グローバル化が進む昨今、国際的な仕事や留学に憧れる人は少なくないと思います。
その一方仕事はなかなか選べるものでもないし、留学は英語ができないあるいは海外経験がないからできない、と諦めてしまうケースもあるのではないでしょうか。
かくいう自分自身世界とつながる仕事に憧れたこともありますが、そのような仕事に関わることもできず、海外経験に長い間憧れていました。
仕事は自分で選べないことも多いですが、留学することはほとんど自分の意志で実行できると思います(経済的な状況や家族の問題などはありますが)。
そのため、社会人になるまで海外経験はないけれど、仕事も含めてグローバルに生きたいと考える人にとっては海外留学は最初の一歩として適していると思います。
では、本当の純ドメがどうすれば海外留学することができるのか、自分の経験を基に考えてみたいと思います。
なお、自分の経験ですので、英語圏を前提としています。
1. 留学生活は難しくないと考える
海外生活を経験したことがない時は、なかなか海外の人に囲まれて生活している様子がイメージできないと思います。そのため、日本語も使えない状態で生活していくことができるのか、大きなトラブルに巻き込まれてしまうのではないか、と及び腰になったりすることがあると思います。
しかし、その点はあまり心配する必要はありません。
まず、留学は仕事ではないので、トラブルはあまり大きなことにはなりません。せいぜい自分の身の回りのことです。少なくとも他人に大きな迷惑をかけることはありません。
また、しっかりとした教育機関に留学する場合、手続きや生活面のフォローは学校が行ってくれます。また、会話が不得手な場合はメールでも対応してくれます。あくまでお客さんなので学校を頼ることは問題ないですし、その点でも留学生活は比較的易しいと思います。
次に学校での生活について。
当初は海外生活の経験がないと人の話していることは分からないし、人に話しかけるのも躊躇して人間関係が築くのが難しいというのはあると思います。
さらに授業でも何を言っているか分からない、みんなが何をしているのか分からない。その結果自分だけ浮いてしまうということもあります。
しかも、他の人は国籍関係なくうまくやっているので、自分だけコンプレックスに陥るということもあるでしょう。自分のケースでも他の人は日本人含め国際経験(又は英語使用経験)が豊富で、自分だけ出来損ないのような感じがして結構辛かったです。
ここで大事なのは自分の目標です。
海外生活に慣れるというのを第一の目標としているのなら、英語の環境にどっぷり浸かって悪戦苦闘しているだけでも目標に向かっているわけですし、その生活に慣れるだけでも目標達成です。他の人と比べてコンプレックスを持つ必要はありません。
大事なのは自分の目標を達成できているかどうかということであり、他人のパフォーマンスと比べて云々ではないのです。
そして数ヶ月も経てば、それなりに海外での生活にも慣れるでしょうし、英語で話すことにもさほど違和感はなくなっていると思います。
それ自体が純ドメが海外経験を積んだ証であり、純ドメの海外留学の第一の目標達成といえるのだと思います。
ということで、海外留学すること自体は決して難しいものではなく、純ドメにだって十分できます。だから純ドメだからといって諦めるのはやめましょう!
2. 何度か海外旅行をしてみる
海外経験の初歩と言えばやはり海外旅行だと思います。昨今では費用も安くなってきて、気軽に海外旅行を楽しむこともできます。
そこで海外経験を積みたい、海外留学を目指したいと思う人は是非海外旅行から始めてみてはいかがでしょうか。
海外旅行をするならツアーではなく、自分で企画・手続きをすることをお勧めします。
というのも、自分で企画するとコストが安い・フレキシブルというのもありますが、さらに海外で何でも自分でする癖・経験が身に付くというメリットがあるからです。
空港でのチェックインや公共交通機関のチケット購入はもちろん、ホテルのチェックインやレストランの注文も全て自分で行わなければいけません。
当然移動中に道が分からなければ人に聞く必要がありますし、トラブルも自分で対処しなければいけません。
これも最初のうちは不安があるかもしれませんが、自然と慣れますし、海外生活の下準備として適していると思います。
3. 英会話は低価格オンライン英会話で量をこなす
純ドメの人が英語で特に苦労するのは話すことだと思います。
加えて英会話の予備校は結構値が張るので財布にも厳しく、悩んでいる方も多いのではないかと思います。
私自身社会人3年目頃に留学を目指すまで純ドメで英会話力はゼロ、お金にも余裕がなく英会話をどう練習したものかと考えました。
幸い昨今ではインターネットを使ってフィリピンなどの講師と英会話を練習する低価格のサービスが登場しています(レアジョブ、English Channnelなど)。
これらのサービスを使えば1ヶ月に1万円もかけずに相当量の英会話を行うことができます。
私も3年間ほどこのサービスを使って毎日練習し、純ドメながら海外の人と何とか話すことができるレベルには到達することができました。
このようなサービスについては、「フィリピンなまりは大丈夫か?」「やはりネイティブに習った方がよいのではないか」という意見も聞きます。
お金や時間に余裕がある人はネイティブの提供する英会話サービスを利用するべきかもしれませんが、個人的にはフィリピンの人との英会話練習で不都合は感じませんでした。
そもそもこのようなサービスを提供しているフィリピン人講師は高学歴で英語のボキャブラリーや話題が豊富で講師としての質が高く、英語の学習という点で学ぶものが多いです。
