Internship in Social Finance Institution

気がつけばもう8月も終わり、秋がやってきました。
もっともオランダはずっと涼しく、特に朝方は寒いと言っても過言ではないので、夏本番があったという感じはあまりありませんでしたが。

そして秋がくるということは留学生活も終盤に差し掛かっていることを意味します。
8月末からは最終学期の授業も始まっていて、少しずつプログラムが終わりに近づいていることを実感せずにはいられません。

そして考えるのは、これまでに自分の望むものを得られたかということ。
これまでに色んな友人ができたり、多少なりともクラスの中で積極的に動いたりと頑張ってきたことはありますし、ある程度は満足していますが、まだまだだなと思うことも多いです。

なにより気になっているのは、思ったよりソーシャルファイナンス関連の経験が積めていないこと。
あまりソーシャルファイナンス関係者とのネットワークを作ったわけでもなければ、そのような授業を受けたわけでもなく。
接触は試みたのですが、想像以上に切り込むのが難しいです。

特に最近Social Impact Bond (SIB)に関心を持ったこと、就職活動の時期が迫っていることがあり、何とかソーシャルファイナンス、とりわけSIBに関する経験を積めないかと考え調べていたところ、日本でもSIBに関連する事業を行っている企業があり、運良くインターンシップを募集しているとのことで、コンタクトをとってみることにしました。

ちなみに当校のプログラムは1年制プログラムのため、インターンシップをしないことを前提に設計されていて、夏休みも1か月とインターンシップはかなり難しいです。
実際、学校のキャリアセンターの方に相談した時も、「インターンは最低3か月はとらないと慣れてきたところで期間終了となり、企業も本人も得るところが少ないので、短い期間のインターンを探すのは難しい」ということでした。
一部の例外を除くと、インターンをするのは12月の授業終了後になります。
当校の卒業式は3月ですので、それまでは学生の身分でインターンシップに従事することができます。

このような事情のため、また授業もあるので、実際に日本に帰ってオフィスで決まった時間に作業をするのは難しいということもあり、オンラインで一定のタスクをこなす形にできないかと相談ベースでインターンの受け入れをお願いしてみたところ、あっさり了承していただきました。

ということで、めでたくインターンシップ決定!
当面授業や就職活動と平行しながら与えられた役割を担っていくことになります。

担当するお仕事は主に二つ。
(1)ソーシャルファイナンスに関する説明資料作成
(2)Social Impact Bondの設計

(1)についてはもともと書き物が好きだということ、ソーシャルファイナンスに関する情報の整理をしておきたかったということもあり、渡りに船の案件です。
ちなみに色んな人に話を聞いたり、ものを書いたりすることが好きということでずっと証券アナリストになりたいと思っていたりもします。なかなか狭き門なので現在のところ実現していませんが、次のキャリアで実現したら…なんて期待も。

(2)については、もともと投資信託の会社にいて金融商品の企画に関心があり、この分野での経験を積んでおきたかったこと、特にSIBについては日本ではまだ前例がなく非常にユニークな経験となりうることから、非常に楽しみな内容です。

留学終盤にかかりこのような機会を得られたことは非常に幸運でした。
この機会を活かしソーシャルファイナンスに関する理解をいっそう深めると共に、できればこの経験を活かして次のキャリアにつなげていきたいと思います。
そして、願わくば次のキャリアがソーシャルファイナンスに関連するものであれば、とも思います。

まずは期待に応えられるように、目の前の課題から一つずつ進めていきます!

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免税手続きで気づいたこと

学生の特権ということで、8月はほとんど夏休み期間(と言っても、すでに4学期の授業は始まっていますが)。

そこで、8月は日本から来る母などと欧州旅行を満喫していました。
まず母と一緒にアムステルダム、パリを観光し、パリからミラノに移って、さらにイタリア周遊、ナポリ、カプリ島へ。
3週間の非常に長い旅でした。

