動き出すソーシャルファイナンス

早いものでゴールデンウィークも最終日。
どうして休みの日はあっという間に過ぎていくのか…
と嘆いたところで仕方ないのが現実。
早々に仕事モードに切り替えてスムーズに現実世界(?)に戻りたいところです。

GW中はブラブラしつつも、関心のあるソーシャルファイナンス分野の動向についても見ていました。
今年に入ってから、日本においてもソーシャルファイナンス分野に色々動きが出ているように見受けられ、大変刺激を受けます。
その中で、関心を持ったものについて備忘をかねてご紹介します。

Fair Finance Guide Japan

日本の金融業界最大のセクターである銀行の投融資の社会性についてはかねてより関心を持っており、その故に社会的な投融資を掲げてビジネスを行っているトリオドス銀行のあるオランダに学びにいったのですが、そのオランダのNPOが音頭をとって銀行の投融資の社会性を評価し、消費者が金融機関を選択する際の参考に供するという取り組みを行っています。

そして今年、その取り組みが日本でも始まりました(こちら)。
今は大手銀行に限られていますが、今後対象となる金融機関が拡大することが期待されます。

リンクをご覧頂くと各銀行のテーマ毎の評価が分かりますが、軒並み低いです。
公開情報による一定の基準に基づいた加点方式なので、必ずしも高いスコアが出る訳ではないとは思いますが、それにしても低いです(なお、スコアは公表前に銀行担当者にも異議のないことを確認しているそうです)。

評価基準はグローバル共通なので、国際的な比較もある程度可能だと思いますが、例えばオランダのFair Finance Guideを見ると、どの銀行もそれなりのスコアが出ており、ASNやトリオドス銀行などの社会性を前面に出している銀行だけでなく普通の大手銀行も日本の金融機関以上に社会的な要素に配慮していることが伺えます。

米国や英国の金融機関の評価についても関心がありますが、こちらは現在呼びかけているところだそうで、どのような評価が出るのか楽しみです。

また、このような動きを受けて、日本の金融機関の投融資が、また消費者の意識がどのように変わるのか、引き続き注目していきたいと思います。

ちなみにFair Finance Guide JapanはFacebookでも情報発信を行っていますので、関心があればそちらもご覧ください(こちら)。

日本初のSocial Impact Bondプロジェクト

先日、日本財団が横須賀市などと連携して日本初のSocial Impact Bondのパイロットプロジェクトを始めるというニュースを見て、ついに日本でも始まるのかと、感慨のような、(プロジェクトを担当する方に対する)羨ましさのようなものを感じました。

SIBは政府・自治体が、社会課題の改善をNPO等に託して、その事業を運営する団体がSIBを発行して投資家から資金を募り、その成果に応じて政府・自治体がお金を支払い、それが投資家のリターンにも反映されるという仕組みです。

今回のプロジェクトでは、特別養子縁組の件数が増えることによって、横須賀市の財政負担が軽減されることが期待されています。
今回はパイロットプロジェクトのため、実際に債券を発行し投資家から資金を集めているわけではないのですが、今後はこの部分が重要になってくる訳で、そのときこそ金融業界のコンプライアンスの経験も活きてくるでしょうから、その時に向けて知識や経験を蓄えておこうと思います(今のところ、証券のリテール関連業務の知識や経験がないのがネックなんですが…)。

大手生保のエンゲージメントファンドへの投資

昨年、金融庁が音頭をとって、機関投資家が投資先企業と対話をしながら企業価値を高めていくという原則、いわゆる日本版スチュワードシップコードを英国に倣って策定し、多くの機関投資家がその趣旨に賛意を示し、対応を進めてきました。
当然投資信託委託会社もその対象であり、ほとんどの投信会社が日本版スチュワードシップコードの原則に基づき、方針の策定などの対応を行っています。
実は私も当時の会社でスチュワードシップコード対応の業務を行っていました。

一方で、実際のところ投信会社の運用がスチュワードシップコードの策定によってどのように変わったのかは、運用の意思決定プロセスに関わることがあまりないのでよくわかりません。一度日本株のファンドマネージャーや他社の方に聞いてみたいところです。

それでも、スチュワードシップコードを真剣に受け止め、活用しようとしている機関投資家の事例も散見され、そのうちの一つに注目しました。

大手生命保険会社の住友生命は、エンゲージメント(対話)型運用を専門とする「みさき投資」が運用するエンゲージメントファンドに30億円の投資を決めたとのことです。
30億円という数字は住友生命の中では大きな数字ではないかもしれませんが、大手金融機関がエンゲージメントの価値を認識し、それを専門の運用会社に託すという動きは、今後のアクティブ運用や社会的責任投資のあり方に影響を及ぼすのではないかと思います。
また、エンゲージメントという新たなビジネス分野ができていくことについても興味深いです。

一時期ブームになりながらも最近は低迷が続く日本のSRI(社会的責任投資)ファンドですが、このような潮流を受けてどのように巻き返すのか。
こちらについても、今後の動向に引き続き注目していきます。

・・・と、こんなにソーシャルファイナンス分野では動きがあるのに、自分は日々の仕事や生活に追われて、なかなか絡んでいけないなー、と少々焦りがあったりします。
とはいえ、自分のことがきちんとできない人間が他のことに手を出しても仕方がないので、まずは自分の足下をがっちり固めようと自分に言い聞かせています。

それでも、時々この分野に関心のある方が色んな形で声をかけてくださるのでありがたい限りです。

今は情報を集めて咀嚼して発信することしかできませんが、「人生は地道にコツコツ」と思って頑張ります。

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