引き続き証券アナリスト試験の勉強をしています。
主催の証券アナリスト協会から送られてくるテキストは基本的に読まないのですが、補講テキストだけは目を通す価値があるという話を聞きますので読んでみました。
確かに主要な論点がコンパクトにまとめられていて、頭の整理には役立ちそうです。
あと1週間弱、この補講テキストの力も借りつつ合格に向けて邁進します。
株式評価・企業価値評価モデル
①配当割引モデル:配当と自己資本コストから株式価値を算出
株式価値=D(配当)÷r(自己資本コスト)
配当が一定の成長率の場合
株式価値=D÷(r-g) gは成長率
なお、増資をしない場合に達成できる成長率(サステナブル成長率)は、
サステナブル成長率=ROE×(1-配当性向)
②割引キャッシュ・フローモデル:フリー・キャッシュ・フロー(FCF)と加重平均自己資本コスト(WACC)から企業価値を算出。
FCFが毎期一定の場合
企業価値=FCF÷WACC
FCF=営業利益×(1-税率)+減価償却費-設備投資額-運転資本増加額
※設備投資額、運転資本増加額は投下資本の計算上は含まれる。
ex)2期目の投下資本=1期目の投下資本-1期目の減価償却費+1期目設備投資+1期目運転資本増加額
WACC=負債/(負債+株式価値)×利子率×(1-税率)+株式価値/(負債+株式価値)×自己資本コスト
③PVGO(成長機会の現在価値)モデル:利益水準と自己資本コストから株式価値を算出
株式価値=利益/自己資本コスト+利益÷自己資本コスト×(1-配当性向)×(ROE-自己資本コスト)/(自己資本コスト-成長率)
前半部分が成長機会がない場合の企業価値、後半が成長機会の現在価値で合計する、という趣旨だと思います。
投資プロジェクトの評価
NPV(正味現在価値):投資額とプロジェクトのキャッシュフローの現在価値を比較し、投資の是非を決定
NPV = -投資額+CF1/(1+r)+CF2/(1+r)2+・・・+CFx/(1+r)x
r=要求収益率、割引率
NPV > 0 のとき、投資すべきと考えられる。
なお、NPV=0となるrをIRR(内部収益率)という。
→IRR > r のとき、投資すべきと考えられる。
EVA(経済的付加価値):税引後営業利益と投下資本を比較し、投資のパフォーマンスを評価
EVA=税引後営業利益(NOPAT)-投下資本×WACC
投下資本=短期借入金+固定負債+株主資本
また、2期目の投下資本=1期目の投下資本-1期目の減価償却費+1期目設備投資+1期目運転資本増加額
のように算出することもある。