「未来を変える80人」では、比較的成功している世界の社会的起業家が紹介されていますが、実際日本ではどのような社会起業家が活動しているのでしょうか。
そんな疑問に答えてくれるのが本書です。
本書では、日本で活動している社会起業家が紹介されています。
本書で紹介されているのは成長途上の社会的企業で、そのため資金繰りをはじめとする苦労とそれを乗り越えようとする情熱が伝わってきます。
本書ではどちらかというと、金銭的報酬以上に自分の満足が報酬であるというスタンスの方が多かったように思います。
確かに、利益が出にくいビジネスモデルだとは思いますが、そこを何とかクリアしていけたら優秀な人材による社会的起業も増加していくのかもしれません。
また、社会的起業にどのように投資家がアクセスしていくかも重要な論点だと思います。
貯蓄から投資、と言われ投資が身近になっていくなかで、自分のお金をどのように活用していくかということを考える必要が出てくるのでしょうが、その中で社会的企業への投資が選択肢になっていってほしいと思います。
もちろん、現在でも社会的責任投資(SRI)がありますが、どうしても大企業中心になってしまいますからね。
自社のSRIファンドを否定するつもりはないですが、もっと初期段階の起業家も応援したい気がします。
ちなみに、アメリカのNPOなどではかなり高級のスタッフを抱えていることも多いようです。
無論、優秀な人材を抱え、その分資源を有効活用することができるなら合理的なのでしょう。
日本も優秀な社会起業家が受け入れられやすい懐の深い社会になってほしいです。
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