大学のカリキュラムで民俗学・文化財学と勉強してきましたが、民俗とか文化財の保護のことを知ると、今まで何度も通りかかりながら(トイレ以外に)入ることのなかった小田原城内にある小田原市郷土文化館に興味がわいてきました。

 

 


小田原城内にある小田原市郷土文化館

郷土文化館内では奈良時代から現代に至る小田原ゆかりの文化財・民俗資料が展示されていました。
大きな博物館ほどではないですが、各時代の文化財が展示されていて、これはこのように保存されているのか、などと学んだことを思い出しながら見学することができました。
学んだ内容をすぐに活かせるのは楽しいです。

また、館内には石造物調査ボランティア募集の案内のチラシがあり、これもまた興味を惹かれました。
学んだことを活かすだけでなく、歴史が好きな地元の知り合いを作るという意味でもこのような活動に参加するのは有意義な気がします。

ただ人見知りな性格に加え、今はまだ仕事と学習の両立を優先したいので考え中ですが、いつかは挑戦してみたいと思っています。

 

五代ちゃん!!

文化財学とは関係ないのですが、小田原城といえば私が好きなキャラクターに後北条氏の当主たちをモチーフにした「五代ちゃん」というのがあります(作者の方は主にTwitterで活動されているようです)。

 

 

私もTwitterでいつも和ませてもらっているのですが、今般五代ちゃんのTシャツが販売されるということですぐに購入しました。


ちなみに背後の「ねこぺん日和」も大好きです。

後北条氏好きが高じて小田原城近くに居住している身としては、五代ちゃんグッズを身に着けて小田原城を歩くのが夢でした。
ということで、これから小田原城を散歩する際には積極的に五代ちゃんTシャツを着ていこうと思います。
もし小田原城で五代ちゃんTシャツを着ている人がいたら高い確率で私だと思いますので、お声がけいただけると嬉しいです(笑)

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民俗学(1)

民俗学とは

法学の博士論文の提出も終えてひと段落、ということでようやく奈良大学通信教育部の勉強に取り掛かることができるようになりました。
通信教育ですので、どの科目から始めなければいけないということもなく、自分が始めたいと思った科目からテキストを読んで学習していくことになります(もちろん複数科目の同時並行も可)。
なじみのない科目も多く、多少なりとも土地勘がある科目から始めるか、逆に全く知らない科目から手を付けるか悩みどころですが、最初に選んだのは民俗学でした。

民俗学とは、ざっくりいうと人類の歴史における生活習慣を調査し、その変遷を明らかにしていくもので、通常の歴史学が文献・史料や遺物・遺跡を元に研究するのに対し、今も存命中の(村などの)居住者に直接話を聞いたり現地の調査をするというフィールドワークに重きが置かれる点にその特徴があると思います。
また、必ずしも歴史の教科書には現れない庶民の生活が鮮やかに描き出される点や、現在も残っている身近な風習がどのような歴史をたどって今に至るのか、ということに思いをいたすことができるのも民俗学の魅力だと思います。
一般的な歴史学だと歴史を動かした出来事や社会制度に焦点を当てることが多いと思いますが、それらは必ずしも今の我々の生活と連続性があるものでなく(テーマや見方にもよりますが)、一生活者としての自分を歴史の中に位置づけるということをより感じるのは民俗学だと思います。あくまで私見ですが。

民俗学を最初に選んだ理由は、なじみのない科目から手を付けた方が後が楽になるという考えと(食事でも好きなものは残しておくタイプ(笑))、庶民の生活というのはどのように研究し、捉えることができるのかということに親の実家(祖父母の家)が農家であった人間として興味があったというところです。

 

民俗学のカリキュラム

奈良大学通信教育部のカリキュラムは一部のスクーリング科目を除くと指定のテキストを読んでレポートを提出し、合格の評価が得られると単位認定試験を受けて単位を取得するという流れになります(随時質問は可能)。
もちろんレポートの出来が悪いと再提出になりますし、単位認定試験も合格点に達しなければ不合格です。

民俗学の指定テキストは「新版 民俗調査ハンドブック(上野和男ほか編)」。
書名のとおり民俗学において研究の主要な方法であるフィールドワークの方法について詳細な説明がなされています。

 

