戦略眼

今の会社に入って4ヶ月目になり、会社にも慣れてきて戦力にもなってきたかと思った頃、会社のある重要プロジェクトに参画することになりました。

そのプロジェクトはコンプライアンス部門がメインとなって進めるプロジェクトで、私もその一員として奮闘しました。
以前の会社よりも規模が小さいため、この年齢・経験年数でも責任のある仕事を任され、意気に感じて奮闘しました。

その甲斐あって、プロジェクト自体は順調に進んでいたのですが、ある人に不意に「で、君はこのプロジェクトでどんなバリューを出したの?」と聞かれ、戸惑ってしまいました。
時間があれば考えて回答することができたのでしょうが、いきなり聞かれて答えられなかったのは不覚でした。

なぜ答えられなかったのだろうと考えてみると、目の前の仕事に全力投球する一方、プロジェクト全体の趨勢を見ていなかったことに気づきました。
プロジェクト自体の成功を考えるのであれば、自分の仕事だけでなく全体を見ながら動く必要があるのですが、自分の仕事に没頭するあまり視野が狭くなっていました。

自分の仕事を高いレベルで遂行するのも大事ですが、上のポジションを目指すためには広い視野・戦略眼を持って仕事をしなければならないことを身をもって感じたプロジェクトでした。

ともあれ、若い頃から幅広くかつ責任のある仕事ができ、学びの機会が多いという点で、規模の小さい会社に入ったのは大正解だと感じる今日のこの頃です。

カテゴリー: お仕事 | コメントする

ダイバーシティ

現在の職場で働き始めて3ヶ月。
仕事にも慣れてきて、それなりに貢献できてきているように思います。

仕事は以前と同じコンプライアンスが中心ですが、せっかく幅広い分野に付いて学んできたので、それを活かした仕事の仕方ができればいいなと思っています。

さて、3ヶ月働いてみて色んなことを感じていますが、その中でも特に印象が強いのが「ダイバーシティ(多様性)」。
外資系ならではなのかもしれませんが、全ての従業員が転職経験があり、多くの職場を経験しています。
しかも、資産運用業界だけでなく、証券業界や銀行業界、保険業界など他の業態の経験が豊富な人も多いです。

元々運用会社という業種は一般の業界に比べ転職経験のある人が多いと思いますが、外資系ということもあるのかその傾向がかなり強いように感じます。

私が所属しているコンプライアンスの部署の上司・同僚も他業界での経験が豊富で、日頃色んなテーマに付いて議論する中で、他業態との比較が容易にできるので、大変参考になりますし、資産運用業界の常識にとらわれない視野で物事を考えることもできています。
社内には同業他社での経験が豊富な人が多いので、そういう人から他社動向を聞くのも大変貴重な機会です。

また、運用業界は金融他業態との関係も密であるだけに各業態の考え方や常識みたいなものについても考えを巡らせる必要がありますが、やはり隣接業界の経験がある人の話を聞いているとより有意義な議論ができますし、自分にとっても勉強になります。

こういうことを考えると、多様性というのは会社にとっても大きな強みになりうるものなんだと思います。

多くの日本の会社・会社員にとっては転職は一般的ではなく、就職した会社一筋で通している人たちの集団であることが普通だと思います。
無論、企業への忠誠心ということを考えるとそれも会社の強みになりうるのかもしれませんが、上記のような他社・他業界の動向に関する情報をとりにくくなり、新陳代謝が促されないような気がします。
最近でこそ転職する人も増えてきたとは聞いていますが、もっと転職する人が増え、同時に転職してきた人材を厚遇する企業が増えて、同業・他業種のベストプラクティスが共有されるようになれば、企業のパフォーマンスも全体的に向上するのではないかと期待しています。

自分自身、今後も一層多様性のある環境を求めて、業界にとらわれない知識やネットワークを築き上げていきたいと思います。

カテゴリー: お仕事 | コメントする

起業家訪問

ソーシャルファイナンス機関を立ち上げるという夢は持っているものの、具体的に何をするのかどのようにしたらいいのか、それに向けてどういうキャリアを築けばいいのか、など色んなことに悶々とする今日この頃。

そのヒントを得るためにも、知識を蓄積するのはもちろん、起業家の人やソーシャルファイナンスに詳しい人に話を聞くことも大事なのではないかと思っています。

そんな折、偶然優れたサービスを提供している会社の創業メンバーの方からお話を聞く機会がありました。

その会社及びサービスはMoney Forwardといい、自分の銀行口座や証券口座、クレジットカードの使用状況などを一元管理して、資産残高や資産の種類など資産の状況がすぐに把握できるサービスを提供しています。しかも無料で!

