美術史概論(4)_現代の文化財?

新しい種類の文化財?

本ブログでは奈良大学で歴史学について学ぶ内容についてご紹介していますが、私は特に文化財について学習を進める予定です。
ちなみに奈良大学の通信課程では文化財と(文献)史学のどちらを学ぶか当初の履修時に選択することとなり、史学を選択した場合は史学講読などの科目を履修し、主に史学を学ぶことになります。もっとも履修が必要な科目は文化財と史学のどちらを選択しても大きく変わらないので、講読・演習科目と卒業論文以外は同じ内容を学ぶともいえそうです。

話を戻して文化財を学ぶということになれば、文化財とは何かということが気になります。
文化財とはざっくりいうと長い歴史の中で各地の人たちが作成・形成してきた文化を体現する有形・無形の存在で建造物や遺物などの有形のものや芸能・伝承といった無形のものなど様々なものが含まれます。
文化財の体系については下記の文化庁の資料にまとめられています。

文化財の体系図(出所:文化庁ウェブサイト)

この図にある通り、文化財とはかなり広い概念で極論を言えば歴史を経ているもの、歴史を感じさせるものであれば何でも文化財ということもできそうです。

そして歴史は現在進行形のものであり、今この瞬間もいつか歴史上の時間として認識されることになります。そうなると現在我々が扱っているものや楽しんでいる風景もまた文化財として扱われる時が来るのでしょう。
事実、博物館などでは高度経済成長期の家電製品などが文化財のように展示されていますし、もしかすると初代ファミリーコンピューター(ファミコン)やゲームボーイあたりももはや文化財として扱われているかもしれません。

したがって文化財となるものの性格は時代によって変わり、今身近にあるものが文化財として我々の歴史を未来につなげる役割を持つことになります。そのため、せめて自分が大事に思うものだけでもきちんと扱っていきたいと思いますし、多くの人にも自分が大事に思うものはそのような役割を持ちうると思って大切にしてもらいたいなと思います。
その意味でもオタク志向の人って大事!

ちなみに投資信託の歴史を調べているときには初期の投資信託の目論見書やその他の書面を読んでみたいと思ったので、そういった事務書類的なものですら価値のある文化財となりうると思います。最近はデータで容易に残すことができますが、それでも実際に印刷された資料とは質感や読みやすさが違うので、実物を残すことは有意義だと考えます。

 

新時代の文化財来たる!

時代によって文化財の性格は異なるという話をしましたが、その好例として立体像が挙げられます。
美術史概論では日本の仏像史について学びましたが、日本に仏像が持ち込まれた飛鳥時代から奈良時代、平安時代、さらに鎌倉時代以降にかけて仏像の製作手法や特徴は大きく変わっていきました。
これは技術の進歩や仏教の位置づけが変化する以上当然のことだと思います。

そして現代においては3Dプリンターが登場するなど立体像の作成の概念自体が大きく変化しようとしています。
また二次元の表現手法が多様化する中で立体像の造形も多様化しているように思います。
そのような表現手法の変遷を具現化するものとして現在我々が手にしているコミックやイラスト、フィギュアなども十分文化財となりうるものだといえそうです。

私も文化財について学ぶ者としてそんな将来の文化財候補を大事にしていきたいと思っているのですが、そんな私のもとに本日新たな文化財が到着しました。
『閃の軌跡』シリーズの主人公にして歴史学の教官、リィン・シュバルツァーの1/8フィギュアです。ちなみにリィンは第二弾で、第一弾は彼の教え子で『閃の軌跡Ⅱ』から登場するアルティナ。こちらも当然お迎えしていたのですがさすがに女性キャラだけだと紹介しずらいので本日文化財としてご紹介することができました。
ちなみにアルティナのエピソードは泣けたりジーンとくるのが少なくないので(特にⅢとⅣ)、アルティナが第一弾になったのもわかります。軌跡ファン以外にはどうでもいい話ですけどね…。
第三弾も企画されているらしいのですが、誰なんだろうな。

 

 

記念に我が家の文化財(立像分野)を撮影してみました。

我が家の有形文化財。フィギュアもねんどろいどもよき!!

1/8のリィンとアルティナの造形の繊細さが目立ちます。サブカルチャーのフィギュア化の歴史は仮面ライダーやウルトラマンの頃には始まっているので結構長いと思いますが、長い時間をかけて非常に精巧になっています。恐らく目に見えない部分も大きく進化しているのでしょうし、まさに進化の歴史を体現した文化財といえます(熱弁)。

一方、『零/碧の軌跡』のSDキャラのフィギュア(ねんどろいど)も各キャラクターの特徴をよく表現していて、かつかわいい感じになっていてよきです。
軌跡シリーズのキャラクターのねんどろいどは多くの種類があるようなのですが出回っている数が少なかったり海外限定のものが多かったりでなかなか集まりません。機会があればお気に入りキャラだけでもゲットしたいものです。文化財保護のためにも(熱弁)。

 

文化財はすぐそばに

以上、自分の趣味に文化財を無理やり絡めて熱弁してしまった感がありますが、日常生活の中で身の回りにあるものが文化財になりうるというのは確かだと思います。
文化財学演習Ⅱの資料の中で千田先生も研究すべきテーマは日常生活の中や見知っている景観の中にもあるということをおっしゃっていますが、我が意を得たりという感じです。

キャラクターものが好きな方や鉄道模型が好きな方などは人の目や家族からのプレッシャーなどで肩身の狭い思いをしていることも多いかもしれませんが、これも文化財だ!と堂々とその趣味やキャラクターを愛してほしいと思います。
我々は未来の文化財の保護者です!

まあそのような濃いものでなくても、身近な風景、例えば出勤した時に見るビル街の風景だって将来歴史的景観として保護の対象になるかもしれません。
そう思うと日常の一瞬が違ったものに感じるでしょうし、大切に思えそうです。
そんな風に自分の時間、自分の場所を大切にできるのも幸せなことではないでしょうか。

実は奈良大学に願書を書いた時の志望動機にも、多くの人に身近にある歴史的な文化財から歴史を感じるきっかけを提供したいということを書きました。
さすがに軌跡シリーズのフィギュアは研究対象にはしないと思いますが(笑)、いつか多くの人に文化財の意義、そしてその文化財が刻んできた歴史を知ってもらえるような活動ができるようになりたいと思います。

カテゴリー: アニメ・漫画・ゲーム, 奈良大学通信教育部 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です