大和証券グループのIR調査機関である大和インベスター・リレーションズ(大和IR)が、日本国内のアナリスト・機関投資家のSRIに対する意識の調査結果を公表しました(大和IRの調査結果はこちら )。
全体的にSRIに関する認知度は向上しているようですが、セルサイド・アナリスト、バイサイド・アナリスト、ファドマネージャーでは考え方や関心に違いがみられるようです。
※セルサイド・アナリスト:証券会社などに所属し、株式や債券を販売するために、企業分析を行い販売用資料としてレポートを作る人。世にいう売れっ子アナリストは、セルサイド・アナリストであることが多い。花形といわれるのもこちら。
※バイサイド・アナリスト:資産運用会社・保険会社などに所属し、どの株式や債券に投資するかを判断するために企業分析を行う人。
こうしたプロが注目する観点としては、ガバナンスや環境などが主で、雇用などは割合がやや低めです。
雇用の問題が社会的な問題となっていますが、企業の利益に直結する以上、彼らとしてもあまり踏み込めないのかもしれません。
注目するインデックスでは、モーニングスター社のMS-SRIがトップ。
欧州系SRI調査会社のエティベルのインデックスは低めでした。ちょっと意外です。
疑問点としては、どのようにCSRを数値化、インデックス化していくのか、企業評価・ファンド業績に結び付くのかということが挙げられています。
これらはSRIに関する古くて新しい課題ですね。
ともあれ、さまざまな社会問題が噴出する中、SRIに関する理解が進んでいることは心強いです。