就職活動・社会人1年目を頑張るあなたへ(就職活動編)

前回は就職活動・社会人1年目の方向けに、過去の自分に向けてのメッセージの形で生活のアドバイスを送ってみましたが、今回は就職活動について書いてみたいと思います。

今でこそ人並みに生きていますが、就職活動では超のつくほどの劣等生で、惨憺たるものでした。

就職活動は大学卒業時と(社会人になった後)MBA中・終了時の2回経験しましたが、どちらも苦労の連続でした。
新卒時は比較的売り手市場でしたし、MBA卒業生は比較的容易にいいところに職を得る傾向があるので、なおさら自分の劣等生ぶりが際立っていました。

本来はそんな人間が就職活動についてアドバイスをすることはおこがましいのですが、そんな人間のアドバイスこそ役立つことがあるかもしれませんし、あくまで過去の自分に伝えたいことですので、その辺はご海容ください。

【就職活動時のアドバイス】
1.自分を差別化する

事実かどうかはわかりませんが、就職活動中にはよく「副部長」「副キャプテン」が登場すると聞きます。

リーダーシップをアピールしつつ、部長・キャプテンだと色んなリスクがあるから「副」なのでしょう。

しかし、これは非常にもったいないアピールの仕方だと思います。
というのも、就職活動で勝ち抜くということは他の人と競争で勝ち抜くことであり、他の人と同じアピールをするということは、その枠で激しい競争をすることになります。

それよりは、他に自分がアピールできる経験や技能を見つけ、それを前面に出した方がよいと思います。
組織というのはいろんな役割の人がいて成り立つものであり、決してリーダーの集団ではありません。
また、リーダーシップというのは役割のみに基づき発揮されるわけでもなく、個々人の頑張る姿や気遣いが人をリードしていくこともあります。

もちろん、「副」として頑張ってきたのであれば、それをアピールすることにも意味があると思いますが、無理に「副」を押し出すよりは、他の人とは違った自分の長所をアピールした方がよいと思います。
どんな小さなものでも、組織に貢献できるのであれば、聞き手にとっては新鮮で面白いものになるのではないでしょうか。決して奇をてらう必要はありません。

2.色んな業界・会社を見てみる

世の中は自分の思っているより広く、自分の知らない業界や仕事がたくさんあります。
社会人になってもそう思いますし、学生さんにとってはなおさらだと思います。

就職活動にあたって、業界や会社を絞ってエントリーをする人も少なくないかと思いますが、それ以外に自分の知らない面白い仕事がある可能性を考えると、それはもったいないことだと思います。
特に、就職活動中は多くの会社が大っぴらに会社のことを話してくれますが、それは社会人になるとなかなか得られない機会です。

ステータスを目的として、特定の業界や会社を志望する場合もあるでしょう。
その気持ちはよくわかりますが、それもあまりお勧めできません。

ステータスで会社を選ぶと、会社の存在が自分のアイデンティティの大きな割合を占めることになります。
プライベートで自己紹介をするときに、「○○会社のxxです。」と始めてしまうような人というような感じでしょうか。
それは時として愛社精神として評価されるのでしょうが、会社はあくまで自分とは別の存在であり、それが一体化するのは寂しい気がします。

またステータスに縛られると、どんなに辛くなっても、他の仕事がしたくなっても、自分の気持ちに正直に行動することができなくなります。会社のステータスと自分の幸福度が比例するとは限りません。

さらに、会社のステータスは時代による変わる可能性がありますし、その重要性も変わります。
世界に名だたる大企業でも危機に瀕してリストラ敢行という事例はたくさんありますし、また個人的な感想ですが、若い世代の人は昔の世代の人に比べ、会社のステータスより「どのような仕事をしているか」「個人としてどのような人間であるか・価値があるか」ということを重視している傾向があるように思います。
そのような時代の中で「自分は●●会社に所属している」というステータスは、昔ほど重視されるものではないようにも思います。

だからこそ、最初から業界や会社に絞るのではなく、いろんな業界や会社を見てみて、自分の可能性を広げてみることは大事だと思います。
一番大事なのは、仕事の内容や会社との相性、それに待遇・ステータスなどを加味した総合的な満足度・幸福感であり、より多くの選択肢の中から選択した方が大きな満足度を得られる可能性があるのではないでしょうか。

3.具体的な仕事をイメージする

志望する会社を選ぶとき、その会社の手掛ける事業やプロジェクトを見て、「こういうことをやりたい」と思ってエントリーすることが多いと思いますが、その会社の個々の従業員が行っていることは「事業」や「プロジェクト」ではなく、その人たちに割り当てられた具体的な業務・作業です。

例えば「ロケットを飛ばす」というプロジェクトがあったとして、それは「ロケットを飛ばす」という仕事があるのではなく、ロケットを設計する、材料を調達する、資金を確保する、行政の許認可を得る、報道機関に情報提供をする、といったいろんな業務があります(あくまでイメージですが)。
そしてそれはさらに細分化され、「文書を作る」、「何かを調べる」、「資料・データを分析する」、「関係者と調整する」といった具体的な(そして、大抵は地味で地道な)業務に落とし込まれます。

