ハーバードからの贈り物

世界最高峰のビジネススクールであるハーバード・ビジネススクール(HBS)では、多くのビジネスエリートを輩出してきていますが、彼らが楽しみにしているものに、各科目の最後に教授が語る講話があるそうです。

HBSの教授は純粋な学者だけでなく、経営者などの実務経験者も多く、彼らの経験に基づいたきれいごとではない本当の言葉が学生に感銘と影響を与えるのは想像に難くありません。

余りに素晴らしいので、それらを集めた本も出版され、人気になっているそうです。

将来ビジネスの世界で生きていこうとする自分にとってもきっと有意義だろうと、読んでみることにしました。

何人かの教授のお話が載せられていますが、どの話も卑近で、わかりやすく、共感できます。

ある教授はヒマラヤに登った時、九死に一生を得て、自らの幸運を語り、

ある教授は、ある学生の相談を取り上げ、周囲の人間のモチベーションを上げる必要性を語り、

また別の教授は、名もない自分の母親が、自分を犠牲に子どもたちを育てたことと、ビジネスリーダーとしての自分たちの決断が、そのような名もないステイクホルダーたちの人生に大きな影響を与えるということに意識を持つことの大切さを語っています。

もちろん、このほかにも多くの珠玉の言葉が載せられています。

どの話も、まったく難しくありません。簡単な言葉でシンプルだけど大切な人生訓を与えてくれています。

誠実に、自分を信じ、他者への配慮を欠かさず、周囲をやる気にさせ、感謝を忘れない。

教授陣の教訓を簡潔にまとめるとこのようなことになると思いますが、それぞれの経験や話す内容が非常の濃密で、読んでいて、こんなすごい人でもこのような経験があるのか、と思わせられます。

ハーバードからの贈り物 (Harvard business school press)/デイジー・ウェイドマン
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