研究の道筋を描く

「資産運用会社の忠実義務」を研究するために大学院に入って1年が経ちました。

会社の方針や上司からの指示を受けて仕事をする日常業務とは異なり、全く白紙の状態から自分で研究の方向性を考えて論文を書き上げるというのは創造的である一方、基本的には方向性から調べる資料まで全て自分で考えなければいけないので、自分の判断が正しいか不安になることも少なくありません。

といって、自分の考えだけで進めていくと、学術的な研究としてはあさっての方向に行っていて、気がついたときには取り返しがつかないことになる恐れがあります。

そのため、1月にゼミで自分の研究の方向性を発表し、教官やゼミ生の意見を聞いて大体の研究の方向性を固めました。

発表前は自分の研究の具体的な論点や論文の構成などが適切かどうか不安がありましたが、意見を聞いて必要な修正を行い方向性が固まった現在はとりあえずその方向に向かって論文の作成を行っています。

論文の作成を進めてみると、自分の考えていた仮説が実は簡単には導けなかったりしてどのように自説を補強するか悩んでいるところですが、方向性自体には問題がなさそうなので、あとは掘り下げるだけという安心感があります。

博士課程というのは、誰も手を付けていない内容について博士論文を書き上げるというプロジェクトと言えますが、そのようなプロジェクトを真っ白な状態から始めるにあたって、まずは方向性を決めることが大事ということを学ぶことができました。

論文の内容に絡むことについて学ぶのはもちろんですが、せっかくの一人プロジェクトなので、プロジェクトマネジメントの観点からも何かしら身につけていきたいところです。

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