引退

最近、巨頭の相次ぐ引退が報じられました。

まず、ソフトバンク・王監督。

言わずとしれた、「世界の王」。

本塁打868本の大記録、ONで築いた巨人の栄光は不滅です。

選手としてだけでなく、監督としても巨人・ソフトバンクで大活躍。

2年前にはガンに侵されながら、それを乗り越え復帰。

カムバック賞ものです。

プロ野球の大物なら、オリックス・清原選手。

PL高校のKK時代から、500本塁打・2000本安打。

タイトルには恵まれず、「無冠の帝王」と言われていますが、通算死球歴代最多というのは、偉大な勲章だと思います。

本人は最後にもう1本ホームランを打ちたいと思っているそうですが、ファンに大きな声援で見送られ、引退セレモニーは大物友人も駆けつけて盛り上げてくれるということなので、十分幸せな引退ではないでしょうか。

さらに、小泉元首相。

自民党をぶっ壊す」の掛け声のもと、郵政民営化や不良債権処理などを成し遂げ、経済成長への道筋をつけました。

郵政民営化(をはじめとする彼の改革路線)のもとに圧勝した衆議院の圧倒的多数の議席を、彼の路線と必ずしも一致しない後継者が濫用するという負の遺産も図らずも作られてしまいましたが。

永年表彰も辞退し、政治家の中ではかなり清廉に生きた政治家としての考え方には共感できるものが多いです。

ただ、ときどき説明責任を十分に果たさず強引にものごとを進めてしまうところ(イラク派兵等)だけはう~ん、と思いましたが。

それでも、近年においては十二分に政治家としての務めを果たした人物だと思います。

昨今の政治家で、Statesman(信念を持った、本当の意味での政治家)と呼べるのは彼と共産党の面々くらいかもしれません(個人的には民主党の岡田元党首も好感を持っているのですが)。

ほかの政治家はたいてい、Politician(党利党略、利権の獲得に励む政治屋)に思えます。

言っていることもコロコロ変わるし。

ちなみに、「小泉=格差社会」という安易なレッテルが貼られがちですが、これについては、彼のどの政策がどのくらい格差を拡大させたのか、また全体のパイの増減という政策効果も考慮して考える必要があると思います。

何の考えもなく、「小泉=規制緩和=格差拡大=日本をダメにした政治家」などと言っていると生産性もないし。

例えば、格差社会とグローバル化の中での競争激化・国際分業(外部環境)との関係とか、銀行の財務の健全性と貸出審査の厳格化とか、単純に議論できないものは多いと思います。

無論、小泉政権の政策がすべてよかったとも言えないとは思いますが。

大物と言えば、経済・歴史作家の小島直記氏も死去。

時間がたつというのは、時に寂しいものです。

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