母は買い物好きなので、パリではアウトレットモールやルイ・ヴィトンの本店などでの買い物に付き合ったりしていました。

散々買い物をしたので、免税手続きをするとそれなりの額が戻ってきそうだということで、今回初めてシャルル・ド・ゴール空港にて免税手続きをしてみることにしました。

免税手続きは初めてだし時間もかかりそうということで余裕を持って早めに並んでいたのですが、周りの人を眺めていると色んなことに気づきました。

・並んでいる人の多くが中国人
今やどこでもそうだと思いますが、免税手続きで並んでいる人の多くが中国人(中国語話者なので台湾人もいると思います)でした。
しかも購入しているブランドものの量が非常に多い!
身につけているものもブランドものばかり。
改めて中国経済の勢いを感じさせられました。
同時にこれは中国国内の格差をも表しているのだと思いますが。

・話せない親世代、流暢な子世代
免税手続きの風景を見ていて目立つのが、親が英語やフランス語を話せないので子ども(青年ですが)を呼んで代わりに話してもらう様子。
親はチンプンカンプンな顔をしていますが、その子どもは非常に流暢に話します。英語だけでなく、フランス語まで駆使している人もいました。
その青年世代の人たちは外国人と話すのも慣れているようで、留学経験などもあるようでした。
恐らく、彼らの親たちが積極的に子どもに教育に関する投資をしたり、海外経験を与えていたのだと思います。
経済のグローバル化に注目が集まっていますが、彼ら(特に中国人)の考え方や能力、活躍の場もどんどんグローバル化していくのだと思います。

・某BRICSの人の払い戻し通貨
某BRICSの国の人が払い戻しを受けていたのですが、その人の受け取った通貨はその国の通貨ではなく米ドルでした。
もちろんこれから米国に旅行に行くのかもしれませんが、恐らくその国のインフレが激しいので、通貨価値が比較的安定していて、国際的に最も通用している米ドルを受け取ったのだと思います。
ブラジルでも給与を受け取ったらすぐに米ドルに換金すると聞いたことがあります。
こういうのを間近で見ると、ああなるほど、と感じます。

短い時間ではありましたが、色んなことに気づいた有意義な時間になりました。
免税手続きというのはその国の購買力をよく表していると思うので、世界経済の状況をリアルに認識しているのは、案外免税手続きを担当している方々だったりするのではないか、と思ったりもしました。

それにしても、アジア近隣諸国の次世代は本当に侮れません。
それだけによき競争者であると共に、よき協力者として付き合っていきたいと思いました。

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シンガポール就職についての情報収集

いよいよ夏休み。
大学までなら何も考えることなく楽しんだのでしょうが、私費MBAにとっては夏休みとは就職活動の時期でもあったりします。

特に長期間のプログラムの学校では夏休み中にインターンシップをするなどして就職活動本番に備えるのが一般的のようです。
一方当校は1年間という限られた時間で夏休みも短めのため、インターンシップをするのはなかなか難しいようです(インターンシップは基本的に3か月程度)。

また、来年1月から就労予定であることを考えると、その3か月ほど前くらいから就職活動を始めるのが一般的ということで、いくつか応募してみた先でもそのような理由で見送りになったケースがありました。

そのため、今は具体的にどのような業種や職種、就労地域が自分にとって望ましいのかを考えたり情報収集をしたりしています。

次の就労地域については基本的に東京を考えているのですが、Advanced Strategyのクラスで「母国及びオランダ以外で卒業後に働きたい地域は?」と聞かれ、シンガポールと答えた上でその理由をつらつら述べたこと(アジアの成長センター、金融センター)、知人がシンガポールにいるということもあり、シンガポール就職についても考えてみることにしました。

それにあたって、ちょうどタイ人の友人がシンガポールでの就職情報を集めていたこともあって、一緒にシンガポール出身のクラスメイトに話を聞いてみました。
併せて、シンガポールに詳しい日本人の方からも話を聞きました。

以下、聞いた内容をご紹介しますので、シンガポールに関心のある方は是非参考にしていただければと思います。

1. 求人の探し方
シンガポール求人サイト
monster jobstreet jobsdb
 一番のオススメはmonsterのようです。日系求人ならJACも。

2. 就労要件等
学位より職歴重視
・大企業ならMBA及び修士号)は有効かも
就労のためには英語は必須だが中国語等は必要ではない
・ビザは恐らくP2。家族との同居も可能(義父母は不可)
・FinanceならMBA卒業生のためのTraining Programで入るのもあり。

