コンプライアンス残酷物語?

昨日の読売新聞の1面に、某精密機器メーカーが、内部告発した社員を不当に扱い、その社員が弁護士会に救済を求めているという記事がありました。

社員が上司のコンプライアンス上の問題を社内の通報窓口に通報したところ、こともあろうに窓口の責任者がその上司と人事部に連絡してしまったのだとか。

その後、その社員は当該上司がいる部署に異動となり、閑職を命じられ、通報前は平均以上だった評価も最低にされているとか。

しかも、責任者が謝罪しているメールが証拠としてありながら、広報は「異動は本人の適性を考えているし、上司に連絡することも同意があった」としているそうです。

コンプライアンスの問題は、平時は軽視されがちですが、一度大きく取り上げられると、会社の評判が下がるほか、さまざまな損害が会社にもたらされることになります。

しかも、こういう問題が発生すると、会社の自浄機能が著しく阻害されるのみでなく、優秀な人材が確保できないなどの悪影響も考えられます。

会社を守るのは広報の重要な役割ですが、それは本当のことをいうことによって達成されるべきであり、見苦しい言い訳をしては、かえって会社の立場が悪くなると考えるべきだと思います。

新聞報道によってしかこの紛争はわかりませんが、もし広報の主張が事実に基づかないものであれば、主張を撤回した上で真実と今後の対応を公表すべきだと思います。

ちょうど自分の会社でも内部通報制度のあり方を検討していたので、いい勉強になりました。

ちなみに、前の会社でも似たような案件があって、見苦しいなと思ったことはありました。

ある意味どの会社でも似たようなものなのかも知れません。

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