西洋史概論(3)_レポート返却

西洋史概論レポートの結果

西洋史に全く土地勘のない私が苦労して作成し、昨年末に提出した西洋史概論のレポートが1か月ほどして返却されました。

西洋史に触れるのはほぼ初めてで、政治体系にしても習俗や宗教なども、そもそも地理的感覚もほとんどない中でテキストや参考文献を読んで、大丈夫かなと心配しながら提出したレポートでした。西洋史(後期ローマ帝国)の理解だけでなく、レポートの構成や論理の展開も適切か自信はありませんでした。

そんなレポートの結果はこちら。

かろうじて合格はいただきましたが、これまでのレポートの中で最も厳しい評価となりました。ご覧のとおりコメントがたくさん書かれていますが、足りない点をいろいろご指摘いただいています。
講評については冒頭以外はぼかしていますが、着眼点はよかったもののレポートの内容はわかりにくい、とのことでした。やはり論述の展開の仕方に問題があったようです。確かに重複した内容もありましたし、スムーズに読み進められるような感じではなかったかもしれません。苦手な分野だと論述自体のクオリティが下がってしまうというのは何度も経験があるのですが(汗)、これから卒論に臨む身として反省すべき点だと思います。

 

レポートの内容と講評

ちなみにレポートは古代ギリシャ・ローマについて与えられたいくつかのテーマの中から一つ選んで論述するというものでした。

私はそのうち、後期ローマ帝国体制について、具体的には軍人皇帝時代以降のローマ帝国(西ローマ帝国)における統治体制について論じました。具体的な内容は下記の記事に書いた通りです。

統治体制といってもいろんな論点がありますが、そのうち政治・行政の表層部分として皇帝の出自と元老院議員の位置づけの変化に重点を置いて論じました。
その点については着眼点がよいという評価を得たのですが、やはり統治体制というのは皇帝・元老院、あるいは行政組織のみで完結するものではないので、その穴埋めをしていた存在についても言及する必要がありました。

実際のところ、元老院議員の役割が後退する一方で行政機関が肥大化する中で住民サービスはどのように変化していったのかという統治の根本的なポイントについてはあまり考慮していませんでした。
現代社会でも住民サービスの変化の潮流は政権とは別の次元で「も」考えられるべき(少子高齢化の流れやNPOの展開云々)だと思いますが、それは古代ローマも同じで現場レベルでは何が変わっていたのかを考える必要があったと思います。

私が文献を読む限りでは特段そのあたりの言及がなかったので意識していなかったのですが、いただいたコメントによると教会が施与行為に代わる貧民救済や地方自治の代替を担っていたようで、住民の視点から見るとこういう面の方が統治体制の変化としては重要であったかもしれません。
改めてテキストを読むと確かにキリスト教の台頭の一面として慈善事業の普及なども述べられていて自分でも線を引いていたのですが、教会=宗教という意識が強く、統治体制と関連付けることができていませんでした。

もっとも、我が国においても宗教と統治体制は無関係ではなく、江戸時代には統治体制の中に寺院を組み入れ、宗門人別改帳が戸籍の役割を果たすなど、統治体制を論ずるにあたって宗教は考慮すべき重要な要素といえると思います。
厳しいコメントではありましたが、自分の足りない点をはっきりと指摘いただいたのはありがたいです。

ちなみにコメントの最後には誤字(元首制→元首政、帝制→帝政)が指摘されていました。重要なポイントだと思っていたので気をつけていたつもりなのに大間違い、お恥ずかしい。

 

試験に向けて

とにもかくにもレポートは合格だったので次は単位修得試験です。
試験では古代ギリシャ・古代ローマ全般が範囲となるため、レポートで扱った後期ローマ帝国だけでなく、テキストで学んだ範囲を広くカバーしておかなくてはなりません。

正直、古代ギリシャのあたりはいまだに地理関係や国家間の関係の認識が曖昧なので、この辺は注意しておかないといけないと思います。
あとキリスト教の勃興と発展についてもテキストを一読しただけなので、前述の内容も含め改めて勉強しておいた方がよさそうです。

恐らくこれが今年度最期の試験になるので、しっかり単位を取って終わり良ければ総て良し、といきたいものです。

カテゴリー: 奈良大学通信教育部 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です