3. シンガポールの産業等
・シンガポールはfinance, healthcare, IT, tourism, trading が強い
・シンガポールの銀行としては
DBS OCBC UOBが有名
・給与はシンガポールの銀行も外資系銀行も同じよう感じ。
シンガポールの給与水準はアジアの中では高いけど日本より低め
サステナビリティについては、シンガポールはあまり興味なし。そもそも工場などが少なく、環境汚染などもほとんどない。

4. 応募の進め方
・応募資料は欧米企業と同様(カバーレター、CV)
・応募は9月,10月が一般的(就労開始の3か月前が目安
・ポジションのRequirementに完全に当てはまらなくても応募自体は可能。
・面接の形式をどうするかはケースバイケース(Skypeでの対応もあり)

・給与交渉は最後の段階で

5. 労働環境
通勤電車乗車時間は最大でも
45分程度、通勤電車も快適
9-18時勤務が一般的
労働法についても適用は厳格で、政府機関(
Ministry of Manpower)に訴えることもできる(残業代もしっかり払われる)。シンガポールの会社、外資系企業関係なく。
税金・社会保障負担はトータルで15%程度
・健康保険は会社が費用を持つ。会社の追加的な福利厚生パッケージも。

6. 生活について
基本的に賃貸は家具付き
ジムなどスポーツのコストも安い
・共働きが一般的、でも金融機関なら片方働きでもOKそう
Japanese Association あり
・水道水も飲める
・自然災害なし
・公共の場では多くの場所で無料でWi-Fiがつながる
< /span>・ホームレスはほとんどいない
・全体的に安全。家賃が安価な地域でも問題なし
・シンガポールは清潔でゴキブリはほとんどいない。ただヤモリはよく見かける
・シンガポールは淡水化処理施設もあるので水不足にはめったにならない

以上、教えてもらったシンガポール関連情報をご紹介しました。
Advanced Strategyの授業でもシンガポールの建国以来の国家戦略のケースを扱ったのですが、政治家の明確な戦略のもとASEANはおろかアジアの成長センター、金融センターとして成長を続けている非常に活気のある国であり、特に金融業界でのキャリアを考えている身としては非常に魅力を感じています。

一方、夏が苦手なので常夏というところが難点なのですが、非常にきれいで夏の大敵に出食わすこともあまりなさそうということで、その点非常にありがたいですし、日本も見習うところがあるだろうと思います(まずは自分の家?)。

実際のところどのように就職活動を進めていくのか未定ですが、せっかくの選択肢なのでじっくり検討してみたいと思います。

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Advanced Strategyの授業で学んだこと

先週末でAdvanced Strategyの授業が終わり、ついに夏休みです。
夏休みの間は何も考えずに気楽に過ごすー、といきたいところですが、この授業では試験がない代わりに夏休み中に二つエッセイが課されています。

そのうちの一つが「自分がこの授業で学んだことを3つ書く」というもの。
月曜日が期限なのですが今しがた書き終えたので、授業の紹介を兼ねて簡単にご紹介したいと思います。

1.ビジネスとその環境の関係
ビジネスはそのビジネスが行われる地域のバックグラウンド(地理・人口分布・歴史・政治など)や環境などに深く関係しているので、ビジネスの理屈だけでビジネスを見るのではなく、ビジネスを取り巻く多様な要素の中でビジネスを考える必要がある。
特に国際的なビジネスを行うときは新しいバックグラウンドの中に飛び込むため、このような視点はなおさら重要になる。

2.戦略を考えるためのフローと要素
戦略を考えるについては、準備ー問題意識ー意思ー実行、あるいはビジョンー価値観ー戦略、という流れがあるが、その流れの中ではメンタリティを含めた多様な要素が戦略に影響を与えている。
メンタリティのようなソフトな要素も戦略を分析する際の重要なポイントとなる。
また、問題意識がずれていると戦略にも致命的な影響を与えるので、問題設定に際しては幅広い視野を持って検討する必要がある。

3.“Coup d’ oeil”
“Coup d’ oeil”とはフランス語で大局観、概観のこと(stroke of eye)。
フランス皇帝ナポレオンの戦略眼を表すものだが、これはビジネスにも当てはまる。
戦略を考える際に、ついゴールと現在地およびそれを結ぶ線ばかりに注意を注ぎがちだが、一方でビジネス(に限らないが)は多様な要素が絡んでいるため、広い視野を持って考えなければ思いもよらない事態に遭遇することになる。
逆に大局観から新しい選択肢を得ることもあるため、そのような観点からも常に大局観を持って考えることが重要。

