2006年のノーベル平和賞には、初めて民間企業が選ばれました。
グラミン銀行。バングラデシュ出身の経済学者、ムハマド・ユヌス博士(2006年ノーベル賞受賞)によって設立された、主に貧困層にターゲットを当てた銀行です。
通常、銀行との取引からは除外されることが多い貧困層に対し、小額の融資を行い、良いサイクルを作るきっかけを提供すると共に、融資対象者には五人組のようなグループを作らせ、連帯責任を求めるなどの工夫がなされています。
また、勉強会のような機会も提供し、特に貧困層の女性が希望を持って生きていけるように努力しています。
このような取り組みの結果、グラミン銀行での貸し倒れ率は非常に低いものとなっているそうです。
私が特に関心を持ったのは、銀行の取引先への関与(関心)がとても強いこと。
日本の銀行の感覚では、資金の融資と返済というドライな関係が常識だと思いますが(法人の場合はまた違うでかもしれません)、グラミン銀行では様々なことにスタッフが相談に乗っているようです。
また、前述のグループの結び付き自体も、融資対象者に勇気を与えているそうです。
いつか、自分もソーシャル・ファイナンスの世界に入ってみたいと思いますが、このような先進的かつ泥臭い取り組みは大いに勇気づけられます。
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