せっかくの機会ですので、ユーザーとして、夢追い人としてお話を伺いました。

Money Forwardは米国に留学していた二人の方が最初に計画され、さらに複数のエンジニアを巻き込んで、当初は週末起業のような形で進められていたそうです。

日本の金融は業者・金融資産の両方において銀行・預金に偏重している傾向があり、そのために安全ではあるがインフレや景気の変化に弱く、そのような状況において一般のお客さんに気づきを与えたい、ということでこのようなサービスを考えられたとのこと。

ユーザーは投資を積極的に行っている人だけでなく、(複数の)銀行口座を持っているだけのような人も多いそうで、その理由として、自分の状態を数値化して見ることは楽しいから、ということがあるみたいです。

アメリカではQuantified Self (QS)という、様々な情報を定量化して分析するという動きが注目されていて、Money Forwardについても同じような流れにあるとも指摘されていました。(QSについての詳細はこちら)

話を変えて、起業についても伺いました。

曰く、起業に一番大事なことは「自分の解きたい(説きたい)ことは何か」、「一番インパクトが大きいことは何か」を突き詰めること、と。
そういうコアな部分がしっかりしていて、正しい努力をしていれば、仲間やリソースは後からついてくるものだ、と。

また、仮に自分の試みが失敗したとしても、何かを説こうとする人が少ない中で自分が説くというのは、それだけでも価値があるとも言われました。

また、アイデアは積極的に人に話してフィードバックをもらうべきとも指摘されました。
シリコンバレーには「Y Combinator」というベンチャーキャピタル兼スタートアップ育成機関があり、そこでは「とにかくコードを書く」「たくさんフィードバックをもらう」ということを指導しているそうです。

自分のビジョンを具体的なものにして、人に話してフィードバックをもらうというのは結構恥ずかしいものですが、それ自体が必要なコストだし、50人のうち2人くらいに激賞されたらそれはいいものだ、と仰っていました。
ちなみにビジョンを具体化して人に話す際にはプレゼン資料1~3枚くらいにするとよい、とも。

そしてもう一つ大事なのは「アクションを起こすこと」。
アイデアは色々持っていても、実際にアクションを起こすことができる人は少ない、というのは想像に難くありません。
しかし、アクションを起こさなければいいものを持っていても実現できないし、どこまでいってもゼロのまま。
勇気が要ることですが、アクションは本当に大事ですよね。

よくある質問ではありますが、「起業って怖くないですか?」と聞いてみました。
自分の持っているものを投げうって起業するというのは相当なリスクだと思いますし、それは大手企業に勤めていたり、収入が多かったりするほど機会費用が大きいという点で躊躇もあるのではないかと考えていました。

しかし、質問の答えは「一番怖かったのは自分たちの構想する事業が実現できないこと」でした。私も自分の想いは自分で実現したいと思うので、その気持ちはよくわかります。

自分のキャリアと自分の想いが一致しないこと、あるいは営業などのフロントオフィス経験が必要ではないか、という質問については「キャリアはあまり関係ない。それより自分の想いが大事。」とのこと。
これも腑に落ちました。自分で何でもできる訳がないので、そのために仲間がいるんですよね。

以上、貴重なお時間を割いていただき、大変有意義なお話をお聞きしました。
本当にありがとうございました!

