コミュニケーションを取るにも、商談を進めるにも、あるいは組織に入るための試験(会社の採用、MBA入学など)にせよ、質問というのは重要な位置を占めます。
時には話の潤滑油として、時には説得の材料として、そしてもちろん自分の視点の鋭さを示しつつ必要な情報を獲得する手段として。
しかし、僕は質問というのが非常に苦手です。
まず、「何がわからないのか、何を知るべきか」を明確化することがなかなかできません。
そして、それを知るためにどのような質問をするべきか、についてもやはり難しい。
しかし、仕事をうまく進めるためにも、MBA受験で学校を選択したり学校側に高く評価される質問をしたりするためにも、何を、どのように聞くべきか、ということは身に付けておきたい能力です。
そこで、質問をする能力を高めるために「仕事ができる人の質問力」というを読んでみました。
本書では質問のテクニックよりもむしろ質問の意義や思考回路のあり方そのものについて触れられていました。
すなわち、自分への質問について多くのヒントがありました。
思索を深めるということはすなわち自分に対して質問を繰り返していくことであり、適切な考え方や質問をすることで、よりよい答えに出会うことができると。
本書では上司など他人の考えを慮ることにも触れられていて、これがうまくできたら仕事も出世もしやすいだろうと思います。これもぜひ身に付けたい能力です。
また、多くのビジネスのエピソードが載せらせていて、これだけでも読み物として面白いと思います。
カレーの「CoCo壱番屋」では顧客のアンケートは全て会長が読んでいて、掃除が行き届いていないという意見があると、会長が実際に掃除しに行ったそうです。(P189)
他にも面白い話が多くあります。
ちなみに、筆者は質問力のポイントを以下の通り挙げています。(P141)
・質問力によって、本質をつかむ
・質問力によって、事実と推定との違いを峻別する
・質問力によって、主語と目的語を明らかにする
・質問力によって、視点、論点を変える
・比喩を効果的に活用して、質問力の中身をきちんと理解させる
また、質問力を磨くためのコツとして、
・論理的に考える
・分析的に考える
・多角的に考える
・肯定的、建設的に考える
・否定的に考える
・懐疑的に考える
ことを挙げています。(P96)
今週は世界中のMBAの事務局が来日して受験生と会うイベントがあるので、そのための良い質問をこれらのコツを活かして考えていきたいと思います。
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