自民党が、公的年金の積立金のうち約10兆円を原資として政府系ファンドの立ち上げを検討しているようです。
政府系ファンドの運用会社は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の委託を受け、世界中から集めた運用のプロが実際の運用を担当するようです。
(GPIFのサイトはこちら )
もちろん、かつて社会保険庁が行っていたずさんな運用は論外なのですが、ここで疑問となるのが、
・なぜGPIFが直接各運用会社に運用を委託せず、新会社を立ち上げるという選択をするのか
・運用の管理責任は誰がとるのか
一つ目。現在でもGPIFは資産の一部について運用会社に委託を行っていますが、なぜ新しい組織を立ち上げることが必要なのでしょうか。
新会社を立ち上げるには当然コストも必要です。無論別会社にすることで管理上のメリットがあるのかもしれませんが、経理(計理)については特別勘定などで対応できると思います。運用の意思決定の独立性についても、別会社をわざわざ設立しなくても担保する方法はあるでしょう。
まさか天下り先のため、というわけではないでしょうが、そのあたりの理由が不明確な気がします。
二つ目。安全資産からリスク性の資産へのシフトは結構なのですが、その運用のツケは誰がとるのか。
無論、リスクをとれば損失の可能性は当然あるのですが、リスクの管理がずさんになったときの責任の所在ははっきりさせておくことが求められます(それ以前に、素人を責任ある立場に配置しないことが重要ですが)。
これは、新銀行東京の例でも明らかです。
任命者責任、リスク管理体制の整備の執行責任、等々の責任の所在を明らかにするとともに、リスク管理体制についての透明性の確保は十分に配慮してもらいたいところです。
とまあ、いろいろ書きましたが、要は、無駄なこと、安易なことは考えずに、十分に細部まで検討して公的な資金は扱ってほしいということです。
そして、わが社にも是非受託の機会を・・・