「いつかは」起業もしてみたいと思いながら日々の生活に流されがちでしたが、改めて具体的に何をしたいのか、どのようにしたいのか、ということを突き詰めて考えなくてはと焦燥感が湧いてきました。どこかでアクションを起こさなければ。

カテゴリー: お話を聞いてきました | コメントする

RSMのDeanがやってきた

グローバル企業のビジネス同様、アジアに重点を置くRSM。
先日ついにアジアオフィスを台湾の台北で立ち上げ、アジアでの学生募集や企業・学校とのコネクション強化を図ろうとしているようです。

ちなみになぜ台北なのかというと、RSMのブランド力は台湾でかなり強く、多くの人がRSMのことを知っていること、RSMの卒業生が台湾に多いこともあって企業との関係も強いから、だそうです。
実際我々の年も台湾人のクラスメイトがかなり多かったです。

さて、そのRSMが今年も日本その他アジア各国で説明会を行いました。
今回はDean(ビジネススクールのトップ)やキャリアセンターの責任者が来るという力の入れようです。

東京ではこの土曜日に入学を検討されている方に対する説明会がありました。
結構な数の方がいらっしゃったようで一安心です。

その後、卒業生たちが集まり、DeanたちとどのようにしたらRSMをよくすることができるか議論。
やはりRSMはまだ日本における知名度が低く、いかに知名度・ブランドを高めていくかが課題というところに落ち着きました。
これ自体は超有名校を除く多くの学校が共通して持っている課題だと思います。
まあ、自分のできることとしてはとりあえずブログを通じてPRしていくことだと思いますので、自分の留学後の動向も含め、徒然なるままに書き連ねていこうと思います。

その後、みんなで飲み会に。
和食の美味しいお店です。

飲み会では、卒業生の方とお仕事について話したり、オランダやクラスメイトとの思い出話を話したり、あるいは今後の日本でのChapterの活動について議論したりしました。

オランダ出身の卒業生も参加していて、その人が欧州有数のソーシャルファイナンス機関で、私がオランダに行く契機ともなったトリオドス銀行を知っていたのは嬉しかったです。

アジアオフィスの代表とは現在RSMが抱える課題について話しました。
私も同様の懸念を抱いていたので、何かできることがあれば貢献していきたいと思っています。

とにもかくにも、楽しいひとときを過ごすことができました。
これから多くの人にRSMのことを知ってもらえるように頑張ろうと思います。


みんなでピース。これからも盛り上げていきます!

カテゴリー: MBA | コメントする

気づかないうちに変わってる

気がつけばもう10月。クールビズもおしまいでネクタイの季節になりました。
個人的には冬もネクタイも好きなので、待ちに待ったという感じです。
…が、未だに台風も来るし暑いし、10月というには早いみたいです。

それはさておき、英語力を鍛え直すために英会話の授業の受講を始めました。
英国人の先生と数人のクラスメイトのこじんまりとしたクラスです。

英会話のクラスなので雑談ベースでどんどん話していきます。
とにかく聞いては話し、話しては他の人の話を聞き、という感じでした。

英会話自体は先生や他の人の話もわかるし、自分でも話したいことはある程度話せる、といった感じで順調だったのですが、それよりも驚いたのは自分の態度

英会話のクラスだったというのもありますが、自分から積極的に話したり、合いの手を入れたり、軽く冗談を言ったり。

もともと人の輪の中で積極的に話すタイプではなく、英語ならなおさらそうでした。
しかし、苦労しながらも1年間オランダで英語環境の中で踏ん張って、クラスメイトと交流してきたことは自分を変えているんだと実感しました。

このような変化は留学中も帰国してからも特に意識することはありませんでした。
そのため、自分は留学して何が変わったのかと悶々とすることもありました。

だから、今回自分が実は知らないうちに成長していたということに気づいたことは非常に嬉しかったりします。

これは誰にも当てはまることではないかと思います。
いつもしっかり仕事をこなしていても、何かを頑張っていても自分の変化をなかなか感じられないことは多いのではないでしょうか。
自分の場合、そんなときに自分ってダメだな…と思ったりすることも少なくないです。

でも、気づかないだけでしっかり成長しているんですよね。
今回に限らず、人からの指摘で成長に気づくことも多々ありました。

基本的に自分の自己評価は高くないのですが、今回の件で少しだけ自分を評価してもいいのかもしれないと思いました(笑)

自分に厳しかったり、物事がうまくいっていない人は、自分は頑張っているのに結果は出ないし成長も感じられないし、と自分を過小評価することが多いのではないかと思いますが、自分が気づいていないだけで成長しているということもあるので、自信を持っていきまっしょい!!(古…)

苦しいときは上り坂!!

