人生最大の晴れ舞台とも言える結婚式。
言うまでもなく結婚式はその国・地域の宗教・文化等の影響を受け、それぞれ異なる特徴を持つものです。
そして、プロテスタントで、また質実剛健で知られるオランダにも特徴のある結婚式のスタイルがあります。
是非とも、その人生最大の晴れ舞台が日本とオランダでどう違うのかを知りたいと思っていましたが、当然そんなに都合よく結婚式を迎えるオランダ人に出会える訳がありません。
・・・が、幸運なことに、一度だけお会いした英語の先生が今般ご結婚されるということで、親切にも結婚式に招待してくださいました。
なんと言う幸運!もちろん二つ返事で出席しました。
オランダでは市役所で結婚式を行うことが一般的です。
市役所といっても、こちらの市役所は日本の市役所の様な近代的な建物ではなく、歴史的な雰囲気の建物があるものが多いため、結婚式をしても違和感がない気がします。
市役所での結婚式は簡単なもので、それとは別に行われる教会での結婚式が本格的なものになります。
ということで、まずは市役所へ。
ロッテルダム市役所の前にて。お客さんたちが開場を待っています。
市役所の前で待っていると、普通に新郎新婦がお客さんに挨拶しています。
服装もウェディングドレスではなく普通のドレス。
我々も結婚式前に挨拶することができました。
そして結婚式。ちゃんと神父さんもいらっしゃいました。
市役所での結婚式ですので、神の名の下に、ではなく法の下に結婚を誓ったようです(聴き取りが正しければ)。
証人(家族)も結婚証明書にサインしていました。
という感じで式はおしまい。20分ほどでした。
その翌日はロッテルダム市内の教会で結婚式。
今度は日本の結婚式同様の本格的なものです。
当然この時点では新郎新婦には会えません。
顔見知りの人と少し歓談して教会の中へ。
そしてしばらく待つと、まずは新郎が中へ。
そして新婦を待ちます。
そして、ついに新婦の登場。
きれいなウェディングドレスに身を包み、お父様に付き添われて入場です。
そして、新婦は新郎のもとへ。
その後は夫婦の誓いをするとともに、友人一同歌を歌って夫婦の明るい未来をお祝いしました。
また、新婦のお母様が、夫婦のためにオー・ヘンリーの「賢者の贈り物(The gift of the Magi)」のお話をされていました。
賢者の贈り物とは、貧しい夫婦がクリスマスにそれぞれ相手のほしがるものをあげようと、妻は自分の髪を切って懐中時計の鎖を買い、夫は妻に櫛を買うために懐中時計を売ってしまう、という一見残念な行き違いに見えて、結局はそれが最も賢明な行いだったのだ、というお話です。
話すお母様も涙、 聴く新婦も涙、見ている方もウルッとくる一幕でした。
そして結婚式が無事に終わり、その後はちょっとしたパーティです。
日本の様な豪華な披露宴ではなく歓談を楽しむのがメインで、軽食とワインなどが用意されていました。
たまたま席が同じだった新婦の友人と話していると、どうやら新婦と一緒に日本語を学んでいたことがあったそうです。嬉しい限りですね。
お腹がすいていたので、食べ物もばっちり楽しみます。
ビスケットやケーキをぱくついていました。
会場には日本人の方も結構いらっしゃいました。
そのうち、某日本企業の駐在員の方とお話しすることができました。
言葉の壁はやはり大変そうですが、結構オランダ生活は楽しまれているようです。
残業も日本よりは少ないと仰っていました。
オランダは日本より日が長いので、残業の少なさと相まって充実したプライベート生活を楽しむことができそうです。
これは日本と比べてオランダの強いアドバンテージだと思います。
しばらく歓談して、会もお開きに。
ダラダラするのではなく、短い時間で濃密な時間を過ごして終わらせるのもオランダ流かもしれません。パーティの時間は1時間程度だったと思いますが、ちょうど良い感じだったと思います。
久々に会う友人の場合は名残惜しいかもしれませんが、そういう人はきっと二次会や別の機会があるのでしょう。
以上、あるオランダの結婚式の風景でした。
日本での結婚式の様子と似ているところもありますが、市役所での結婚式やお母様のお話、日本の披露宴と比べて簡素なパーティなど、日本の結婚式と違うところもたくさんあって新鮮でした。
新郎新婦ともにすごく素敵な方だったので、ずっと幸せでいてほしいと心から願います。
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まさに質素倹約、だね。
たしか司馬遼太郎さんが『街道を行く オランダ散歩』の中で
オランダの結婚式のことを書いてたんじゃなかったかな。
NHKの番組で見た記憶がある。
どっかの市役所でレンブラント?の絵の前で式挙げてたと思うけど、
独立戦争以降のものらしいね。
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>えんじゅさん
本当に質素ですね。
それでも十分なんですよね。
こちらの市役所はどこの物もすごく古く、恐らくインテリアや所有する絵画なども相当歴史がある物なのではないかと思います。