金融機関のCSR

NGO団体 A SEED JAPANが、みずほ・三井住友・三菱東京UFJの三金融機関にCSRに対する取り組みに関するアンケートを行い、その結果が発表されていました。

該当ページはこちらです。

回答結果をみると、環境優遇型融資制度や環境事業へのプロジェクトファイナンスによる参加などはそれぞれ進んでいるようですね。

社会的事業への融資についても各行行っているようですが、これについては、社会的事業への優遇を指しているのか、単に形式的要件として外さないということなのかはわかりません。

また、何をもって社会的事業とするのかの定義もおそらくさまざまで(社会的付加価値を生むというだけなら、利益をあげている企業はすべて社会的事業と定義することも可能)、また社会的事業というだけで融資基準を下げてしまうのが良いかどうかについても議論があるところでしょう。良いことをしていても、返済できないのは株主や預金者に説明が難しいですから。

クラスター爆弾関連企業への融資については各行口を閉ざしています。

確かにこれは難しい・・・

爆弾だけを作っている会社とは限らないですしね。

広報的観点から言っても答えられないでしょうね。たとえ自社が融資していなかったとしても、他社に迷惑をかけてしまうかもしれないし、今後の融資案件への制限となる可能性もあるし。

ただ、SRIの起こりが軍事産業への投資の排除であったことを考えると、何らかの説明や契約上の制限みたいなもの(兵器製造には使わない、とか。経済的な視点から効果は薄いかもしれませんが)はあってもいいかもしれません。

ネガティブ事業への融資についても質問がありますが、金融機関が事業体・あるいは個人の一種の生殺与奪の権を握っていることを考えると、ネガティブ事業の定義についても相当議論する必要があるでしょう。反社会勢力という程度の定義なら可能かもしれませんが。

金融庁も、特定産業への融資の抑制などの指導は行っていないとの説明に力を入れています。

一通り目を通してみると、結構面白いアンケートでした。

今度は保険会社・証券会社版のアンケートにも期待したいところです。

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