MBA留学生にとって、もっとも関心のある事項の一つが就職活動であると思われます。
特に自分のような私費留学生にとっては、ある意味で授業内容などよりも関心があると言っても過言ではありません。
当然のことながら、企業側もそれを知っていて、MBAの人たちが渡航する前に説明会などを開いてくれたりします。
・・・が、ほとんどの学校は9月から授業開始、渡航は8月頃になり、したがって企業の説明会や就職関連イベントは7月ごろまでに大方終わってしまうようです。
そのため、7月に入学が決まった僕はほとんどそのような機会に縁がありませんでした。
そんな中、この日曜日にMBA関連の就職活動イベントがあると聞きつけ、渡りに船と参加することにしました。
10数社がブースを構えていましたが、そのうち3社に話を聞いてきました。
こういうイベントに参加するときは、基本的に人が少ないブースに行くことにしています。
人が多い企業は企業側とじっくり話すことができないため、結局自分で情報収集したのと変わらない、ということになるケースが多々ありますが、人が少ない場合、じっくり話を聞くことができるし、なにより担当者の方も喜んで話をしてくれると思いますので、人が少ないブースを狙っています。
で、最初に話を聞きに行ったのが、「カート・サーモン」社。失礼ながら、「どのような会社か存じないのですが、お話を伺えますか」と言って話を聞きました。
カート・サーモンは、消費財やリテール分野に特化したコンサルティング会社で、赤坂にオフィスを構えています。取引先も多岐にわたり、特にアパレル分野が強いようで、有名ブランドや有名企業が目白押しです。
また、戦略からオペレーションまでカバーする機能は多岐にわたり、業界こそ特化していますが、多様な業務を経験できそうです。
業界での知名度や評判、また働きやすさの評価については高いとのことで、コンサル業界やアパレル分野に関心のある人にはおすすめできそうな会社だと感じました。
・シティグループ
二つ目にお邪魔したのはシティグループのブース。意外にも人が全然いませんでした。
ポストMBAでは基本的に金融業界を考えているため、シティグループのお話をじっくり聞くことができるのは幸いでした。
日本で活動しているシティグループは3社、商業銀行・証券・カード会社があります。
このうち、最もハードルが高いのが証券(IB)で、IB業界におけるサマーインターンが必須とのこと。
まあ、投資銀行はMBAの憧れであり、花形事業でもあるので当然と言えば当然なのかもしれません。
自分が関心があったのはむしろ商業銀行(シティバンク銀行)で、商銀は個人・法人で別個の採用をしているそうです。
シティについては為替業務が中心で、商業銀行業務をほとんどしていないという話を聞いたことがあったので、その疑問をぶつけてみたところ、基本的にはフルラインで事業をおこなっているとのこと。
また、シティバンクは主要国に「ジャパンデスク」という担当者を常駐させ、その国に進出した日本企業のための情報収集(法令・税制・市場動向など)やコンサルティングを行うそうです。この点もシティバンクの強みとして説明されていました。
なお、採用は基本的にボストンキャリアフォーラムで行うそうです。
待遇や社風などについては聞きませんでしたが、結構興味が出てきました。
商銀は投資銀行に比べるとMBA生の人気は高くなさそうですので、どこか外資系商銀が拾ってくれることを願いたいと思います。
ブースのあたりをブラブラしていると、イベントスタッフの人に「三菱ふそうがいい感じだから話を聞いてみれば」と言われてお話を伺うことにしました。
三菱ふそうはダイムラー資本がほとんどで実質的にはドイツの会社であり、上層部もドイツ人であり、上層部との会議などのコミュニケーションは全て英語であるとのこと。
話を聞いたのはファイナンス関連の業務だったのですが、ファイナンスとはいえ、資本調達だけでなく資材調達の際の資金の流れについても逐一絡むなど、製品との接点も意外に多い仕事だと感じました。
また、国をまたぐ取引が多いだけに、税制が複雑で、それだけ税制に対する深い知識が求められるため、そのような分野での専門家になれるとおっしゃっていました。
また、資材調達に関する制約が少なく、開発の際のオプションが大きいのも特色だそうです。
ドイツ資本参加のため、ドイツでの研修もあるとのこと。
・・・ということで3社の話を聞いてきました。どの会社も面白そうで、話を聞いてよかったと思います。
ユニリーバやジョンソン&ジョンソン、日本GEなどの会社も来ていてそれぞれ人気だったのですが、一番人気を集めていたのは、やはりgoogleでした。
少しだけgoogleのブースでのプレゼンを覗いたのですが、やはりエキセントリックで、これに惹かれる人が多いのは分かるなあ、という感じでした。
最初の就職活動イベントとしては実りのある有意義な時間でした。
今後も情報収集を進め、自分のキャリアゴールにより近い選択肢を求めていきたいと思います。
もっとも、ジョブズ氏によると、将来結ばれる「点と点」はそのときはわからない、という話でしたが。