志は志を呼ぶ

書籍の力というのは、マンガなども含めてすごいもので、読書が好きな方なら、人生を変えた、あるいは自分に大きな影響を与えた本があるのではないかと思います。

自分にとってもそのような本がいくつかあるのですが、その一つが財務省職員の池田洋一郎氏が米国ハーバード大学の公共政策大学院(ケネディスクール)への留学経験をつづった「世界を変えてみたくなる留学 ハーバードケネディスクールからのメッセージ」でした(「世界を変えてみたくなる留学」の書評)。

私がこの本を読んだのは出版間もない2009年。
留学してみたい、投資信託で世界を変えたい、などと漠然と思っていた頃ですが、この本を読んで、留学して世界のいろんな人と触れ合うことの刺激や、実際に社会的課題に触れることの大切さを知り、留学に対する思いを強くしたのを今でも覚えています。

もっとも、最近は投資信託やFintechで世の中に貢献できないか、ということは時折考えはしますが、一方日常業務に埋没しがちで、丸くなってしまったものだと思うことも少なくありません。

そんな折、たまたま知人が池田氏を招いてセミナーを開催するという連絡がありました。
その名を見た瞬間、彼の著書を読んだときの興奮が思い出されました。

これは行くしかない!と思ったのですが、間の悪いことにセミナーの時間は大学院の授業があり、残念…と思っていたら、そのあとの懇親会だけでも参加できるということでした。
これぞ神の与えてくださった巡り合わせ。行くしかありません。

セミナー・懇親会には平日の夜にも関わらず、多くの人が参加されていました。
着席の懇親会だったので直接お話しできた方は数人でしたが、半数以上が法務・コンプライアンス関係者だったのは驚きでした。
特に最初に話した二人が弁護士と企業法務の方で、このような職種は絶対数は多くないので、すごい確率だったと思います。
自分と同じような職種の方が、熱い思いを持って生きているというのは励みになりますね。

また、以前にお会いした大学の先輩にも偶然お会いしました。
留学後就職活動していた時にもお会いしたのですが、大企業の要職にあり、ご多忙の中わざわざ時間を作って業界のことをご説明いただいたのですが、何も頼るもののない無職の身には、その厚意が非常にありがたく感じたのを今も覚えています。
今は当時以上の要職にあるとのことでしたが、このように人のことを気にかけることができるからこそ出世するんだろうな、と感じました。

池田氏のお話も直接伺うことができました。
やっぱり熱いです。
英語の学習、運動が我々の体調やパフォーマンスに及ぼす影響、途上国の方に対する接し方、など、わずかな時間でしたが参考になるところ大でした。
格差論についても話があったのですが、「格差は現実としてあるのは否定できないが、格差論は所得という一面を切り取って、多面的な人の価値を捨象している」というのはなるほどと思いました。
また、グローバルカンパニー勤務の方の悩みにもさらっとアイデアを出していて、多くの体験を積まれた方はすごいと感じました。

類は友を呼ぶといいますが、集まっていた方々を見ると、志がある人には志を持った人が集まってくるということを改めて感じました。

自分はまだ何も成し遂げてないですが、志だけは失わないようにしたいものです。
(お決まりのフレーズになってきて、少々焦りを感じる今日この頃…)

カテゴリー: その他 パーマリンク