Advanced Investment

RSMではMBAだけでなく、学部・大学院を含めビジネスに関連する多くのコースが提供されています。
その中でも金融専門の修士課程、Master of Financial Management(MFM)はMBAと同じ建物で授業を受けていて学生同士も交流が多く、非常に近い関係です。欧州MBAの運動会であるMBATにも参加している学生がいます(MBATの宿で同じ部屋になったのもMFMの学生でした)。

プログラムにおいても関係が深く、選択科目においてはお互いの過程の学生が一部他方の授業を履修することが可能になっています。

MFMの学生は金融専攻だけあって金融でキャリアを積んできた人がほとんどですが、そのバックグラウンドは中央銀行、証券取引所から大手投資銀行、金融情報会社など様々です。

これからも金融と関わりながらキャリアを積む可能性が高く、MFMの学生とも一緒に授業を受けて彼らとより深く接したい、また自分の知識もより高めたいということでMFMの授業”Advanced Investment”を履修してみました。

Advanced Investmentということで、投資について色んなスキームなどを学ぶのかと思いきや、完全に投資理論およびテクニカルな投資のテーマでした。
ブラック・ショールズ理論、有効フロンティアなど、証券アナリスト資格の中で聞いた言葉やHigh Frequency TradingやTracking Errorなど、証券投資の実務で出てくるようなテーマが中心でした。

MFMの学生はこのような分野を中心に勉強していて実務経験も豊富なため、これらのテーマについても十分に理解していますが、自分は過去に資格試験で勉強したのみで、証券投資実務経験もないため、なかなかついていくのが大変でした。
そのことは十分に予想できたため、自己紹介の時にも「昔は勉強したことがあるけれど、今は全部忘れました(笑)」と白状しておきました。

この授業もチームが設定され、授業は講義のパートとチームでのプレゼンの二部構成です。毎回与えられたケースについて10分程度のプレゼンを行います。
チームのメンバーは投資業界出身のコロンビア人と金融情報会社出身のインド人でした。
2人とも知識・経験とも豊富で頼りになりました。特にコロンビア人の方は計算、モデリングなど何でもできて、しかも性格もよく力強い存在でした。

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授業の様子。”Too big to fail”についてのビデオ。

授業は全部で5回。毎回異なるテーマを学習します。
そして内容が専門的にとにかく難しい!それでもこちらも日本の金融機関で働いていた自負(?)がありますのでできるだけ発言はするようにしましたが、もともと証券理論は得意ではなかったので、理論について発言することは全然できませんでした。

 

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「菓子とケースとMBA」。クラスメイトから差し入れです。

最後の授業では、あらかじめ与えられていたケースについて、レポートを作成した上でチームで30分程度のプレゼンを行います。
私のチームの与えられていたケースは、「一定の条件下であるインデックスファンドのTracking Errorを1%以下に抑えつつ、リターンの最大化を図るために投資モデルを作成する」というものでした。

ある取引方法を活用することでそれが可能になるというヒントをもらっていたのですが、それすら理解が難しく、ましてモデルを考えるなど想像もできませんでした。

しかし、そこで助けてくれたのがやはりチームメイト。
簡単な役割を割り振ってくれた上、モデルについては全面的に作成を引き受けてくれました。

残念ながらそもそもの理論・取引方法自体が難しかったので、自分のパートがうまくできたとは言えませんが、チームメイトのサポートのおかげもあって、無事に乗り切ることができました。

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ケースのプレゼン。専門的な内容を話すのは大変です。

もともと証券理論自体には関心が薄く、内容が難解であったこともあって知識面でこの授業から得られたことは残念ながら必ずしも多くはなかったと思います。

一方、MFMの学生は経験豊富なこともありますが非常に優秀で、そのことを知ったこと自体が収穫だったと思います。留学生活を通じて感じ続けていることではありますが、先進国・途上国問わず優秀な人材がいることを改めて感じました。
特に金融業界(特にマーケット分野)は他業界に比べると比較的言語の壁が低いと思うので、このような人材を日本がもっと活用して、日本の金融業界、ひいては日本経済を活性化できないものか、とはいつも思います。

また、自分が金融市場に近い業務には関心・適性の面から向いていないことを再認識しました。自分はもっと実際の資金の受け手とその事業に近いところ、すなわち法人営業や商品企画、アナリスト、あるいは企業の財務部門などの業務に携わりたいということが明確になるなど自分のキャリアを考える点でも示唆するところが大きかったです(それらの部門でも証券理論は使うかもしれませんが)。

そういう意味では、自分や日本の将来のあり方に考える機会があったのでそれはそれで有意義な授業でした。
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