また、英語人口は多いとはいえ、その中には多くのノンネイティブがいて、彼らには彼らのなまりがあります。ある意味英語は多くのなまりの集合体ともいえるので、多少のなまりなど問題にならないと思いますし、なまりを気にしていたら英語を話せなくなってしまいます。もちろん綺麗な英語を話すに越したことはないですが、コストとなまりを天秤にかけたらコストをとってもいいと思います。
なお、個人的には彼らフィリピン人講師に気になるほどのなまりは感じませんでした。
この他、最近ではLanguage Exchangeというお互いの言葉を教え合うようなオンラインの取り組みもありますので、こういうものを使って勉強するのもありかもしれません。
4. 英語のウェブサイトを読む習慣をつける
海外で生活する時には英語を読むことも必要ですし、アウトプットをするためにはインプットも欠かせません。
英語のインプットには英語のウェブサイトを見る習慣をつけるのがよいと思います。
お勧めなのが、Japan Timesのような英語のニュースや関心のある分野のウェブサイトを定期的に見ること。TOEFL対策としてはNational Geographicを勧められたこともありました。
またTwitterで関心のある海外の組織のアカウントをフォローして、その組織のニュースリリースを読むのも自分の関心に合致していて習慣にしやすいと思います。
プレゼンに関心があり、リスニングやプレゼン能力を強化したい人はTEDもいいと思います。私には難しいので、あまり見ていませんが…
5. 海外の人と対面で話す機会を作る
十分では言えないまでも英会話の練習を3年間毎日して、英語での面接も突破して実現させた留学生活でしたが、最初は結構大変でした。
特に大変だったのがクラスメイトとのコミュニケーション。なかなかこちらから話しかけることができませんでした。
その理由の一つとしては、それまで海外の人と対面で話す経験がほとんどなかったからだと思います。
やはりオンラインで会話をするのと対面で会話をするのでは感覚が違います。
そのため、留学を考えている人は海外の人と対面で話す機会も多く作ることをお勧めします。
6. 目標は高すぎず低すぎず
留学と言えばやはり人生の一大プロジェクトなので、つい目標を高くしがちです。
とにかくトップスクールに行きたい、色んな人に会いたい、色んなことを学びたい、現地の英語の本だってたくさん読みたい。そして留学終了の暁には英語がペラペラに…
もちろん目標を高く持つのは大事なことですが、それとは別個に現実的な目標を立てて、それを着実に達成していくのも大事なことだと思います。
例えば昨今MBAトップ校と言われる学校は英語力の要件などが非常に厳しくなっていますが、純ドメがその要件を短期間で満たすのは容易ではないと思います。
もちろん、トップ校にはそれだけの魅力があるでしょうから絶対にその学校でなければダメ、というのであればこだわるべきだと思いますが、そうでなければ海外経験を積むために留学することを優先するという選択肢も検討に値すると思います。
ネームバリューにこだわるあまり留学準備に時間をかけ過ぎて、最終的に留学適齢期を逃すというのは本末転倒だと思います。
もし私が英語力要件に厳しいトップ校にこだわっていたら恐らくあと数年は留学準備にかかっていたでしょうし、その頃には自分のキャリアの選択肢は狭まっていたでしょうから、恐らくトップ校に留学する効果も小さかったと思います。
もちろん純ドメでもトップ校に行く方は多くいますし、そういう方は尊敬しますが、必ずしも全員がそれを目指すべきとは言えないと思います。
留学するにあたっては、自分に必要なものが海外経験か、その学校ならではの何かなのか、あるいは語学力なのか、よく考えてどのように留学の目的を達成するのかを考えるべきだと思います。
留学生活についてもあまり最初から無理をすると燃え尽きたり、自分のもどかしさにかえってモチベーションが下がるかもしれません。
その人の英語力や性格にもよりますが、純ドメが海外で理想の留学生活を送るのは結構難しいです。その時に、高い目標だけを目指していると自分が無力に感じ、精神衛生上もよくありません。せっかく頑張って留学してきているのに。
そのため、あまり目標を高く持ちすぎるのは注意した方がいいと思います。
かといって、あまり低い目標だけを持っていては留学した甲斐もありません。
例えば留学して海外旅行だけして満足してはもったいないし、ただ海外にいるだけで満足するというのも留学の本来の趣旨からは外れているでしょう。
また、学校に必要以上にこだわる必要がないからといって、自分の目標が達成できそうにない学校に行くのもやはり留学の意味があまりないと思います。
従って、純ドメの人が留学するには(強気の目標とは別に)ある程度現実的な目標を立て、その目標が達成できるような留学を計画すること、そしてそれを達成できたらOKと割り切ることが大事だと思います。
少々まとまりのない文章になってしまったかもしれませんが、海外で生活する機会がなかった純ドメだって比較的容易にある程度英語力を高められるし、留学生活だって乗り越えられる、という話です。
なお、留学を終えて就職活動をしていると留学をしていたということで英語力については特段問題ないと判断されることが多いです。
実際英語の面接でも何とか話せますし、留学をしていればその程度の英語力は身に付きます。結果としてグローバルな業務に携わるステップにもなると感じています。
もし「純ドメだって留学がしたい!」と思っている方は、是非留学を目指し、そしてその後の仕事や趣味に結びつけていただきたいと思います。
純ドメで英語が苦手だった私でも何とかなったので、きっと多くの人が留学をして、そこから何かしら得るものがあると信じています。
なお、上記の内容は全て私の私見ですので、留学にあたっては多くの留学経験者に相談することをお勧めします。
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