選挙の公正性について疑念が呈されているジンバブエ大統領選で、現職大統領のムガベ氏が勝利宣言を行ったとのことです。
ちなみにジンバブエはアフリカ南部の国です。
(外務省のジンバブエ解説ページ )
もともと最初の投票では野党候補がムガベ氏を上回っていましたが、警察などが野党候補者や選挙民に圧力をかけたため、野党候補者が立候補を取り下げ、ムガベ氏の勝利宣言に至ったようです。
この政治的自由を侵害した不公正なやり方に先進国や国連が批判をしています。
この一連の動向を見て、いつも思うのが、昔少しだけ読んだ、ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン教授の考え方、すなわち、自由とは開発のための手段ではなく、開発そのものであり、各種の自由が相互的に関わりあって開発が達成されるというものです。
政治的自由の重要性については、例えば、「Development As Freedom(自由と経済開発)」で検討がなされています。
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たしかに、例えばアジアなどでは政治的自由を制限した「開発独裁」が成長をもたらした、という主張がありますが、例えば、一部の人に恩恵が集中していたり、本当に必要なものが整備されていなかったりという指摘もあります。
また、人権などの重視の方が、成長よりも国民に幸福をもたらすかもしれませんし。
と、いろいろ書きましたが、経済開発の功罪、セン理論への理解がまだまだ十分とはいえず、グローバル化の中で仕事をする人間として、もっとグローバル経済の功罪や今後の課題などについて見識を深めないとと思った次第です。
で、今回の勝利宣言についてですが、やはり不公正なやり方では国民や国際社会を納得させることができず、情勢が不安定になり、ビジネスがしにくくなると共に国際社会からの支援を期待することも難しくなり、開発という観点からは望ましくないように思えます。
(ただ、軍部をどう抑えるかというところをしっかり解決しないとこれはこれで難しくムガベ氏も知らぬところで苦心しているのかもしれないですが。)