日経新聞によると、総務省の調査によって、政省令の改正時に行われる一般意見募集(パブリックコメント)の半数が「意見なし」で、また実際に採用されているのは1割程度(2006年度)であり形骸化が進んでいるという指摘がありました。
パブコメとは、こんな感じ です。
仕事柄、政省令案やパブリックコメントの結果についてはよく読みますが、正直なところ政省令案に意見を出すのは結構難しいです。そもそも、法令の文章が難解で法令の意味を把握するのに時間がかかります。必ずしも日常用語ではなかったり(コンピュータ=電子計算機、とか。金融取引の種類も表現がまどろっこしいことが。)、参照条文を探すのに時間がかかったり。
また、パブコメの結果を見ていると、改正条文に直接関係ないものや解釈の確認、漠然とした賛意ないし批判が結構あります(対象法令の性格にもよると思われますが)。
ある程度理屈の通る意見の場合は意見が採用されることも多いように感じます。
あと、政省令の改正の規模によっては意見がなくてもおかしくないことも多いですし、そもそも法律に比べ政省令は実務的な要素が強く、実質的にプロ向けになっていることが多いように感じます(国民の関心が強い厚労省や文科省関連のものはそうでないかもしれませんが。ちなみに案件が多いのは厚労省、国交省、経産省など)。
というわけで、パブコメについてはこんなものかという感じもします(少なくとも、自分が当局に採用されるほどレベルの高い意見を出せるとは思いません)。