本日、メルマガを発行しましたので、ブログにも載せておきます。
ぜひ読んでみてください(。-人-。)
【あなたを一回り大きくする歴史人物のお話】
32.Yes,we can.
2008年11月、アメリカに大きな変化がありました。ご存じ、アメリカ初のアフリカ大統領の誕生、すなわちバラク・オバマ大統領の大統領選挙当選です。そして、2009年1月、第44代米国大統領に就任しました。
このことは、長い間人種問題と闘ってきたアメリカが、また一つその壁を乗り越えたといえると思います。
彼が選挙を通じて訴えてきたメッセージの一つに「Yes,we can!(そう、我々にはできる)」があります。
アメリカには数多くの課題があるが、国民はそれを乗り越えることができるのだと。
彼の力強い演説もあり、金融危機で自信を失いかけた米国民はオバマ大統領に圧倒的な支持をよせます。
彼が本当に、米国そして世界を「Yes,we can」にできるのか大いに期待したいところです。
ということで、今回は「Yes,we can」に関係ありそうなお話を集めてみました。
・なせば成る なさねば成らぬ 何事も
江戸時代中期、上杉謙信以来の名門・米沢藩は重度の財政危機に陥っていました。
というのも、関ヶ原の戦いの時を皮切りに幾度も減封されているのに家臣の数が減らないため、収入に比べてコストが非常に高かったからです。
また、それゆえに藩士の行いも悪く、住民からの信頼も乏しい状態でした。
そのような藩政を改革し、米沢藩中興の祖と呼ばれ、今でも広い人気を誇っているのが上杉鷹山公です。
彼は藩主になると、財政に明るい人物を登用するとともに、藩士・住民の自助・互助の精神を高め、産業振興に努め(商業用の農産物の生産に渋る藩士を動員したり、自ら農業を行ったりしたそうです)、学問を学ぶ場を広く提供しました。
その結果藩政は立ち直り、大飢饉が起きた際にも米沢藩には餓死者が一人も出なかったそうです。
その鷹山公が遺訓として残したのが「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」です。
やればできる。ならなければ何もできない。できないのはしないからである。
なお、鷹山公の名声は海外にも届き、ケネディ大統領が「日本人で尊敬する人は?」と聞かれたときに「上杉鷹山」と答えたとのエピソードもあります。
・われわれが恐れるのは恐怖そのものだ
米国大統領フランクリン・ルーズベルトは、世界大恐慌から米国経済を脱出させるための「ニューディール政策」や対日戦争開始時の大統領ということで知られていますが、彼が大統領就任時に演説で言ったのが「われわれが恐れる唯一のものは恐怖そのものだ」という言葉です。恐怖そのものが怖いだけで、対応を誤らなければ大恐慌から脱出し、人々を就業させることができる、と。
その言葉通り、彼はニューディール政策によって数多くの公共事業を行い、社会保障法を制定するなど、安心できる生活の再建に貢献しました。
ちなみに、ルーズベルト大統領は身体障害があることも知られており、車いすに乗るような体で重大な局面においてその責務を担ったこと自体も「yes,we can」を体現しているように思えます。
彼は現在でも米国民に人気のある大統領の一人です。