民俗学は主にムラにおける庶民の生活習慣を研究対象としていますが、一言で生活習慣といってもその構成要素はたくさんあります。
家族やムラにおける人間関係、住居、衣類、村落の構成、信仰、食文化、伝統芸能、人生儀礼など数え上げるとキリがなさそうです。

そして、それぞれのテーマに応じて調査の方法も異なってきます。
村落の居住者に話を聞くという点はどのテーマでも共通するようですが、ムラにおける人間関係について調査するのであればその点を突っ込んでインタビューする必要がありますし、信仰や伝統芸能を調査するのであれば、関連するモノ(信仰の対象となる物体や祭祀に使う道具など)やイベントを注意深く見ておかなければなりません。
もちろんセンシティブなテーマであれば聞き方にも細心の注意を払わなければいけませんし、祭りなどのイベントは開催する時期やロジスティクスが決まっていますので、そのあたりに配慮することも必要です。

このテキストはハンドブック、いわゆるマニュアル的な内容で民俗学の大家である柳田国男や折口信夫の研究内容など民俗学の研究成果について体系だった説明があるわけではありません。したがって、私自身まだ彼らの研究内容について全く知らないのでこれから勉強していく必要があります。

しかし、民俗学を学ぶ上で最初に知るべきは民俗学がどのようなものを研究対象として、それを具体的にどのように調査していくかということだと思います。
そのようなベースがあれば民俗学の研究成果を学んでいく中でより村落における生活習慣の実態やどのように調査がなされたのか・していくべきかということが腹落ちするのではないでしょうか。
そう考えると、いきなり柳田国男の研究成果を学ぶより民族の研究対象と方法論を学ばせるというテキスト選定はよかったと思います。実際、記載内容が具体的なので読んでいて自分で調査を行うイメージが描きやすかったです(もっとも自分のような内向的なタイプには向かない学問かもしれませんが…汗)。

 

レポート提出

テキストを読んだらレポートを書くことになります。レポートのテーマは科目ごとに指定されていて、民俗学の場合は民俗学の研究分野を一つ選んで自分が考えたことを述べるというものでした。

テキストに書いてあることだけではなく自分の考えもまとめることになるため、必然的に自分がどのように関心を持ったかを考えることになります。
レポートを書いていて改めて思ったのは、現在の生活習慣・風習は現代技術・科学に支配されているようでいて、案外過去の伝統の名残が残っているということでした。

科学技術が高度に発達した中にいて、さらにそれなりに教育を受けている人が多い時代にあって、我々は科学的・合理的に生活を組み立て行動すると考えがちだと思います。
自分自身、科学的でないことは信じない、という意識はあります。
一方で、科学的には全く合理的ではない無意味な行動をとることもあったりします。
神社仏閣にお参りをするといった信仰的なものもそうですが、抜けた乳歯を投げたりへその緒をとっておくといった風習も自分を含め多くの人が経験していると思います。
将門塚や穴守稲荷の鳥居の祟りというのも馬鹿にはできませんしね。

もちろん自宅に神棚があったり地域のお祭りが昔から続いているという例も民俗学の研究対象である民俗風習であり、その意味で民俗学は現在を研究対象としているともいえそうです(だからこそ存命の人にインタビューをするわけですし)。

そのような気付きをレポートに書いて提出したところ(もちろん上記の内容はレポートのごく一部です)、無事に合格という評価をいただき、単位認定試験の受験資格を得ることができました。

単位認定試験の試験問題は事前に公開されている問題群の中から当日指定されるのですが、その中にはこれまでの民俗学の研究成果を問うものもあり、柳田国男や折口信夫といった大家の研究については多少なりとも学習する必要がありそうで、そのうち図書館に行って書籍を読んでみようと思います。

ともあれまず一つレポートをクリアすることができて一安心です。
まだまだ科目は多いし単位認定試験もあるのですが、土地勘がなくても頑張ればクリアできるという自信をもってこれからの課題も乗り越えていきたいところです。

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奈良大学通信教育部履修登録

歴史学徒への道、最初の一歩(履修登録)

かねてよりライフワークにしたいと思っていた歴史を体系的に学ぶために今年度から奈良大学通信教育部にて歴史関連の科目を学ぶことにしたわけですが、一般的な大学と同様にどの科目を履修するかを決めて登録することから始めます。