・・・なんて書いてるそばから「オランダに行く前と何も変わってない!」と喝を入れられました(笑)まだまだですねー。

カテゴリー: 辛い境遇にある人へ | コメントする

Connecting the dots

歴史好きにはよくあることだと思いますが、私もご多分に漏れず、多くの歴史上の人物や経済人のサクセスストーリーや名言を読んでは、それを自分の生活に当てはめようと考えてきました。

人間の本質というのはずっと昔からあまり変わらないのか、数十年前の経営者の言葉はもちろん、数百年、数千年前の人物の言葉でも今に通じるものが多いです。

その中でも特に好きなのが、Apple創業者スティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ。
数多くある偉大なスピーチの中でも特に知られているものではないでしょうか。

このスピーチで彼は3つの言葉を残しています。
Connecting the dots
Keep looking, don’t settle
Stay hungry, stay foolish

それぞれすごく響く言葉なのですが、最近またスピーチを聴いてみて感じるところが大きかったのは、「Connecting the dots」です。
というのも、自分の最近の状況を振り返ってみて、この言葉が実によく当てはまったからです。

長い就職活動の末に今の会社に入社したのは、単に能力が認められたからいうだけではなく、意図せず築いてきたこれまでの経歴に価値が見いだされたためでした。

コンプライアンスという職種自体、元々希望していたものではありませんでしたし、新卒時に入った職場も第一志望という訳ではなく、やはり長い就職活動の結果何とか入ることができた職場でした(それなりに希望していた会社ではありましたが)。

MBAは自分の選んだ選択肢ではありましたが、それも海外経験がないという現実を克服しなければいけないという必要に迫られたもので、それ故に私費で渡航することになりました。

それぞれ当時の自分のベストの選択肢ではなかったかもしれません。しかしながら、今それが一つの線となって今の会社に評価され、自分のキャリアを作り上げています。

今勤めている会社は、これまで面接を受けた会社の中で私を最も評価してくれました。
就職活動の中で能力が上がった訳でも、面接力が上がった訳でもありません。
ただ、点と点がつながって線になった、それだけです。

そんなことを考えながら、一つ一つの点は平凡でも、それがつながった時それはユニークなものとなって特殊な価値を生むのだと気づきました。
長い就職活動の中で苦しんだ末の結末だったので、なおさら痛感しました。

今年も就職活動に悩む若者の姿をよく見聞きします。
大学生はもちろん、既卒、社会人、それぞれ就職活動に苦しみ、自分の価値に疑問を感じている人も多いのではないかと思います。自分もそうでした。

そういう人は、是非自分の点と点を見つめ直してほしいと思います。
点の一つ一つはよくあるものでも、それを結んだ線は自分だけのもので、そこから自分だけの価値を導くことができるはずです。
一つ一つの点がネガティブなものであったとしても、それを結ぶと逆に価値のあるものになることだってあるでしょう。

むやみに他人の土俵に乗らずに、自分だけの価値を見つけてそれを最大限に活かすことができる舞台を見つけて生きることこそ自分の幸せの向上につながると思います。

漠然とした話になってしまい恐縮ですが、自分の価値、自分の生き方に悶々としている人は、是非ジョブズ氏のスピーチを聴きながら、そういうことを考えてみてはいかがでしょうか?

と言いつつ、自分自身まだまだこれからのキャリアが不透明で悩んでいる部分も多いので、何度も彼のスピーチを聴こうと思います。

先ほども書きましたが、自分もこれまで何度も就職活動で苦しい思いをしたため、同じ思いをしている人の力になりたいと思っています。
大した人間ではないですが、何か力になれそうなことがありましたらお気軽にメッセージやメールを頂ければと思います。

_

カテゴリー: 辛い境遇にある人へ | コメントする