なくてはならない会社

グローバル化が進行する一方、過疎化の進行などの影響で世界から多くの言語が減少中ということがよく言われます。

同様に、グローバル化や不況の影響で、多くの企業が舞台を去っています。

いうまでもなく、政府組織とは異なり、民間企業は自らの財務を自分で支えられなければ、市場から去ることを余儀なくされますが、民間企業の中にも社会や文化を支え、経済的な側面以外の面からもその価値を認識すべきものがあります。

そして、そのような会社が不況の波に飲み込まれてなくなってしまうと、その企業が消滅したということ以上に社会や文化に対する打撃は大きいものと想像されます。

そのような企業を救うための事業の一つに企業再生というものがあります。

文字通り、倒産の危機に陥った企業に対し、事業改善策のほか、法的な措置などを通じて事業の継続、あるいは売却、それでもダメな場合はできる限り痛手を避ける清算という形がとられるようです。

特に不況の際には中小企業にしわ寄せがくるといわれますが、当然ながら企業再生の需要も多くなります。

そして、そのような会社の中には日本にとってなくてはならない会社、経営者の人格が高潔であるがため、是が非でも助けてあげたい会社というものがあります。

企業再生のプロが著した「日本が潰してはいけない会社」という本では、そのような企業を特に法的な点および資金調達のスキームの面で支えたケースが紹介されています。

企業分割、EBO、海外での上場などなど。自分のしたいと思っていた仕事の一面を見ることができてよかったです。ただ、相当の修羅場があるので、精神的に強くないと乗り越えられなさそうですが。

一方で気になったのが金融機関の態度。

バブル期には熱心に経営者の気を引いて高額の貸し付けをする一方、不況になると必死に貸しはがし。

もちろん、借り入れる側が最終的に判断しているわけで、借り入れ側の責任も重大ですが、金融機関の無計画な貸付戦略が後の不良債権問題につながっていることも事実だと思います。

また、貸しはがしをするのも理解ができないわけではないですが、どうして顧客の相談に乗り、一緒に再生計画を練らないのか。そのノウハウを銀行内で蓄積できれば相当の強みになると思うのですが。

ともあれ、企業の経営について一緒に考えるということ、金融機関のあるべき姿ということについて考え、改めて自分のキャリア志向について確認させてくれた好著でした。

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