タフながらも非常に楽しかったAdvanced Strategyのクラスも無事に終わり、ついに夏休みがやってきました。
約1ヶ月の夏休みの間に、両親・義父母と一緒にオランダ・フランス・イタリアを回る予定です。
また、卒業を4か月後に控え、そろそろ就職活動の準備を本格的に始めようかと思っています。
もともとソーシャルファイナンスに関心があって留学しているのですが、最近はSocial Impact Bondという仕組みに興味を持っています。
Social Impact Bondとは、簡単に言えばある社会課題について解決するような取り組みに投資し、その課題が緩和されれば、そのパフォーマンスに応じて政府や自治体などから報酬が与えられ、債券のリターンとなるという仕組みです。
例えば、政府が失業者の数を減らしたいと考えた時に、一定の基準を超えたらパフォーマンスに応じて報酬を出すことにします。
それに対して、具体的な取り組みを行う企業や非営利団体はお金を集めるために、パフォーマンスに応じてリターンが異なるSocial Impact Bondを発行し、資金を調達します。
そして実際に発行団体がその活動を通して求められる水準以上の効果を生むことができたら、それに応じて政府が報酬をその団体に出し、その団体は必要経費などを差し引いて債券のリターンとします。
一方、一定水準未満の効果の場合は報酬額も減らされるため、リターンについても低下することになります。
このような債券を発行、投資することによって、社会的な取り組みと経済の理屈が融合し、より適当な能力や知識のある団体が社会的な課題の解決を進めていく推進力になる一方、投資家にとっても新たな投資機会になるのではないかと期待しています。
そんなことを考えながら、ちょうど授業も終わったので色んなニュースを見ていると、面白い記事に出会いました。
それは、大手投資銀行Goldman SachsがSocial Impact Bondに投資をするというもの。
黒人・ラテン系の青少年犯罪者の再犯率を刑務所での教育・トレーニングを通じて改善するというプログラムで、10%低下させると$9.6M (=7.7億円)の償還があり、それ以上の場合はさらにリターンがある一方、10%未満だと逆に損失が出ることになっています。
Goldman Sachsがこのような分野に投資するということは、このプログラムからリターンが見込めるということと同時に、今後こういう分野の業務も手がけるのだろうか、とも考えてみたりしました。
もしGoldman Sachsのような会社がこの分野の金融商品開発に乗り出せば、社会課題解決に取り組む非営利団体の資金調達のあり方も変わってくるでしょうし、それに伴い社会課題に取り組む際の官民+金融の役割にも変化があるでしょう。
この動きを契機によりSocial Impact Bond、ひいてはソーシャルファイナンスにより注目が集まり、新しい資金の流れが確立してほしいと思います。
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