今日、テレビを見ていると、とある保育園が景気の悪化のあおりで突然閉園したというドキュメンタリーを放送していました。
私立の保育園は、かつては社会福祉法人しかできなかったのですが、近年は規制緩和の流れで株式会社の民間企業の運営も認められているようで、冒頭の件も民間企業が運営していたものでした。
で、コメンテーターたちが、「やっぱりこういうのは規制緩和はダメなんですよ~」とか、「市場原理主義がいきすぎちゃってますね」とお決まりのコメントを出す、という展開なのですが、ちょっと疑問。
まず、これは規制緩和の失敗なのか。
確かに、この保育園は経営の行き詰まりという結果になった。
しかし、例えば保育園はグループ会社の会計とは切り離して運営する(PFIなどでよくあるスキームだと思います)などの規制をすれば、あるいは営業譲渡の円滑性を確保する(仕方ない場合は何らかの方法で債権放棄をさせるとか)など、市場化のメリットを活かし、デメリットを軽減するという方法はありうると思います。
また、規制緩和でこの保育園ができたことで、破綻の今まで恩恵を受けた人も多かったはずです。
そして何より、これは報道の倫理(というよりマナー?)の問題でもありますが、民間企業が参入して、従来の保育園より上手に運営している保育園があるなら、そちらも取り上げて規制緩和の是非を議論すべきです。
未曾有の経済危機のあおりで突然の破たんという極端なケースを一つ取り上げて、それで規制緩和はダメというのはあまりにも短絡的ではないかと思います。
また、こういう問題が出ると民営化=市場原理のいきすぎ=悪という構図が描かれがちですが、これも疑問。
まず、何をもって市場原理主義とし、何をもっていきすぎなのかが明確ではない。
公共性のある事業を民間企業に行わせるのが市場原理主義なのか。
では、報道機関が好んで使う「報道の公共性」に照らし合わせると、報道機関は民間企業ではいけないのか。
電力会社、鉄道なども当然政府が行うべきということか。
勉強不足のため、何が市場原理主義で、何が行き過ぎか私にははっきりわかりませんが、おそらく一般の視聴者も同じような感じだと思います。
公共性のある事業の民営化が市場原理主義の行き過ぎなら、それはそれで結構ですが、視聴者に大きな影響を与える以上、そのあたりの論拠は明確に示してほしいと思います。
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ある意味仕方ないとは思いますね…
テレビ番組もあくまで商売
『成功も失敗もある』
というよりは
『だから○○はだめなんだ!!』
といった方が茶の間の方々は楽しめるでしょうから…
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テレビも商売ですから、話を単純にして視聴者におもねる点はあると思います。
が、そんなテレビが都合のいい時だけ公共性とかジャーナリズムを前面に出したり、人を批判するのがあまり好きになれないですね。