私は三年次編入ということで大学(学部)時代に履修した科目の単位を認められたため、専門科目のみを履修すればよいことになりました(大学又は短大卒の場合などは三年次編入が可能です)。
専門科目は必修科目と選択科目に分かれるのですが、専門科目だけでも結構な単位数が求められるため、履修する科目も多くなりました。
しかも幸か不幸か必要単位数に比べると専門科目の選択肢は必ずしも多いとは言えないので、自分があまり関心を持ってこなかった分野も履修することになりました。
まあ選択肢が多くあると自分の好きな分野ばかり履修して知識の幅があまり広がらなかった可能性もありますので、それはそれでいいような気がします。

履修する科目を決めると、それを書類に記載して大学に郵送して登録が完了します。
3週間ほどすると履修する科目のテキストが送られてきて、各科目のテキストをベースに学習を進めます。

今回履修した科目のテキストはこちら。

タイトルを見るだけでも幅広い分野にわたる学習が求められることがわかります。
歴史好き、というと戦国時代・幕末といった特定の時代、あるいはその時代に活躍した人物が好きだったり城郭や神社仏閣といった建物が好きだったりと比較的特定の内容に焦点を当てた関心であることが多いように思います。
自分もそんな感じなのですが、それらは歴史の一つの要素に過ぎないのであり体系的に歴史を理解しようとするのであれば、偉人たちが動かした歴史だけでなく、庶民の風俗や文化、世界の動きとの関連なども知っておく必要があると思います。

そんなことを言うのは簡単ですが、実際には今まで読んだことのない分野のテキスト群(軍?)に圧倒されています(汗)
正直言って古代史とか民俗学とか本読んだこと一度もないです。仏像もお寺に行って見学することはあっても詳しいことを知ろうとしたことはなかったですね。
そのため、履修したはいいけど本当にテキストを読んで理解して単位をとれるのか不安もあります。大学の通信教育って卒業率が高くないという話も耳にしますしね。。。

そうは言っても始めてしまった以上、やっぱりやめます―、なんということはできないわけで、とにかくやるしかありません。
通信教育のいいところは自分の好きなタイミングで学習できるところで、時間がかかるならそれもOKなわけです。趣味でやっているので誰かに怒られるわけでもないですしね。
学費の問題はあるのでいつまでも、とはいかないのですが。

なかなか厳しそうではありますが、これらの点を結びつけることができたら面白そうだという希望をモチベーションにとりあえずテキストを読んでみようと思います。
古文書とか今までは専門家しか読めないものだと思っていましたが、少しでも読めるようになったら博物館巡りがかなり楽しめそうですよね。

 

学習の流れ

大学の通信教育というとオンラインで授業を行うというイメージがありましたが、奈良大学通信教育部の場合、スクーリング科目を除くと授業があるのではなくテキストを読んで自習するというのが基本のようです。
もちろん教員に質問をすることは可能で、完全な独学とは異なります。Z会とかに近いイメージでしょうか(昔少しだけZ会やってたのを思い出しました。長続きしませんでしたが)。

自分でテキストを読んである程度理解ができたら、あらかじめ定められているテーマでレポートを作成します。そのレポートを提出すると担当教員が添削をしてくださるそうです。結構丁寧な添削がなされるようで、真っ赤なレポートが返ってきたらどうしようかと学習する前からビクビクしてます(笑)

レポートが一定以上の評価を得ると各教科の試験を受ける資格が与えられます。試験は奈良大学のほか全国各地の大都市にある会場で受験できます。神奈川県は小田原市…ではなく横浜が受験会場です。
そのため、試験を受けるためには横浜まで行くことになりそうです(´Д`;)

まだ履修のシステムを把握しきれていないのですが、とりあえず少しずつ学習を進める中で把握していこうと思います。多くの人が履修しているのでそこまで難しいことはないはずですし、そこは大丈夫でしょう。

学習の状況についても随時ご紹介していきたいと思いますので、是非読んでやってください!

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博士学位請求論文提出!