非常に簡単ではありますが、この授業では概ねこのようなことを学びました(もちろん人によって学んだ点は異なると思います)。

当たり前と言えば当たり前ですが、その一方で、例えば企業分析をする際にはつい財務諸表と商品・サービスだけ見て、その背後にあるものをおざなりにしてしまうことはよくあると思います。
それゆえに、改めてこういう視点を学んだことは今後自分がビジネスを進めていく上で非常に有意義だったと思います。

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Goldman SachsがSocial Impact Bondに投資

タフながらも非常に楽しかったAdvanced Strategyのクラスも無事に終わり、ついに夏休みがやってきました。
約1ヶ月の夏休みの間に、両親・義父母と一緒にオランダ・フランス・イタリアを回る予定です。

また、卒業を4か月後に控え、そろそろ就職活動の準備を本格的に始めようかと思っています。
もともとソーシャルファイナンスに関心があって留学しているのですが、最近はSocial Impact Bondという仕組みに興味を持っています。

Social Impact Bondとは、簡単に言えばある社会課題について解決するような取り組みに投資し、その課題が緩和されれば、そのパフォーマンスに応じて政府や自治体などから報酬が与えられ、債券のリターンとなるという仕組みです。

例えば、政府が失業者の数を減らしたいと考えた時に、一定の基準を超えたらパフォーマンスに応じて報酬を出すことにします。
それに対して、具体的な取り組みを行う企業や非営利団体はお金を集めるために、パフォーマンスに応じてリターンが異なるSocial Impact Bondを発行し、資金を調達します。
そして実際に発行団体がその活動を通して求められる水準以上の効果を生むことができたら、それに応じて政府が報酬をその団体に出し、その団体は必要経費などを差し引いて債券のリターンとします。
一方、一定水準未満の効果の場合は報酬額も減らされるため、リターンについても低下することになります。

このような債券を発行、投資することによって、社会的な取り組みと経済の理屈が融合し、より適当な能力や知識のある団体が社会的な課題の解決を進めていく推進力になる一方、投資家にとっても新たな投資機会になるのではないかと期待しています。

そんなことを考えながら、ちょうど授業も終わったので色んなニュースを見ていると、面白い記事に出会いました。

それは、大手投資銀行Goldman SachsがSocial Impact Bondに投資をするというもの。
黒人・ラテン系の青少年犯罪者の再犯率を刑務所での教育・トレーニングを通じて改善するというプログラムで、10%低下させると$9.6M (=7.7億円)の償還があり、それ以上の場合はさらにリターンがある一方、10%未満だと逆に損失が出ることになっています。

Goldman Sachsがこのような分野に投資するということは、このプログラムからリターンが見込めるということと同時に、今後こういう分野の業務も手がけるのだろうか、とも考えてみたりしました。

もしGoldman Sachsのような会社がこの分野の金融商品開発に乗り出せば、社会課題解決に取り組む非営利団体の資金調達のあり方も変わってくるでしょうし、それに伴い社会課題に取り組む際の官民+金融の役割にも変化があるでしょう。

この動きを契機によりSocial Impact Bond、ひいてはソーシャルファイナンスにより注目が集まり、新しい資金の流れが確立してほしいと思います。

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Advanced Strategy Presentation

7月中旬から始まった3学期メインのAdvanced Strategyのクラスは後半に入り、後半はチームごとに割り当てられた国と企業について、それぞれの歴史や社会、地理、人口分布、政治とビジネスをリンクさせながら分析するプレゼンテーションを行います。

我々のチームのお題は「サブサハラ地域とMTN」でした。
MTNというのは南アフリカ発祥の携帯電話会社で、アフリカにおけるリーディングカンパニーの一つです。
そのMTNがいかにしてサブサハラ地域でビジネスを拡大できたのか、ということについて、南アフリカ・ナイジェリア・ウガンダの各地域の歴史や地域の事情と絡めて分析を行います。

具体的には各国のデータを集めた上で、南アフリカでは携帯は十分普及し、一方VodacomというVodafone系の強い競合会社があるので、むしろ人口が多い一方携帯普及率が50%程度で、著しい経済成長を続けているナイジェリアに進出したのが功を奏しているという流れの分析でした。

