オリエンテーションも終わり、ついにプログラム本番。
PLD(Personal Leadership Development)という、リーダーシップやネットワークについて学ぶコースが1週間あり、その後本格的なビジネス関連の講義に入りました。
PLDで学んだのは、多様なコミュニケーションのコンセプト、ネットワークについての考え方、自己分析など。自己分析については、専門的なツールを使って、多くの質問の回答結果から自分の傾向について割り出してもらえます。
ちなみに自分の性格はこちら(回答者全体の中で、下からどの程度の位置かを示しています。数字が大きいほど、該当する特徴を持っていることになります)。
(1)考え方
・Analytical:37%
・Structual:29%
・Social:57%
・Cenceptual:65%
あまり頭は使わず、感性勝負という感じですね。
言われてみると結構当たっている気がします。
(2)行動
・Expressiveness:29%
・Assertiveness:10%
・Flexibility:16%
全体的に行動力に力強さ・しなやかさが見られません。大人しいタイプです。
これも当たっています。遠慮しがちで、自己主張を強い自信を持って行うことも少なく、柔軟に考えようと思っていても、つい思い込みにとらわれてしまう。
この数字が大きければ大きいほど良いか、というと必ずしもそうではないかもしれませんが、もう少しそれぞれ高い数値が出るような人間になった方がビジネスリーダーによりふさわしいような気がします。
(3)自分の中での傾向
Conceptual:35%
Social:30%
Structual:15%
Analytical:20%
上の二つが右脳、下の二つが左脳の働きということで、自分は右脳人間のようです。
自分では左脳人間だと思っていたのですが、意外な結果になりました。
また、PLDでは二つの課題がありました。
一つは自分の人生の中で、コミュニケーションに失敗してコンフリクトを生んだ事例をレポートとして提出し、チームでコミュニケーションのコンセプトに照らして分析するというもの。
あるチームメイトの事例を分析したのですが、一読するとよくあるケースだな、という印象だったのですが、詳細に分析してみると多様な要素が含まれていることがわかり、大変勉強になりました。
もう一つは、チームのルール(Team Charter)を作り上げるというもの。
チームの目的に始まり、チームメンバーの特徴、各人の役割、その他ルールについて詳細にまとめていきました。チームを作り上げるプロセスについて考えることができました。チームを立ち上げるという状況に関与したのは初めてでしたので非常に新鮮な経験です。
この二つはチームのミーティングを重ねて作り上げたのですが、6人のメンバーのうち、自分以外は英語ができますので結構速いスピードで議論していきます。
自分だけ英語ができないのでなかなか議論についていけないのですが、それを理解しているチームメイトたちはときどき「ちゃんと理解できている?」と声をかけてくれます。
これは気遣いであると同時に、きちんと議論に参加することを求めている証でもあり、なかなか気が抜けません。
また、わからないときは質問していいから、とも言われており、最近では分からないときは「この点についてはどういうことか」「この点についてはこういう理解でよいか」ということをできるだけ確認するようにしています。
話の腰を折ってばかりで申し訳ないな、と思いつつも、自分だけ理解していないとその分足を引っ張りかねないし、チームに貢献できないことにもなるので、ここは厚意に甘えておこうと思います。
チームにはまだあまり貢献できていませんが、チームメイトとは仲良くやっています。
先日、ミーティングの後にドイツ人・シンガポール人のチームメイトと近くのバーに行きました。
せっかくの機会ということで、各国の見どころや歴史観、社会保障の話についていろいろ話しました。
歴史観というとつい深刻な話になりがちですが、いつの時代になっても反省すべきは反省し、困難はあっても各国と良好な関係を築いていかなければいけない、という話になりました。
社会保障についてはドイツも日本と同じような懸念があるらしく、一部個人積立に移行しているという話でした。この点シンガポールは進んでおり、シンガポールからのチームメイトがいろいろ教えてくれました。
渡航前に恩師からシンガポールの社会保障制度について非常に参考になると聞いて関心を持っていたのですが、このように身近なところからそういう情報を聞くことができて非常にありがたいです。
「ORVAL(オルヴァル)」というベルギービール。麦の香りが香ばしいです。隣には珍客。
PLDが終わると、ついにビジネス関連の授業。
1学期の授業の項目は、次の通りです。
「Quantitative Platform for Business」
いわゆる統計です。統計は証券アナリスト資格の勉強などで触れたことがあるのですが、しばらく時間が経っていることや英語で学習することもあって結構苦戦しています。
ただ、これまでの統計の勉強は理論を学ぶことが中心だったのですが、この授業ではエクセルを使っていろんな分析をすることを求めており、より実践的で面白いです。
「Human Resource Management 」
人の能力をどのように活かすか、といういわゆる人的資源の活用について。
ケーススタディを通じて、成功要因・失敗要因について考えます。
講師の英語がわかりやすくてありがたいです。
面白いので、授業が終わった後に質問にいったりしています。
「Management Science」
経営と科学。制度構築や意思決定にどのように科学的思考を取り込むか、という内容です。
面白いのですが、統計学の匂いがプンプン。油断できません。
授業中にあった興味深い出来事を一つ。
リスクについて考える場面で、発生確率とインパクトの二つの要素で分析していたのですが、先生が「発生確
率は低いが、インパクトは甚大である事象には何があるか」という問いに対して、即座に多くのクラスメイト達が「Tsunami」と回答していました。
偶然なのかもしれませんが、クラスメイト達は東日本大震災に関心を持ってくれているのかな、と密かに感謝しました(もちろん東南アジアなどでも甚大な津波の被害に遭っているので、東日本大震災だけが念頭にあったとは思いませんが)。
「Financial Statement Analysis」
財務分析。バランスシートや損益計算書、キャッシュフローの各項目の意味などについての解説。残念ながら講師の話はあまり理解していませんが、クラスに笑い声が絶えず、良い雰囲気です。クラスメイトからの評判も上々。それだけに授業についていけていないのが悔しいです。
「Organizational Behavior」
組織行動論?ケースを読んで、その会社の特徴や行動について考えます。
大変勉強になるのですが、個人的には論点が広がりすぎて今一つポイントがつかめなかった感があります。
単に授業についていけていないだけかもしれません。
でも、評判の良い先生で、授業自体は面白く、これからの内容を楽しみにしています。
「Managerial Accounting」
管理会計。まだ授業が始まっていないので何とも言えませんが、会計は苦手なので、しっかりついていきたいと思います。
「Business Society Management」
ビジネスと社会の関係について。こちらも授業が始まっていないので何とも言えませんが、非常に関心のある内容で今から楽しみです。また、チームの中で自分がこの科目について中心にフォローすることになっていますので、しっかり学習して自分の成長につなげるだけでなく、チームにも貢献していきたいところです。
ビジネス科目について学び始め、ついにMBAらしい忙しさと学習を体験することになりましたが、まずはおいて行かれないように、クラスメイトの助力も得ながら必死に食らいついていこうと思います。
さあ、勉強しよう・・・
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