意思あるところに道あり

ここ最近、朴正煕(パク チョンヒ)韓国元大統領についての本を読んでいました。

開発独裁の典型的な成功例でありながら、一方で清廉であったという評価に関心をもったことがきっかけです。

彼は韓国が日本に併合されていた頃、李氏朝鮮の武家の家に生まれました。

伝統のある家なので、やはり日本に対する反発は強かったのですが、彼自身は日本に対して現実的な評価をしていたようです。

とはいえ、やはり日本人との差別を感じることもあって、長じて韓国人としての意識が芽生えてきたとのこと。

彼は最初教師になり、結構情熱を持ってやっていたのですが、軍人への希望を捨てがたく、遅ればせながら軍人への道を進むことを決め、日本の陸軍士官学校を出ています。

その後、紆余曲折を経て韓国の軍人に。共産党に入党したこともあり、逮捕・拷問も経験。しかし、その後は昇進を続けます。

李承晩大統領失脚のきっかけを作ったりと政治にも絡みながら、1963年に大統領就任。

日米国交正常化、ベトナム戦争への協力などで外貨を獲得、これを経済開発につぎ込み、漢江の奇跡と呼ばれる高成長をもたらします。

一方、政治的には独裁を続け、多くの反発も生みます。彼自身は清廉な人格だったとはいえ、独裁体制を維持するためには手段を選ばず、これが彼の命取りになり、旧知であり腹心でもある金載圭に暗殺されます。

彼の評価は様々ですが、韓国の発展に寄与したことではほぼコンセンサスができているようで、今なお韓国では圧倒的に人気のある大統領だそうです。

彼の成功の背景には、自分の意思・信念を貫く精神的な強靭さがあったように思えます。

無論、政治・経済的なセンスも大いにあったでしょうが、やはり精神的な強靭さこそがそれを活かすように思えます。

これから、皆がチェンジメーカーにならなければいけない時代になるとすれば、自分自身、彼を見習って少しでも自分の信念を貫き、意思を実現させられる精神的な強靭さを身につけたいと思います。


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