分析についてはアフリカ大陸・3つの国・MTNのパートに分割し、自分はMTNのパートを担当しました。
会社の歴史、データ、SWOT分析はもちろん、携帯電話事業の前提となる規制の状況などについても調べました。
ちなみにMTNは1994年設立でこれはネルソン・マンデラ大統領の就任の年でもあります。
その少し前の1991年に南アフリカでは電話事業の民営化・自由化が実施されており、MTNの参入もこの自由化が背景となっています。

そして調べた内容をプレゼン資料に落とし込んでいくのですが、それが意外に厄介で、「何をどのようにロジカルに訴えるか」ということを考えながらプレゼンを作らなければいけないのですが、つい漫然とした構成にしてなかなかappealingではないものになったりして、プレゼンを通して人に訴えかけることの難しさを改めて感じました。
結局チームメイトの力を借りて形を整えることになり、少々忸怩たる思いが残ることになってしまいました。

しかも最後の方は期限が迫る中の作業となりかなり厳しいものでしたが、なんとか滑り込みで完成させることができました。

そしてプレゼン資料を提出した翌日にはプレゼン本番です。
全体のプレゼン時間は45分、そのうち会社概要の説明として7分間を担当することになりました。

早速自宅でも練習していたのですが、Facebookで「今練習中ー」とつぶやいたら多くのクラスメイトから励ましの言葉をもらい、背中を押される思いでした。

そして本番。
各地域の説明の後に出番が回ってきました。

2
MTNの会社概要についてプレゼン

クラスメイトたちからは、とにかくしっかり大きい声で話すようにとのアドバイスをもらっていたので、とにかくそのことに注意して話すようにしました。

前日に寝床の中でもとにかく練習していたこともあって、頭が真っ白になることもなく無事に話し終えることができました。

プレゼンが終わるとQ&Aで教授やクラスメイトから質問が飛んできます。
本当はここでテキパキ動かなければいけないのですが、どうも頭の回転が悪く、なかなか貢献することができませんでした。
遅ればせながら一つ回答案を作ったのはいいのですが、議論の流れの中ついに発言する機会はなく、質疑応答では一人だけ発言することなく終わってしまいました。
考えてみれば事前に予想できる質問だったので準備しておくべきだったのですが、準備不足だったと言わざるを得ず、またも悔しい思いをしてしまいました。
本当にプレゼンも質疑応答も大変です。

とはいえ、何とか終わったのでほっと一息。
あとはクラスメイトのプレゼンを聞くだけです。

我々の翌日には「韓国とサムスン」、「日本とソニー」のプレゼンがありました。

それぞれ非常に素晴らしいプレゼンでしたが、特に「日本とソニー」のプレゼンでは、日本の歴史だけでなく、日本人の性格・気質にまで踏み込んだ分析で、ききながら改めて日本人の気質を再発見したような気持ちになりました。

もちろんソニーという会社についての分析も見事で、ソニーの成功と失敗、そして今後とるべき戦略についてよく描かれていました。

そして、最後には「ありがとう」と日本語でプレゼンを締めくくってくれました。

ありがとう
Thank youの代わりに「ありがとう」。

チームには日本人はおろかアジア人もいないにもかかわらず、ソニーのことや日本・日本人のことについて詳細に触れられていて、自分自身知らなかったようなこともあり非常に興味深いものでした。

このテーマは基本的に日本の過去の栄光と現在の失敗(直前のプレゼンテーマである韓国との比較でなおさら…)、という流れではあるのですが、その中でも日本の魅力についてはいろいろ話が出て、日本はまだその魅力を保っていることが確認できました。

そんな話を聞きながら、今後日本の社会や組織が外国人に対する許容力を向上させたなら、是非彼らにも日本で働いてみてほしいと思ったりもしました。

気がつけば3学期ももう終わりで、あと4か月でこの素晴らしいクラスメイトとの時間も終わることになります。
このAdvanced Strategyのクラスを通じてビジネス特にの関係性を学んだことで、より多くのクラスメイトのバックグラウンドについても知りたいと思うようになりました。

ということで、これからでも少しでも多くの人と何とか関係を築いていけたらと思う一方、より多くの人に日本の色んなことを伝えていきたいところです。

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