退学後の博士論文(学位請求論文)提出について

昨年9月に大学院を単位取得退学して半年。
指導教官などからコメントをいただきながら論文の修正を続け、先日ようやく博士学位請求論文を提出してきました。
在学中の2度の論文提出に続く3度目の提出。3度目の正直ということで今度こそ博士号に手が届いてほしいものです。

ちなみに我が国の制度上博士号の取得ルートは2つあります。
一つは大学院の博士(後期)課程に在籍して論文提出・合格する課程博士、もう一つは大学に在学せず博士論文を大学に提出し、審査に合格することで付与される論文博士です。
論文博士の方が難易度が高いと聞きますが、この制度は世界的に見て独特なもののようで、今後は大学院で博士号にふさわしい教育を行ったうえで博士号を授ける課程博士に収斂されるとの見通しがよく聞かれます。
自分の場合、在学中の論文提出は課程博士扱いでしたが、退学後の論文提出は形式上論文博士として扱われているようでした。
提出書類に「論文博士」と記載されているだけでなく、在学中は自分の意志だけで論文の提出ができましたが、論文博士の場合は指導教官の承諾が必要になります。これは指導教官のお墨付きという点では提出者・審査側双方にメリットがありますが、その分提出のハードルは上がります。
ただし、本来論文博士の審査プロセスでは厳しい審査基準が適用されますが、単位取得退学の場合は博士課程のカリキュラムを経ていますので審査基準としては幾分ハードルの低い課程博士のものが適用されるようです。
ただし、自分の大学を含め多くの大学では単位取得退学後一定期間が経つと審査基準も論文博士として扱われるようです。したがって博士後期課程を単位取得退学した人が博士号を狙うのであればその期間中に合格しないと一気にハードルが上がることになります。

私が今回退学後半年で論文を提出したのも、論文のテーマが旬の間に合格したい、早くケリをつけてしまいたいということもさることながら、早く合格しないと実質的に博士号の取得が不可能になってしまうという事情があったためです。

 

3度目の論文提出

上記のように早く博士号を取得したいと思っていたため、9月に単位取得退学してからすぐに博士論文の修正にとりかかりました。

前回の博士論文審査の際に問題視されていた点については知っていましたので、その点を重点的に修正し、その上で指導教官のコメントをいただき、修正し、再度コメント、修正…という感じでした。

前回の博士論文提出時も結構頑張って修正していたのですが、改めて修正を行っていくとどんどん論文として洗練されていくのがわかります。
内容自体が大きく変わっていなくても、無駄な記述を省いたり形式的な点を修正していくだけで、より論文らしくなっていきます。
前回提出したものと比べるとずいぶんスマートな感じがします。

今回は提出の要件ということもあり、過去2回と異なり詳細に指導教官の確認を受けることになりました(これまでも指導教官にコメントはお願いしましたが、それを踏まえた修正の確認まではお願いしていませんでした)。
そのおかげでこれまで以上に自信をもって提出することができたと思います。
自分でもやり切った感じがしますし、また指導教官のお墨付きというのは心強いものです。

これで残る壁は口頭試問だけ。口頭試問は複数人と対峙するうえ緊張するので決して楽しい時間ではないですが、時間は決まっているのでその間だけは全集中で時間を忘れるくらい頑張ろうと思います。

合格したらどんなお祝いをしようか、自分にどんなご褒美をあげようかと今から楽しみですが、足元だけはすくわれないようにしたいといけないですね(笑)
というか、博士号の挑戦が終わってもすぐに奈良大学の方の歴史の勉強に追われそうです。。。

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新しい挑戦始めます ー歴史学徒になるためにー

体系的な理解をしなければ本当の理解にならない

昨年末に記事を投稿してから早3か月以上。気が付いたら新年度になっていました。
以前アメブロでブログを書いていた時はもう少し投稿できたのですが、WordPressにしてからは、ネタがないのか、気力がないのか、はたまた自由度が高くてかえってブログから遠ざかってしまったのか、投稿の頻度がかなり下がってしまいました。
一応サーバーとかドメインとか、情報発信のためということでコストをかけているので以前より記事の質も量もあげていかないといけないのですが…

という反省はさておき、ここ数年来感じていることに、「いくら点として物事を知っていても体系的に理解をしなければ本当の理解にはならない」ということがあります。
私はもう10年以上投資運用業界でコンプライアンスの仕事に携わっていますので、関連する法令、例えば金融商品取引法(金商法)や投資信託法(投信法)についてはある程度の理解はあると思っていました。
実際、自分の仕事をこなすための知識はそれなりにあると思います。

しかし、数年前に博士(後期)課程に入り投資信託に関連する法令について研究を始めてみると、いかに自分の知識が点に過ぎず、体系的な理解をしていなかったかということを感じます。
投資運用業のコンプライアンスの業務で使用する知識が関連法令の一部に過ぎないということもそうですが、それらの法令がどのような背景で制定されたのか、海外ではどのように考えられているのかということは考えたこともなかったため、どのようなルールがあるのかは知っていても、なぜ現在のルールが課されているのか、ということは理解していませんでした。

