ビデオの公表を巡り議論が続いていた尖閣諸島の巡視船・中国漁船衝突事件ですが、その議論の最中にyoutubeにて映像が公になっていました。
政府はまだ国民への公表を決定していないようですので、これが真正のものであるとするなら、この映像のデータを保有する誰かが流出させたか、ハッカー(あるいは誰かが物理的に)が盗んでいったか、ということになるのでしょうか。
データ流出については多くの民間企業で必死に取り組んでおり、金融業界でも、大手証券会社の個人情報流出事件などを契機に各社積極的に取り組んでいるようです。
政府でも同様に取り組んでいることと思いますが、今般の警察関連資料の流出など、情報セキュリティ上の事件が発生しています。
特に政府の資料というのは時事的に関心が集まったり、大きな利害関係が絡むことも多いでしょうから、その分だけ情報管理は厳しくしなければいけないのだと思いますが、故意の流出に対しては対応が難しいようです。
このあたり、大手証券会社に対して証券会社に行政処分を課した金融庁はどう考えているのでしょう?
ちなみに、金融庁が課した業務改善命令は、下記の情報セキュリテイ強化策が含まれています(例示)。
・部門間の牽制機能の確保
・外部委託先を含めた各種手続の運用実態の検証と、その実効性の確保
・不正行為を可能とする一連の権限等の特定職員への集中状況の検証と、当該権限等の分断又は幅広い権限等を有する職員への管理・牽制の強化
・不正行為の隠蔽の防止
とはいえ、政府を責めるというより、情報セキュリティの難しさを改めて感じた一件でした。
ちなみに、衝突時の映像を何度か見てみましたが、どうやら中国船の方がぶつかってきたように見えます。
海保職員の声だけでは証拠になりえないかもしれませんが、海面の様子で中国船の針路が急に変わって巡視船の方に向かってきたことが伺えます。
意図せぬタイミングでビデオが公開されてしまった今後の政府の動向に注目したいと思います。