そして、就職活動で採用された人に期待される役割も、当然具体的な業務・作業を行うことです。
そのため、その会社で貢献するためには、そういう具体的な業務をこなすことができるということが必要で、またやりがいを感じるためには、そういう具体的な業務に魅力を感じることが必要です。

そのため、志望動機を考えるにせよ、自分の能力をアピールするにせよ、具体的な業務をイメージしてみることが第一歩だと思います。
そうすれば、自己アピールもより採用側に響きやすくなるような気がします。

4.社会人とできるだけ話してみる

前項のとおり、志望動機を考えたり、自己アピールをしたりするにあたって具体的な業務をイメージすることが大事と書きましたが、学生が自分の頭で考えても、具体的な業務、あるいは自分が業務をしている姿をイメージすることは難しいと思います。

であれば、具体的な業務をしている社会人に話を聞くのが有効です。
卒業生を紹介してくれる大学もあるでしょうし、バイト先の先輩などとコンタクトをとることもできるでしょう。
最近であればSNSを使って希望する人とコンタクトをとることも不可能ではないですし(Twitterやココナラなどでそういう人にコンタクトできます)、それも難しければ、家族・親戚から話を聞くこともできます。

実際に仕事をしている人に、「具体的な業務として何をしている(してきた)のか」、「その業務にはどういう能力が必要なのか」、「その業務は会社全体の中でどのような役割を果たしているのか」などを聞いてみると業務のイメージが多少は描けるでしょう。
また、「●●といった仕事をしたいと思っているのだけどこの会社でできるか」、「●●をしたいとして、具体的にどういう業務をすることになるのか」という話を聞いてみるのもよいかもしれません。

社会人と話すことのもう一つのメリットは、社会人慣れできるということです。
自分が就職活動を始めたころは、社会人と話した経験がほとんどなく、面接の都度緊張したり、マナーに戸惑ったりしました。気づかないうちにマナー違反で失敗したこともあったと思います。
もう少し事前に社会人と話して慣れておけば、多少は緊張の度合いも下がったでしょうし、マナーについてももう少し勉強したり、指摘を受けたりして改善できたと思います。

いきなり学生から話を聞きたい、なんて言われて迷惑ではないかと躊躇される方もいるでしょう。
でも、それを心配する必要はあまりありません。
おそらく、多くの社会人は普段話さない若い学生と話すのは歓迎だと思いますし、自分の経験が求められるというのも嬉しいものです。
もちろん、中には多忙であったりそういうことが苦手で取り合ってもらえない時もあるでしょうが、それなりの確率で話を聞かせてもらえることと思います。

最初は慣れないこともあるでしょうが、時間を割いてもらっていることの感謝と、その方が仕事を頑張っていることに対しての敬意を忘れずにいれば、気持ちよく話を聞かせてもらえると思います(ただし、自分で調べれば簡単にわかるようなことを質問するのは不可)。

5.面接は芝居ではなくミーティングである

大学生の時、就職活動の面接は芝居だと思っていました。
面接という芝居をうまくこなすため、志望動機や自己アピールは暗記して、すらすらと答えなくてはいけない。
面接者から聞かれた質問についてはすぐに返事しなければならない。
最後の質問もとりあえず言っておかなければいけない。

実際、自分の周りもそんな感じでしたし、採用側も多くの候補者を短期間に評価しなければならないため、一定の枠にはめられた形が効率的なのでしょう。

それはそれで受け入れる必要があるのですが、本来あるべき面接とはそのような形でしょうか。
面接とは本質的には会社が候補者の労働力を購入するという商談であり、そのためのミーティングです。
商談をするときには決して暗記には頼らず、お互いに資料を見ながら話しますし、場合によっては相手には出さない手持ち資料も使います。
また社会人がミーティングをするにあたって筆記用具を持たないことはありえず、メモをする、メモを見るというのは自然な行為です。

したがって、面接中にメモをみながら話したり、質問した時には回答をメモするというのは許容範囲ですし、むしろ社会人としての行動原則に則っていて評価の対象になるのではと思います。

社会人になった後の転職活動ではそのような考え方から、面接時には手持ち資料を見ながら回答・質問したり、こちらからの質問の回答をメモしたりしていますが、特段悪い評価をもらったことはないですし、むしろ好評価をもらったこともあります。

もちろん、新卒採用と社会人が転職するときの面接では状況が違いますし、自分のやり方を押し通して採用側の差しさわりになること(面接の時間が延びてしまうなど)は避けなければいけませんが、そのようなことがないのであれば、社会人としての行動原則に則った面接の仕方を試してみてもいいと思います。
緊張しやすく、頭が真っ白になりがちの人にとっては、特に有効かもしれません。

 

以上、就職活動中の自分(と就職活動中の方)に向けたアドバイスを書いてみました。
賛否両論あるかもしれませんし、もっと有意義なアドバイスもたくさんあることでしょう。
ただ、過去の自分はこういったことも十分にできていなかったし、自分のように就職活動がうまくいかない人はこういったところを気をつければ、少しでも状況がよくなっていくかも、ということで自分の思うところを書いてみました。
参考になるかはわかりませんが、少しでもお役に立てれば幸いです。

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