博士課程でそのようなことを体系的に研究していくと、現在のルールがどのような背景でできているのかがわかりますし、海外の同様のルールと比較することで日本のルールの課題や今後の動向を考えることもできるようになったと思います。
その博士論文は現在も執筆中で、近日中には提出する予定です。
昨年末も同じこと書いていましたが、今度こそ。。。

同じことは自分の趣味である歴史についても言えます。
歴史が好きなので関心のある書籍は折に触れ読むようにはしていますが、体系的に読むのではなく気が向いたものを読んではまた別のものを読む、といった具合ですので点としては知識が多少身についているのかもしれませんが、体系的には理解していないので点と点が結びつくことはありません。
結果として、何となく最近の研究が進んでいて昔言われていたこととは違うことがあるというのはわかりますが、具体的にどう違うのか、その結果日本の歴史の捉え方はどのように変わってくるのかということは今一つわかっていません。

しかも高校時代に世界史を履修していないこともあって、世界史の知識は壊滅的で日本のある時代に世界ではどのようになっていたのかということはまったくわかりません。
海外の主要な出来事についてたまたま学んだとしても(例えばオランダの独立戦争)、それが日本では何時代のことで日本や近隣諸国にどのような影響を及ぼしたのかというとイメージもできなかったりします。

趣味ですので好きなように楽しんでいればいいのですが、せっかくなら体系的に理解した方がより自分の世界も広まるのではないかとは常々思うところです。

 

いくつになっても学ぶのは楽しい

常々思うといえば、どのようなことでも新しいことを知るというのは楽しいものだというのもよく思います。
小さいころから電車が好きだったので、今年になって憧れの鉄道模型を始めたのですが、これがまた奥が深い。いつかはジオラマを作ってみたいと思っているのですが、ジオラマの構成だけでなく、その素材やレールの選び方などなど学ばなければいけないことがたくさんあります。そのような深い世界があったのかと、そういうことを学んだりyoutubeで鉄道模型の動画を見たりするだけでも面白いものです。

我が家の鉄道模型。今は小田原城だけですが、いずれはいいジオラマにしたいです。

もちろん鉄道模型だけでなく、ゴルフも法学も歴史も同じです。
学業にせよ仕事にせよ趣味にせよ、新しいことを知るとそれだけ自分の世界が広がったような感じがします。
新しい世界は無限にあるので、新しいことにチャレンジする気概さえあればいくつになっても学ぶ楽しみというのは味わえるのではないかと思います。

いくつかの趣味の中でも歴史は長い間好きでしたし、できればライフワークにもしたいと思っているものですので、歴史については特に学ぶ気持ちを大切にしようと思います。

ちなみに一番好きな電車の一つは貨物列車の電気機関車です。幼少時から大好きでした。

 

大学で体系的に勉強して新たな道を

歴史はライフワークにすべく大切に育てたい趣味ですが、素人が基礎的知識もなく無造作に本を読んでいても体系的に理解をすることは難しいように思います。
特に独学の場合自分の関心のあることしか触れないので、知識に偏りが生じてしまいます。例えば古文書とか読んでみたいと思っても読む技術は独学で身につけるのは難しそうですし、歴史上重要でも自分の関心の薄い分野(例えば文学など)はどうしても遠ざかってしまいます。

そのため、歴史について基礎的な知識を体系的に学ぶ必要があると感じ、今年から奈良大学通信教育部(文化財歴史学科)に入学をして学ぶことにしました(法学博士課程は単位取得退学しているため入学することができました)。
3年次編入ということで専門科目を2年間学ぶと学士号を取得できるので効率的に学ぶことができそうです。もっとも結構ハードそうなのでそれ以上かかってしまう可能性もありますが。
具体的に研究したいテーマはまだ未定ですが、多くの人が史跡に関心を持つきっかけ作りができるような学びを得たいと考えています。

法学分野の博士論文の挑戦もまだ続いているため当面は二正面作戦となりますが、うまく乗り越えて自分だけのユニークな道を切り開いていきたいと思います。
また、法学博士課程同様、奈良大学での挑戦についても随時ブログでご紹介していく予定です(いいネタになりそうです(笑))。

ということでこれからも応援よろしくお願いいたします!

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